○委員(黒崎ゆういち君) よろしくお願いします。
最初に、高輪ゲートウェイ駅周辺まちづくり推進本部について伺います。
定例会初日の区長所信表明第3のテーマ、「安全・安心に過ごせる快適でにぎわいあるまちを実現するための取組」の中で、快適でにぎわいあるまちの基盤整備として、来年の春に暫定開業を予定しているJR高輪ゲートウェイ駅周辺において、民間事業者による新たなまちづくりが進んでいることを受け、昨年12月に、区長を本部長とする高輪ゲートウェイ駅周辺まちづくり推進本部を立ち上げられました。町の名称や総合支所の管轄区域、区立小・中学校の学区域の検討を開始すると述べられております。
港区では、台場地域以来、20年ぶりとなるゼロからの大規模なまちづくりの整備に向けて、区民生活に直結するさまざまな対応を先んじて手を打つことが同本部の設置目的だと思いますが、支援部や総合支所の既存組織でなく、区長がみずから本部長となって横断組織を立ち上げられたのは、どのような意図があるのかお伺いをいたします。
また、現段階で同本部が扱う問題はどのようなものがあるのか、あわせてお伺いいたします。
○企画課長・オリンピック・パラリンピック推進担当課長兼務(野上宏君) 高輪ゲートウェイ駅周辺まちづくりでは、2020年春ごろ、高輪ゲートウェイ駅が暫定開業するほか、土地区画整理事業等により新たなまちの整備が進められています。
区は、新たな町名を早期にお示しし、区民生活や企業の事業活動に与える影響を考慮した良好なまちづくりを推進することを目的といたしまして、本部を設置したものでございます。
現在、本部では、町の境界の設定や、町名の方向性、既存の町区域との一体性、総合支所の管轄のあり方とそれに伴う区民サービスへの影響、区立小・中学校までの通学路や教室数の過不足などについて検討を進めております。
○委員(黒崎ゆういち君) 今回のまちづくりは、東京の玄関を港区につくり上げるプロジェクトになろうかと思います。品川駅を中心とした港南側、そして、高輪側、高輪ゲートウェイ駅周辺のいわゆる大品川エリアが相互連動していくことが重要です。同エリアでは、さまざまな開発が、2027年リニア中央新幹線開通に向けて今動いております。そのような中、今までにないまちづくりを求められていることになろうかと思います。
よりよいまちづくりの実現のために、同エリアにおいては、規制緩和を含め、大胆で柔軟な制度運用や支援を行うことが必要だと考えますが、現段階での対応方針についてお聞かせください。
○企画課長・オリンピック・パラリンピック推進担当課長兼務(野上宏君) 高輪ゲートウェイ駅周辺のまちづくりにおきましては、現段階で特に対応方針を定めておりませんが、今後、具体的なまちの姿が明らかになる中で、事業者などの要望を丁寧にお聞きし、黒崎委員提案のアイデアも含めまして、柔軟かつ適切に対応してまいります。
○委員(黒崎ゆういち君) 住民の方々にしてみると、提示されている内容が複数ありまして、どこがどういつできるのか、どうつながっていくのかというところがわかりにくいエリアであります。土木費でも当然質問するのですが、ぜひ高輪ゲートウェイ駅周辺まちづくり推進本部においても、区民目線での対応をよろしくお願いします。
次に、企業連携推進施策について伺います。
当選以来、港区の地域資産、地域資源である企業の力をもっと地域に活用すべきだとして、たびたび質問で取り上げさせております。その意図を酌んでいただいた結果かどうかはわかりませんが、多くの区民が参加できるスポーツを通じて、一体感や感動を創出するイベント、MINATOシティハーフマラソン2018が昨年12月2日に開催され、大成功をおさめました。港区にある多くの企業が本イベントの成功に向け、さまざまな資源、資産を提供し、地域と企業が共生する機会をつくりました。
今回お力添えいただいた区内企業の多くが2回目の開催を望んでいると聞いていますが、第1回目の大会総括はどのようなものだったのでしょうか。
また、ラグビーワールドカップ2019日本大会開催や東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の直前であると開催に向け、さまざまな阻害要素が待ち受けていると思われる第2回の開催の可能性について、現時点での庁内状況をあわせてお伺いいたします。
