平成30年度決算特別委員会「総務費」問&答弁(議事録)

○委員(黒崎ゆういち君) よろしくお願いします。今回総務費で3点お聞きします。
 1つ目は、次期港区基本計画策定に向けた取り組みについて伺います。次期港区基本計画策定に向けた準備がいよいよスタートしました。区を取り巻く状況は、次期港区基本計画期間中に大きく変動することが考えられます。例えば、計画初年度の令和3年度には、児童相談所が入る(仮称)港区子ども家庭総合支援センターが開設し、令和6年度には、高輪ゲートウェイ駅周辺の街びらきが行われ、また、計画の最終年度には人口が30万人に達するなど、多くのトピックが待っています。なお、計画期間ではありませんが、基本計画最終年度の翌年の2027年には、リニア中央新幹線の品川・名古屋間が開通する予定もあります。
 このように、区を取り巻く社会経済情勢が大きく動く港区においては、先を見据え区政を計画的に進めることは、どの自治体よりもその重要性や困難を伴うものであることが容易に想像できます。今後区政のあらゆる分野で計画的に行財政運営を推進するための最上位計画である港区基本計画への期待はますます高まっていくのではないかと思いますが、この期待に応えるためには、やはり港区基本計画があらゆる分野に的確に対応できるものにすることが大切です。そのためには区の役職員の皆様の努力も必要ですが、港区に住み、働き、学び、区内の動向を肌で感じ、また、行政サービスの受け手である方の視点は欠かせません。基本計画策定に向け提言をする機会であるみなとタウンフォーラムの存在は重要です。次期港区基本計画策定に向け、9月4日にみなとタウンフォーラムがスタートしていますが、参加人数やどのような方が参画しているのかをお伺いいたします。

○企画課長・区役所改革担当課長兼務(大浦昇君) みなとタウンフォーラムは、本年9月4日に総勢75名の方に委嘱し、9分野のグループに分かれて活動しております。参加者は公募と無作為抽出により募集し、参加者の年代は10代から70代以上まで、幅広い世代の方で構成され、大学生や社会人、高齢者、障害者、子育てをしている方、外国籍の方などがいらっしゃいます。また、地域で、地域防災協議会メンバーや港区国際化推進アドバイザー、港区観光ボランティアガイドとして活動されている方、また、認知症の高齢者の介護を経験された方、大学院で地域と自治体との連携を研究された方、約70年間港区に居住された方など、さまざまな経歴をお持ちの方が参画されております。

○委員(黒崎ゆういち君) 今お話あったとおり、地域多様性というか、港区の縮図とも言える多様なメンバー構成になっていると思います。それだけにこのみなとタウンフォーラムからの提言は大切にしてもらいたいと思いますし、参加している方々からしっかり提言を引き出してもらいたいと思います。みなとタウンフォーラムの運営という意味では、今の多様な方々の考えを抽出していただくには大変重要な役割を持っていただくことになると思うのですが、この運営にあたり、どのような工夫をして現状の取り組みを行っているのかお伺いします。

○企画課長・区役所改革担当課長兼務(大浦昇君) みなとタウンフォーラムの運営にあたり、参加者の方がこれまで以上に効果的・効率的な議論をしていただくために、事前学習会として本年7月に、将来の社会動向に関する講演会、8月に施設見学会を開催するとともに、9月の全体会で区の現状や社会動向をまとめた次期港区基本計画策定への区民参画会議ガイドを提示することで、活動に必要な理解の促進を図っています。
 また、区民参画組織として初めてテレビ会議システムを導入することで、介護や育児、出張などで会議の出席が難しい場合でも、自宅など離れた場所から会議へ参加することを可能としました。引き続き参加者からよりよい提言をいただくため、会議運営に工夫を凝らしてまいります。

○委員(黒崎ゆういち君) まさに区の根幹をなす計画にふさわしい広聴体制だと思います。今後この基本計画策定に向けた皆さんへのアプローチの仕方が、ほかの会議体、協議体でも参考になってくると思いますので、しっかりトライアンドエラーを重ねていきながら、いいものに仕上げていっていただければと思います。
 現在の基本計画は平成32年度までの港区を見据えて、多様な人が共生する地域社会の実現に向けた取り組みの推進や、大幅な人口増加を見据えた行政サービスの充実、参画と協働の取り組みの充実など、6つの重点課題として優先的・重点的に取り組むべき課題と設定されています。今回の新たな港区基本計画においては、そのような軸となるものは定めているのでしょうか、お伺いいたします。

