平成27年度決算特別委員会「総務費」質問&答弁(議事録)

【質問内容】
◯委員(黒崎ゆういち君)  よろしくお願いします。港区のブランディング戦略についてです。
 港区らしい、視覚的なブランドイメージについてお聞きします。現在、区制70周年記念として、職員の皆さんが着用しているネックストラップ、このネックストラップをつけている方は、視覚的に区の関係者だと一目瞭然であります。また、きょうこちらにいる全ての職員の皆さんが着用され、とても一体感があり、皆さんが港区を愛しているあかしであると、誇らしく感じるツールです。きょうは私もつけさせていただいています。港区唯一の紋章である「まるみ」マークをベースにしたPRツールを全員が着用することによって、港区のブランドイメージを職員の皆さんが率先してPRしている大変すばらしい事例だと考えます。
 ただ、そもそも「まるみ」マークを知らない人が見たら、港区だとわからない。「まるみ」マークの色が違っていたら、港区ではないと判断されるかもしれない。また、ゆるキャラが港区のマークだと捉える人も出てくる可能性もある。そして、そもそも来年3月の区制70周年記念が終わったら、このネックストラップを着用する人はいなくなると思います。せっかくの港区の統一的なPRツールがなくなってしまうのは、とてももったいないと感じております。
 一方、民間企業におけるブランディング戦略では、コーポレート・アイデンティティー、いわゆるCIによって、汎用性に対応し、視覚的に統一されたマークやロゴでブランドイメージを向上させる手法を用いるのが一般的になってきています。例えば、海外に行って言語がわからなくても、店舗のロゴマークや色を見ると、その企業やイメージを連想する経験は誰でも持っていらっしゃると思います。代表的な例では、自動車メーカーや家電メーカー、最近では飲食店や衣料品店などもそれに当たります。それらを見ると、親しみやすさや安心感を与える効果があります。これがブランド力というものだと思います。
 行政においても、同様の戦略は必要だと思います。幸いなことに、この区制70周年の歴史において、港区というブランドイメージは確立しております。このブランドイメージを視覚的に表現し、積極的かつ効果的に利用することにより、より港区を愛する気持ちが広がり、港区というブランドの価値と魅力が高まっていくものと考えます。
 そこで質問は、港区らしさの象徴といえば、各地区総合支所の存在だと思いますが、地域のブランディングについてお聞きします。各地区総合支所の特徴は現在定義されているのでしょうか。また、各地域におけるその特徴の活用状況はどうなっているのでしょうか。お聞きいたします。
【答弁内容】
◯芝地区総合支所協働推進課長(太田貴二君)  黒崎委員ご指摘のような定義づけというものは行っておりませんが、例えば芝地区総合支所では、芝公園や東京タワー、新橋などの繁華街、昼間人口が多いなどといった地域特性を踏まえ、港区基本計画・芝地区版計画書におきまして、互いに支え合うぬくもりと安心に包まれたまち「芝」という地区の将来像を掲げております。各地区総合支所では、地区版計画に基づきまして、各地区の特性などを踏まえまして、工夫を凝らした地域事業を計画し実施する中で、地域の魅力を向上させる取り組みを行っております。例えばでございますけれども、地区のイメージカラーを掲げ、お祭りでの統一した色のTシャツの着用や、地域のキャラクターを作成し、さまざまなイベントでの活用などを通じまして、地域の魅力を発信しております。区政運営の基本である区民参画を推進し、区民とともにさまざまな事業や機会を捉えて地域の魅力を発信することで、地域への愛情を醸成し、地域の魅力を高めております。
【質問内容】
◯委員(黒崎ゆういち君)  ご親切にありがとうございます。一番わかりやすい例で言うと、さわやか体育祭で各地区総合支所ごとに応援カラーといいますか、色が横断幕に表示されて、その色の鉢巻きやユニフォームで、それによって皆さんがアイデンティティーを持って、赤を見たら芝浦港南地区総合支所だといった一体感を持たれると思いますので、もっとそこを各地区総合支所が前面に押し出して進めていただければと思います。
 次に、各種制作物や表現方法の統一ルールについてお聞きします。先ほどのネックストラップの事例が象徴するように、区が発行している封筒や刊行物等の各種制作物の統一化を図り、職員の皆さんが積極的に推進することにより、港区らしいブランドイメージが自然に醸成されると考えます。現在、封筒や刊行物の表紙などの表現が統一されていないのは非常にもったいないと思います。