○企画課長・オリンピック・パラリンピック推進担当課長兼務(野上宏君) 本大会には、200社を超える企業が協賛という形でお力添えいただくとともに、大会当日の寒さ厳しい中、早朝から400名を上回る企業ボランティアの皆さんに大会を支えていただきました。
また、歌やダンスによるステージイベントなど、企業連携の取り組みの効果を最大限発揮した大会となりました。
大会を事故なく無事に開催でき、ランナーからも比較的高い評価をいただくなど、初回大会として円滑に運営できたことは、企業連携をはじめ、全国各地域との連携、区民の参画と協働など、区がこれまで推進してまいりました取り組みの集大成と捉えております。
私も含め、本大会に携わった事務局職員は、人と人とが織りなすきずなの重要性を改めて実感しております。こうした企業の力は、今後、あらゆる分野の施策に生かしてまいります。
続きまして、次回大会開催に向けた状況でございます。
本年は、改元による皇室行事や、各国の要人の来日が多く予定されているなど、交通管理者である警視庁が大規模な警備体制をしくイベントが多いと伺っており、区では、現在、次回大会の開催日程を含め、警視庁と協議を進めております。
港区マラソン実行委員会では、今回の企業協賛に対しまして、大会を振り返るアンケートを企業に実施するなど、次回大会の開催に向けた準備を着実に進めております。
企業の協賛特典の見直し、企業が大会をともに盛り上げることができる手法をさらに検討し、企業が有する知見やノウハウを前回以上に取り入れてまいります。
○委員(黒崎ゆういち君) 大会の運営資金というか、協賛金の部分において非常に大きな役割を占めていただいたと思います。1回目以上に2回目の資金集めは大変だと思いますので、ぜひ機能を盛り込んでいただいて、第2回目準備を進めていただきたいと思います。
スポーツにより地域と企業をつなぐ連携施策は形になりました。一方、地域の課題に対し、港区の地域資源、地域資産である企業の力をもっと地域に活用するような施策も含め、さらなる企業連携を推進していくべきだと考えます。
例えば、港区が区内企業向けの独身寮を整備するのはどうでしょうか。独身寮に入寮する条件として、区や企業、町会が連携協定を締結し、地域のお祭りや交通安全、学校の運動会等で必ず設営するテント張りなどや、消防団への入団等、今、港区内で不足している平日における若い力を確保することができると思います。
千代田区では、再開発に学生寮を同様のコンセプトで設置した事例もありますが、区内の地域資源、地域資産である企業の力をうまく活用していくべきだと考えます。
それらを踏まえて、来年度に向けた新たな企業連携推進施策があれば、お伺いいたします。
○企画課長・オリンピック・パラリンピック推進担当課長兼務(野上宏君) まずは、現在取り組んでおります企業連携推進、これを進めていくことが最重要と考えておりますが、担当所管といたしまして、新たな取り組みの一つといたしまして、区内企業の力を全国各地の課題解決につなげる可能性、これを検討しております。
連携を行っている企業からも、桜の手入れをする職人の桜守の熟練技術の継承を目的に、青森県弘前市と港区の事業者がAIを活用した共同研究を実施するなど、他県の課題を解決したという事例をお聞きしたところです。
黒崎委員ご提案の企業と町会をつなげる取り組みについても参考にさせていただきながら、企業連携のさらなる充実に努めてまいります。
○委員(黒崎ゆういち君) 次の質問です。東京2020大会のレガシー創出について伺います。
いよいよ9月20日、アジアで初となるラグビーワールドカップ2019日本大会が開催されます。開幕戦は、日本代表対ロシア代表、東京都調布市の味の素スタジアムでキックオフが行われます。
区長所信表明においても、ここ港区は、日本ラグビーの発祥の地、そして、ラグビーの聖地、秩父宮ラグビー場が立地しているとありました。その中で、世界の活躍するトップ選手と区民との交流事業を展開していく、大会のすばらしさを、感動を分かち合う場を提供する、ラグビーに対する熱き思いを区民の皆さんと共有してまいりますとしております。