○企画課長・区役所改革担当課長兼務(大浦昇君) 当初みなとタウンフォーラムの活動にあたり、区の計画策定に向けた基本的な考え方を提示することを検討しましたが、参加者の議論を狭めてしまうことが考えられたため、港区基本計画策定委員会において、区の方針については、みなとタウンフォーラムの提言を踏まえた上で決定することとしました。今後令和2年5月に決定を予定している次期港区基本計画の方向性を示す港区基本計画策定方針の議論を進める中で、社会動向を的確に捉えながら、優先的・重点的に取り組むべき課題も含めて検討してまいります。

○委員(黒崎ゆういち君) 7月の事前学習会から施設見学等、ガイドの方針も含めて、そして、これから来年に向けて策定方針を決めていくまでの間、多くの区民の方が参画するとあわせて、多くの区民の方の貴重なお時間を区政のために割いていただくことになると思います。どうか、何回も行って、自分の意見を区に反映させてもらいたいと思ってもらうには、モチベーションの維持のために、運営の皆様の声かけ、もしくはサポート、一言を含めて、そこで大きく受け手が変わってくると思いますので、ボランティアで参加されているという前提の中で、気持ちよく港区のために働いてもらう環境の整備を含めて、充実したものを期待していますので、よろしくお願いいたします。
 次に、JR高輪ゲートウェイ駅暫定開業に伴う諸課題について伺います。高輪ゲートウェイ駅は、50年ぶりにつくられる山手線の新駅であるとともに、世界的建築家の隈研吾氏による日本の折り紙をモチーフにした特徴的なデザインの駅舎が、日本全国で注目を集めています。既に外観は完成しているようで、地域の方と話をしても、開業が待ち遠しいとおっしゃる方が大勢いらっしゃいます。本年11月には、JR山手線と京浜東北線の線路が新駅側に移設される予定であり、来年春の暫定開業が近づいてきたことを実感します。新たな国際ビジネス交流拠点として期待される当該地域は、暫定開業を契機に、駅前用地に東京2020ライブサイトの会場ができるなど、新たなまちとしてスタートを切ります。今後2024年ごろの街びらきに向けて、駅周辺のまちづくりはどんどん加速していきます。区においては、新駅の暫定開業にあわせて住居表示の再整備に向けた検討を進めていますが、区長が本部長を務める高輪ゲートウェイ駅周辺まちづくり推進本部は、高輪ゲートウェイ駅の開業や土地区画整理事業等による住居表示の再整備を伴い、生じる諸課題について対応策を検討するために移設されたわけですが、住居表示が決定した後どのような機能を担っていくのでしょうか、お伺いいたします。

○企画課長・区役所改革担当課長兼務(大浦昇君) 高輪ゲートウェイ駅周辺まちづくり推進本部では、住居表示の再整備に伴い、町名に関すること、総合支所の管轄区域に関すること、小学校・中学校の学区域に関すること等を検討しております。2024年ごろの街びらきにあわせ、防災や生活環境などに関する諸課題について全庁にわたる検討も必要なことから、住居表示の再整備後も、高輪ゲートウェイ駅周辺まちづくり推進本部において対応策を検討してまいります。

○委員(黒崎ゆういち君) 一方で新駅の暫定開業においては、住居表示に伴う課題のみならず、新たなまちのルールについて検討または調整すべき課題がさまざまな分野で想定されます。今後、区民生活が商業活動等の社会活動が円滑に行われるよう、これらの諸対策、諸課題の解決に向けて、各部署が連携して取り組んでいくことが必要だと考えます。どのようにして進めていくのかお考えをお伺いします。また、暫定開業、本格開業に向けた今後の諸課題の調整はどこが担っていくのかもあわせてお伺いいたします。