 きょうお持ちしたものが港区の封筒2種類で、これも微妙に色が違います。教育委員事務局と区議会事務局の封筒も、一見同じように見えるのですけれども、封筒の色が違ったり、インクの色が違ったり、選挙管理委員会事務局は特殊な封筒で、産業振興課はピンクの封筒です。これが封筒の類いです。一方で、一番多く出ている広報みなとも、ブルーの「まるみ」マークで、英語版は黒に「まるみ」マークです。それ以外にも、各地区総合支所、あと観光ツールのとっておきの港区においては、「まるみ」マークが後ろにあったり、右下にあったりと、いろいろな使われ方があり過ぎるかと思います。商店街まち歩きマップなどは、「まるみ」マークはどこを見てもなかったです。各支援部の事業概要を見ても、港区と書いてあったり、「まるみ」マークに港区と書いてあったり、何もない、港区環境リサイクル支援部とあったり、背表紙も28年が英語だったり漢字だったり、どうせつくるのであれば、そのようなルールを設けて、運用もしやすく、また使い方の統一もしやすいような、ある程度のルールをわかりやすく決めて展開していった方がもっと効果的だと思うのですが、いかがでしょうか。
【答弁内容】
◯区長室長(新宮弘章君)  区が発行する刊行物等への表記につきましては、平成27年3月に文書で全庁に周知を行いまして、区名や発行部署名、区の紋章──いわゆる「まるみ」マークでございますが、区の木・区の花、発行年月等、原則として表記すべき項目や表記方法等を統一しました。また、本年3月からは、区制70周年を記念したロゴマークの記載を追加してございます。
 ただ、黒崎委員のご指摘にもございましたが、現在の港区が発行する刊行物がトータルに見てまだ統一感に欠ける印象となっているのは、表示する文字のフォントやサイズ、区の紋章の大きさや位置などのデザインが統一化されていないためと考えております。全ての刊行物等に対して統一したルールを定めるということは困難ですけれども、刊行物の種別ごとに、それぞれのルールを定めることは可能であると考えております。例えば、各支援部が発行している事業概要であれば、A4サイズというルール以外に、タイトルや発行年月、発行者、区の紋章等について、使用するフォントや大きさ、位置等を統一化することができます。また、封筒や公務連絡カードにつきましても、区の紋章などのほか、港区の代表的な風景を入れるなどの統一的なデザインとすれば、広く港区の持つブランドイメージを発信することができます。今後、事業概要や封筒、公務連絡カードなど、それぞれの刊行物等の種別に応じてデザインの統一化を図ることにつきまして、関係部署等とも調整し、検討してまいります。
【質問内容】
◯委員(黒崎ゆういち君)  ありがとうございます。ぜひ2019年・2020年に向けて、外国人の方が見ても港区だとわかるようなものをつくっていただきたいと思います。
 次に、地域で開催するお祭りの意義についてお聞きします。区が考えるお祭りの意義についてです。
 まず、祭りは、歴史的観点で見た場合、さまざまな意義を持っていますが、区が考えている祭りとは何か、お聞かせください。
 そして、2つ目の質問ですが、現在、区が支援しているお祭りはどの範囲で、どれくらいあるのかもお聞かせください。
【答弁内容】
◯地域振興課長(高嶋慶一君)  地域では、古くから行われている歴史的な背景のあるお祭り、また新しく地域コミュニティを創出するために始まったお祭りなど、多くの地域で夏祭り、盆踊り、秋祭り、またカーニバル、フェスティバル等々、さまざまな形で行われております。いずれも地域の方々がその力を結集し、ともに汗を流し、ともに楽しむことで地域が一丸となる大きな意義のあるものと考えてございます。区は、町会・自治会・商店街が実施するお祭りのほか、地域の大学や企業などが組織する実行委員会などが実施する、地域に広く開かれたさまざまなお祭りにつきまして、地域住民や在勤者などの交流が図られ、にぎわいを創出する重要かつ有効な行事と考えてございます。
 お祭りの中身につきましては、芝浦港南地区総合支所協働推進課長から答えさせていただきます。
◯芝浦港南地区総合支所協働推進課長(山本睦美君)  区で支援しているお祭りでございますが、各地区総合支所では、地域の町会・自治会・商店会などがお祭りやイベントを開催する際には、行政関係への諸手続の支援や、必要に応じて簡易テント、トランシーバー、綿菓子機等、お祭りに必要な機器の貸し出しを行っております。