また、東京2020大会の開催まで1年余りとなり、大会の開催に向けた準備が本格化しています。世界中のオリンピアン・パラリンピアンが港区に集う、この絶好の機会を捉え、区民一人ひとりの心に刻まれるような大会となるよう、気運醸成を積極的に行っていくと述べられました。
大会を通じて、港区の未来にはどんなレガシー、大会遺産を残していくのか、検討はどのようになっているのでしょうか。54年前の東京オリンピック競技大会では、日本の高度成長を支える原動力になった新幹線や首都高速などの整備が進み、ハード面でのレガシーになりました。一方、ピクトグラムも社会に浸透し、バリアフリーの考え方や施設整備が進みました。これらは、インフラに対するものとして、ソフトレガシーと呼ばれています。
港区におけるハード、ソフトのレガシー創出について、現在の状況をお聞かせください。
○企画課長・オリンピック・パラリンピック推進担当課長兼務(野上宏君) 区は、ハード面において、レガシーの創出といたしまして、「泳げる海、お台場」の実現に向けた取り組み、道路や快適な公衆トイレの整備などを積極的に推進しております。
また、ソフト面におけるレガシーの創出といたしましては、MINATOシティハーフマラソンの開催や、区民のボランティア意欲の向上、港区ならではの文化プログラムの推進などに取り組んでおります。
区は、今後、行政が考えるだけでなく、区民の皆さん一人ひとりが東京2020大会における港区のレガシーについて考えていただく機会を設けるなど、区民の皆さんの心に残る確かなレガシーの創出に一層取り組んでまいります。
○委員(黒崎ゆういち君) ぜひ区民みんなで考えるレガシー創出プロジェクトというか、アイデアがどんどん浮かんでくるようなプラットフォームもつくっていただきたいと思います。ハード面においては開催まで時間がありませんので、よろしくお願いします。
次に、公共施設整備の決定プロセスとその進め方について伺います。
平成30年第4回定例会の一般質問において、同様の質問をさせていただきました。一般質問では、1、行政需要や区民要望のニーズの把握について、2、適正配置の決定について、3、土地や国公有地の取得の流れについて、4、迅速な整備とニーズに沿った計画策定について、5、整備計画の決定・公表について、6、整備計画の合意形成についての6項目をお聞きしました。今回は、そのうち行政需要や区民要望などのニーズ把握についてと、適正配置の決定についての2点について改めて質問をさせていただきます。
まず、行政需要や区民要望などのニーズ把握についてです。
私は、行政需要や区民要望などのニーズを的確に把握するプロセスがどのようになっているのかを質問しました。港区基本計画に掲げる政策を実現し、地域の課題解決や区民サービスの向上の手段の一つとして、公共施設を計画的に整備しています。公共施設の整備の検討にあたっては、区に寄せられた声や、基本計画等の策定時に実施する基礎調査を通じて区民ニーズを把握するとともに、将来の人口増減を予測する人口推計を実施し、長期的な行政需要を分析した上で公共施設の整備を進めておりますと区長は答弁されました。
来年度は、次期港区基本計画の改定に向けた準備が進んでいると聞いています。これらの行政需要や区民要望などのニーズや統計資料等、計画の前提条件となるデータを公表、すなわち見える化した上で計画策定を進めていくべきだと考えますが、区の見解をお伺いいたします。
○企画課長・オリンピック・パラリンピック推進担当課長兼務(野上宏君) 港区基本計画や公共施設の整備計画の策定にあたりましては、将来の人口の増減を予測する人口推計や財政推計を実施するとともに、港区政策創造研究所において、区政の課題をわかりやすくグラフ化した政策形成支援データ集をまとめ、データの見える化を図っております。
今後も引き続き、データの見える化の充実に努めながら、計画策定を着実に進めてまいります。
○委員(黒崎ゆういち君) 次も関連する質問なので、続けます。
次に、適正配置の決定について伺います。