○企画課長・区役所改革担当課長兼務(大浦昇君) 1点目の諸課題の解決に向けた進め方についてです。これまでも住居表示の再整備に伴い生じる課題については、地域住民や警察、消防をはじめとした関係行政機関等で構成する港区住居表示協議会の場において、当該地域の街づくりに関する情報とあわせて共有してまいりました。暫定開業においては、交通環境や生活安全などのさまざまな分野で課題が想定されるため、引き続き庁内関係各課や関係行政機関と情報の共有を図り連携して取り組んでまいります。
 2点目の諸課題の解決に向け中心となる部署についてです。高輪ゲートウェイ駅周辺まちづくり推進本部が引き続き担ってまいります。ついては推進本部の事務局である企画課が中心となって、街の開発状況に関する情報や、諸課題の共有と検討の進捗管理を行ってまいります。

○委員(黒崎ゆういち君) 人が住み、そして、人が働く、しかも桁違いの方々が今までなかったところに入ってこられるという中で言うと、想定されることはさまざまなことがあると思います。当然区はそれを適切な部署につなげていく窓口をしっかりと広報していただいて、ごみ出しの問題や通信の問題、いろいろな整理が出てくると思いますので、まずは一旦ここが受けますよということも含めて、どういう問題があるかも含めた課題を、ぜひ、前広に聴取してもらえるような窓口づくりをお願いします。
 一方で神社の氏子地域だとか、町会のお祭りの寄付だとか、町会費をどこに納めるかということで、水面下でもう取り合いになっているようなケースも聞いています。そこにどこまで区が介入するかということはあるのですけれども、基本的には住居表示に伴って今まで全てが回ってきていると思いますので、総合支所を横断するような管轄の分野も出てくると思いますが、ぜひ、線路の向こう側の人とこちらの人が取り合いになるようなことがないような運営も含めて、サポートをよろしくお願いいたします。
 3番目、東京2020大会に向けた準備施策について伺います。港区内で実施されたテストイベントの結果についてです。この夏、港区内で実施される東京2020大会のテストイベントが3回開催されました。1つ目は、8月11日にオリンピック・パラリンピック大会組織委員会が主催するマラソンスイミングがお台場海浜公園にて。2回目は、8月15日から18日まで、ITUワールドトライアスロンオリンピックオリフィケーションイベント実行委員会が主催するトライアスロンの個人女子・個人男子・パラトライアスロン男女混合リレーがお台場海浜公園にて。3回目は、つい先日、9月15日に、公益財団法人日本陸上競技連盟が主催する陸上競技、マラソングランドチャンピオンシップとして、男女のマラソンが、明治神宮・外苑周辺及び新橋交差点から西新橋交差点、そして芝公園を折り返して実施されました。
 今回のテストイベントにおいて、それぞれの実施状況や課題は検証できたのでしょうか、お伺いいたします。

○オリンピック・パラリンピック推進担当課長・全国連携推進担当課長兼務(白石直也君) 8月、9月に実施されたテストイベントでは、非公開であるマラソンスイミングを除く全ての日程において、オリンピック・パラリンピック推進担当の職員が現地を視察しております。8月に実施されたマラソンスイミング及びトライアスロンは、気温や水質の影響によってトライアスロン競技の内容に一部変更が生じましたが、おおむね予定どおりに実施されました。また、9月に実施された男子・女子のマラソン競技であるマラソングランドチャンピオンシップは、スタート・フィニッシュ地点及びコースの一部が区内に設定され、沿道には多くの観客が集い、大きなにぎわいを見せました。8月・9月ともに想定されていた真夏の日差しが降り注ぐ中でのテストイベントの実施であり、多角的な暑さ対策の重要性を再認識するとともに、競技会場周辺の交通規制の周知や、当日の交通混雑緩和についても、より丁寧な住民説明や事前周知が必要であると認識したところでございます。課題に対する具体的な検証については、現在、東京都及び組織委員会が主体となり進めておりますが、区も東京都及び組織委員会との打ち合わせの機会を積極的に設けるなど、引き続きの連携を図っております。