 そのほかに、例としてですが、赤坂地区では、赤坂のマスコットキャラクター、赤坂親善大使を派遣し、地域で行われる祭りやイベントをにぎやかに盛り上げています。また、芝浦港南地区では、港南ふれあい桜まつりや芝浦運河まつりなど、地域が一体となって開催するお祭りに合わせ運河クルーズを実施し、より多くの方に地域の祭りを楽しんでいただくとともに、地域の魅力をアピールしております。
【質問内容】
◯委員(黒崎ゆういち君)  ありがとうございます。さまざまな観点でサポートいただいているということを改めて感じました。
 お祭りとイベントの共存についてということで、港区内では、先ほどのお祭りとは違い、いわゆる興行やプロモーション、催事を目的としたイベントが年間を通じてさまざまな場所で多数開催されています。また、再開発が進む中で、それぞれの開発事業者が地域に貢献する取り組みとして、各種イベントが開催されています。
 ことしの夏、港南地域で、町会の子ども山車や子ども神輿巡行のお祭りと事業者の水遊びイベントが同日に開催され、祭りには地元の子どもたち約300名が参加、一方、イベントには2日間で延べ9,000名の子どもたちが参加しました。イベントに参加した子どもたちがその流れで祭りに参加してしまったら、巡行中に振る舞うジュースやお土産のお菓子が到底足りなくなってしまうようなことも当日想定されました。そもそも地域で子どもたちを育み、大人になったら主催者の側として祭りを継続してほしいと願う町会や自治会の目的が違ってきてしまいます。住民にとっては、さまざまなお祭りやイベントが開催されることは、港区に暮らすメリットでもありますが、心意気で祭りを主催・運営する町会や自治会にとっては深刻な話です。この現状を区はどう考えているのでしょうか。
【答弁内容】
◯芝浦港南地区総合支所協働推進課長(山本睦美君)  町会・自治会等、地域の方々が長年続けてこられたお祭りなどは、地域の皆さんの地元を愛する思いや、安全・安心への取り組みなど、地域のコミュニティの形成に欠かすことのできない大事な機会と考えております。一方、港南地域では、地域貢献の一環として事業者が主催している大規模なイベントは、集客力が高く、港南地域以外からの参加者も多いようで、地域主体のイベントとは言いがたくなっていると思われます。
 今後は、事業者からイベント開催についての相談や道路占用等の申請があったときは、地域の町会・自治会等の方々と計画について話し合うよう調整するなど、地域に住み、働き、学ぶ多様な方々の交流を促進して、それぞれの立場で開催するお祭り・イベントが地域にとってより意義のあるものとなるよう努めてまいります。
【質問内容】
◯委員(黒崎ゆういち君)  ありがとうございます。今後のあり方についての方向性もお示しいただきましたので、ぜひ積極的にご指導、関与いただきたいと思います。
 次に、町会や自治会の組織継続を支援する施策についてです。現在の支援制度についてお聞きします。先ほどの質問にもあったとおり、町会や自治会が単独で地域コミュニティの推進機能を果たしていくには限界があります。地域のお祭りやイベントの準備や実行も含め、現在、区が行っている支援制度の内容についてお聞きします。
 そしてあわせて、いわゆる平時における事務的な支援は、共通な事項が多いことから、今後プラットフォーム化して、全体的に支援する体制を整備すべきだと考えますが、いかがでしょうか。2点お聞きします。
【答弁内容】
◯地域振興課長(高嶋慶一君)  現在、区では、各地区総合支所が地域の皆様のさまざまなご相談に乗って、イベント開催につきましても、一緒に考え悩み、進めているところでございます。現在の支援制度の中身でございますけれども、区では町会・自治会等に対しまして、運営費・事業費などを補助する団体活動費補助金をはじめ、防犯灯の維持補修に係る経費の補助、掲示板の新設等に係る補助等、さまざまな支援制度を使って町会・自治会の活動を支援しております。