私は、適正配置の決定プロセスは誰がどのように決定しているのかを質問しました。区長からは、子どもや高齢者など年代別の細かな人口動向を分析し、各施設の利用者の推移を推計するなど、区全体として長期的な施設需要を予測します。その後、人口の分布や施設利用者の利便性、各地区における施設需要を踏まえ、保育園や学校、高齢者施設、障害者施設などの公共施設の配置案を検討し、配置案は、公共施設の適正な整備を図るために設置している公共施設等整備検討委員会での議論を踏まえ、最終的に庁議での審議を経て決定しておりますと答弁をされております。
先ほどの質問と同様の趣旨となりますが、公共施設等整備検討委員会での検討結果をもとに、必要な施設整備計画を各地区で優先的に示した上で公表し、公共施設整備を進めていくべきだと考えますが、ご見解をお伺いいたします。
○企画課長・オリンピック・パラリンピック推進担当課長兼務(野上宏君) 区は、今後も続く人口増加に対応した優先順位の高い公共施設について、公共施設等整備検討委員会を踏まえて選定いたしまして、港区基本計画の策定にあわせまして港区実施計画としてまとめ、お示ししてございます。
今後も、港区基本計画・実施計画に計上した公共施設の整備計画を一覧にするなど、わかりやすい形で区民の皆様にお示しできるよう、公表の仕方を工夫し、丁寧な公共施設整備を進めてまいります。
○委員(黒崎ゆういち君) 土地が取得できるタイミングというものは非常に重要でございますので、優先順位がついてあっても、そうはいかない計画が入ってきたり、その都度の対応をしていくようなことは当然あると思います。ただ、この地区にはこのようなものがなければいけない、もしくはこのようなものが今不足しているというメッセージは、ぜひ議員も含めて常に共有しておく必要があると思います。保育園は全区的に足りないということはわかっておりますが、その他の分野においても、ぜひわかりやすい広報をしていただきたいと思います。
最後に、港区ワーク・ライフ・バランス推進企業認定事業について伺います。
仕事と家庭の両立支援や、男女がともに働きやすい職場の実現に向けて、ワーク・ライフ・バランスに取り組んでいる中小企業を、子育て支援、地域活動支援、介護支援、働きやすい職場環境づくりの4分野で認定しています。
認定企業のメリットとしては、区が認定企業を広くPRするとともに、契約制度に係る優遇も与えられています。また、港区ワーク・ライフ・バランス推進企業認定証を授与し、社内やホームページに掲げて、お客様や就職活動の学生等にPRできるとされています。
今後、さらに本認定が増えていくことが当然望ましいのですが、本事業における現在の状況と今後の取り組み方針についてお聞かせください。
また、港区ワーク・ライフ・バランス推進企業認定証だけでなく、わかりやすいシンボルマーク等があれば、認定企業側が名刺やホームページ等で積極的にPRできると思いますが、この施策につきましてもご検討いただけますでしょうか。
○人権・男女平等参画担当課長(江村信行君) 平成30年度は、20社を新規認定し、20社の更新認定を行いました。認定企業の総数は59社に達しております。
今後の取り組み方針といたしましては、平成31年4月1日から順次施行される働き方改革関連法を受け、時間外労働時間の上限規制等を審査基準に加えるなどの検討をしてまいります。
さらに、他の企業にもワーク・ライフ・バランスの取り組みが拡大するように、情報誌やリーフレット等による広報を充実させてまいります。
また、認定証の交付のみではなく、認定企業のイメージアップと積極的なPRにつながる方法を検討してまいります。
○委員(黒崎ゆういち君) シンボルマークの件は、回答の中に入っているということですか。認定された企業から、もっとPRしたいという声がありましたので、今、ご質問させていただいています。
働き方改革の中で、昼間人口100万人の港区が一番働きやすい地域であるということも含めて、積極的に活用、アピールしていくことが、先ほど質問しました企業連携にもつながっていくと思いますので、ぜひ企画課等と連携をとりながら、働きやすい地域港区になるように進んでいってもらいたいと思います。