○委員(黒崎ゆういち君) 今、オリンピックまで303日前、パラリンピックは335日前という中でありますが、9月20日からラグビーワールドカップが開催されました。もう既に日本代表は1勝しておりますけれども、各開催地においては、非常に国際交流豊かなスポーツのイベントが行われております。東京は味の素スタジアムになるのですけれども、ぜひ、今行われているスポーツ大会も比較しながら、来年に向けた準備というか、課題の解決に向けた施策を展開いただきたいと思います。オペレーションに関しては、いろいろな方が今後これから本格的にやっていくと解決できると思うのですけれども、ハード面の問題、お台場の水質問題も含めて、どこの所管でという話はあるのですが、最終的に地元港区が東京都や組織委員会を動かすぐらい問題意識を持って解決する姿勢を、行政だけではなくて議会側としてもぜひ進めていきたいと思いますので、連携をとりながら引き続きよろしくお願いします。
 今後の気運醸成、シティドレッシング事業の展開について伺います。現在港区では、東京2020大会をより身近に感じてもらい気運を盛り上げていくため、開催1年前となる7月24日からさまざまな気運醸成、シティドレッシング事業を行っています。参加型イベントである、区役所1階において、2020ハートメッセージタワーや、2020ハートマークプロジェクト、区役所行政棟及び議会棟の各出入り口に東京2020マスコットのミライトワとソメイティのラッピング、港区スポーツセンターの3階ロビーに、東京2020マスコットと一緒に写真が撮れるフォトブースが設置されていますが、ますます開催が近くなるに向けて今後の展開があればお伺いいたします。

○オリンピック・パラリンピック推進担当課長・全国連携推進担当課長兼務(白石直也君) 区内における気運醸成に効果的なシティドレッシング事業につきましては、既にラッピングを完了している芝地区総合支所に加え、本年10月末までに各総合支所及び台場分室の主要な出入り口に設置する予定です。また、東京2020マスコットと一緒に写真が撮れるフォトブースについても、既に設置しているみなとパーク芝浦に加え、本年10月末までに麻布地区、赤坂地区、高輪地区総合支所及び台場分室に設置する予定です。さらに令和2年3月末までに、各総合支所の壁面を利用し大規模装飾を実施するほか、清掃車8台、区役所本庁舎で管理している庁有車7台にもラッピングを行い、効果的な気運醸成を図ってまいります。

○委員(黒崎ゆういち君) いろいろ手を打っていただいて、実現して形になるのが楽しみです。
 最後に、大会開催期間中等における区の事業執行の検証結果について伺います。7月22日から9月6日までの35営業日に、区では、選手や観客の円滑な移動に寄与するため、東京都等が定めた交通需要の制御・分散・平準化を図る2020TDM推進プロジェクトを推進するとともに、世界中のオリンピアン・パラリンピアンが港区に集う機会を好機と捉え、区民一人ひとりの心に刻まれる大会となるような効果的な施策を推進していく、8つの具体的な取り組みと目標を決定しました。今回の検証事業はどのようなものになったのかをお伺いします。
 それとあわせて、実効性ある取り組みとして目標達成をしていくための今後の進め方及び来年度の大会期間中、すなわちオリンピック7月24日から8月9日、パラリンピック8月25日から9月6日までの実施方針についてお伺いいたします。

○オリンピック・パラリンピック推進担当課長・全国連携推進担当課長兼務(白石直也君) 区では、東京2020大会の開催に伴う区民生活への影響を最小限にとどめるため、本年7月、年休、夏休の計画的取得や、庁有車利用の抑制などの8つの具体的な目標を定め、試行期間である9月6日まで推進してまいりました。取組内容の結果や状況につきましては現在検証中であり、現時点では公表できるまでには至っておりませんが、部長級職員全員によるテレワークの実施アンケートなど、庁内各部門へのヒアリングや調査を進め、今回の取り組みを来年度の大会本番へ着実に生かしてまいります。
 続きまして、今後の進め方及び大会期間中の実施方針についてですが、来年度の大会開催期間中に向けて、区のほか東京都や警視庁など関係機関が実施した混雑の取り組みについての検証も進んでおります。区は、関係機関への積極的な情報収集に努めるとともに、庁内各部門が有する情報や知見を最大限に生かし、本年11月を目途に実効性にたけた方針としての見直しを進め、区民生活への影響を最小限にとどめるとともに、大会の成功にも寄与してまいります。

○委員(黒崎ゆういち君) まず、区役所の検証結果を速やかにレビューしていただいて、その後、90万~100万と言われている昼間人口ですね、港区に勤める方々に対しても、東京都と一緒に意識啓発等をした中で、区民の生活に支障のないような施策を展開していっていただければと思います。
 以上です。

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