 また、先ほどの事務的なプラットフォーム化というお話でございますけれども、港区には古くからある町会から、新築のマンションで設立した自治会、会員数が50人以下の町会から数千人の自治会まで、さまざまな状況・規模の団体が活動しており、地域におけるご要望もさまざまでございます。区では現在、各地区総合支所において、事務的な負担軽減のための補助金申請のサポートのみならず、日ごろのおつき合いの中で町会・自治会からのさまざまなご相談をお伺いし、それぞれの団体における課題に応じて、例えばお祭りの支援や、NPOとの協働の支援、企業との協働の支援、小規模団体における存続や統廃合に関するご相談など、幅広いご要望・ご相談に応じております。ご提案の事務負担を減らすプラットフォーム化につきましても、支援ツールとしての効果を含め、町会・自治会の支援策を検討する中で研究してまいりたいと思います。
【質問内容】
◯委員(黒崎ゆういち君)  よろしくお願いします。いわゆる金銭的な支援というよりは、マンパワーの支援の方だと思いますので、そこもうまく組み合わせるような制度が構築できることをお願いいたします。
 次に、さまざまな行政需要が発生する中での用地確保策についてです。時間がありませんので、3点まとめて質問させていただきます。
 まず1つ目、現在の用地確保策についてお聞きします。
 2つ目、行政需要が発生し、そのエリアにおける使用可能な区有地がなく、使用されていない国有地や都有地が存在する場合の対応はどうなっていますか。国有地や都有地の購入が不可の場合、その土地を定期借地権の設定や賃貸借等で交渉する可能性はあるのでしょうか。
 3つ目、民間活用へのアプローチです。世田谷区では、保育園整備を急ぐために、民間が所有する土地・建物を募集しますというチラシを作成し、事務所内の一部や駐車場、空き地などを賃貸借契約により物件提供協力を呼びかけております。港区における民間活用のアプローチについてどう考えているか。
 以上3点、お聞きします。
【答弁内容】
◯用地・施設活用担当課長(柳澤信幸君)  区内の国有地や都有地につきましては、財務省や東京都の関係部署と密に連絡をとりながら、積極的に情報収集を行っております。また、民有地につきましても、公有地の拡大の推進に関する法律、いわゆる公拡法による区への申し入れ等のほか、区有施設の隣接地などを中心に、動向を常に把握しながら情報収集に努めているところでございます。こうした情報をもとに、機会を逃さず、公共施設用地として柔軟に利用できる用地につきましては、先行的な確保も含め、取得に努めております。
 次に、区内にある未利用の国有地や都有地につきましては、これまでも財務省や東京都の関係部署と連絡をとりながら、売却等の意向を積極的に確認しております。また、必要に応じ、公共施設用地の確保について、賃貸借契約などの活用の可能性も含め、対応してまいります。
 続きまして、民間活用へのアプローチについてですが、これまで区では、保育室や学童クラブなどの行政需要に対応するため、事業を実施する所管課が適切な地域・場所・広さの民間建物等を探し、賃貸借契約を行うなど、民間活用を行ってまいりました。今後の人口増加に伴うさらなる行政需要に対応するため、土地や建物を所有する民間の方々へのアプローチの方法につきましても、所管課と連携をしながら、ご提案の方法も含め、検討してまいります。また、区有地や区有施設につきましても、施設の複合化や異なる施設間での機能共有を図るなど、これまで以上に有効活用を進めてまいります。
◯委員(黒崎ゆういち君)  さまざまな、特に保育園を中心とした行政需要が今逼迫している状況です。私は民間でサラリーマンをしておりましたが、トップ営業というところに一つの選択をして、狙い打ちしてとりにいくということも必要な時期に来ているのではないかと思います。貸してくれ、売ってくれというだけではなくて、もうやられているとは思いますが、メリットを与えて、お互いが納得できるような、気持ちよく、場を提供していただけるようなメニューの提示、その辺は民間事業者等はわかりませんので、これなら区に貸してあげようということになるように、ぜひリードしていただきたいと思います。
 最後に、IoT、AIの質問を考えておりましたが、同じ会派の有働委員が質問されるということで、突然になりますが、取り下げさせていただきます。
 以上です。
▼上記質問の動画は「港区議会インターネット録画配信システム」で下記URLでご覧いただけます↓
http://www.minato-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=speaker_result&speaker_id=133

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