○委員(黒崎ゆういち君) よろしくお願いします。
まず、品川駅周辺のまちづくりについてお伺いします。株式会社リクルート住まいカンパニーが主催するスーモ住みたい街ランキング2019関東版の発表会において、港区は4年連続の自治体部門第1位に選ばれ表彰されました。大変まれなことだと思います。毎回の質問となりますが、現在、品川駅周辺のまちづくりが日々進んでいます。2月26日にはJR東日本が2027年のリニア中央新幹線開業に向けて、新しい品川駅の計画が発表されました。区議会議員になってから継続的に質問をしてきました、港南口から高輪口を結ぶ東西自由通路の混雑についてです。朝夕の通勤ラッシュ時における混雑について、日ごろ芝浦港南地区総合支所まちづくり課長には、同通路の所有者であるJR東日本に対して、混雑の緩和に向け大変なご尽力をいただいておりますので、感謝いたしております。そんな地域からの要望を受け、JR東日本が港南口に近いJR東海の新幹線改札口横に新たな改札口を新設し、新たな在来線乗降客用の動線がつくられることになりました。また、山手線新駅である高輪ゲートウェイ駅と港南地域を結ぶ歩行者専用道、新駅東側連絡通路の設置を含めて、回遊性を高めることで快適な歩行者ネットワークの構築が、今回の品川駅周辺のまちづくりの開発を成功させる鍵になると思います。
今回発表された品川駅のリニューアルは地域にとってどのようなメリットがもたらされるとお考えでしょうか。また、品川駅東西自由通路の混雑緩和に向けた最終的な対応策はどのようなものがあるかお伺いいたします。そしてあわせて、前回の平成29年度決算特別委員会でも質問しましたが、新たな港南地域、ここで言う芝浦中央公園と芝浦水再生センター付近へ接続される新駅東側連絡通路の新設状況はどうなっているのでしょうか。敷設の場所や形態、管理体制など、可能な範囲でお伺いいたします。
○品川駅周辺街づくり担当課長(村上利雄君) 品川駅改札口の新設やバリアフリールートの拡充など、JR東日本による品川駅の改良により歩行者動線が分散されるため、より快適で安心して品川駅を利用できるようになるとともに、周辺地域から品川駅への移動の円滑化が図られると考えております。また、品川駅東西自由通路については、環状四号線や新駅東側連絡通路、駅と周辺まちづくりとの連携によるデッキレベルでの接続によって歩行者ネットワークを拡充し、東西地域の連絡性を強化することにより、混雑緩和を図ってまいります。
次に、高輪ゲートウェイ駅と芝浦港南地区をつなぐ新駅東側連絡通路ですが、JR東日本が開発を計画している品川駅北周辺地区において、快適な歩行者空間を確保するため幅員11メートルの歩行者専用道として駅の東側に整備する計画です。連絡通路は芝浦水再生センターの西側区道に接続するほか、エレベーター等の設置によりバリアフリー動線を確保するとともに、芝浦水再生センターに接続し、周辺のまちの回遊性を向上させる計画となっております。完成後は道路として区が管理することとなりますが、JR東日本やJR東海の鉄道上空に設置されるため、管理体制については今後関係機関で協議してまいります。
○委員(黒崎ゆういち君) 今まさにまちづくりが進んでいると思います。その最終的なゴールに向かって、実は区民で地域住民の方はまちづくりの中でいろいろな不便だとか、来街者のための施設の中で我慢しなければいけない要因も多々発生しております。そこら辺も含めてぜひ区にリーダーシップをとっていただきながら、新しいまちがみんなにとってすばらしいまちづくりになるよう、よろしくお願いします。
既存の品川駅、そして、新たに新設される高輪ゲートウェイ駅、さらにリニア中央新幹線の新駅等、今までにない大規模なターミナル駅を中心に、環状四号線整備もあわせた格好で、芝浦港南地区や高輪地区を連続的につないでいくことが大きな課題だと思います。今回の計画はほかに類を見ないと思いますが、1998年に品川駅港南口が新たに誕生した際、その当時の設計想定と現在の運用とでは、その使い勝手や人の動線等、違っていることがたくさんあると思います。今回の計画では、その当時の何倍もの規模となるメガターミナルになるわけですが、それぞれの個別計画を誰がどのように全体最適の計画、すなわちあるべき姿に向け、調整や横串を通し、東京の玄関になるエリアに仕上げていくのかお伺いします。
また、あるべき姿に向けて現時点での課題があればあわせてお伺いいたします。
○品川駅周辺街づくり担当課長(村上利雄君) 品川駅周辺では、品川駅・田町駅周辺まちづくりガイドライン2014に基づき、駅の改良やリニア中央新幹線の整備計画をはじめ、道路や駅前広場、自由通路の整備、民間の開発事業など、複数の計画が段階的かつ長期的に進められております。区の専管組織として品川駅周辺まちづくり担当が東京都と連携して、複数の計画を総合的に調整しております。
現在、品川駅北周辺地区では、周辺と一体的に地域の魅力・価値が向上するよう、平成36年の一部まち開きまでにエリアマネジメント組織を立ち上げることが予定されており、今後、多様な主体が同じ方向に向かって協働できるよう、積極的に支援してまいります。
○委員(黒崎ゆういち君) このような開発における前例がない中で、どこを見れば知見が増えるか、視察に行けばいろいろな課題を解決したやりとりが聞けるかについては、なかなか難しい案件だと思います。ぜひ積極的にヒアリングしながら、いいまちづくりにしていただきたいと思います。ちなみに、品川駅の利用客数は1日約76万人ということで、過去30年でほぼ倍増しております。新しいまちができて、今の76万人が倍増するようなことになるかどうかわかりませんけれども、そのときに現在の東西自由通路のような状況にならないように、ぜひ布石をうっていただきたいと思います。
このように港区は、品川エリアにより東京の玄関として大きく変わろうとしています。港南地区は過去25年かけて住民の生活環境も大きく変わりました。車両基地跡地や高輪ゲートウェイ駅周辺も2024年のまち開きに向けて大きく進んでいます。先ほども申し上げましたが、既存の品川駅、そして、新たに新設される高輪ゲートウェイ駅、さらにリニア中央新幹線の新駅と、今までにない大規模なターミナル駅を中心に、環状四号線整備もあわせた格好で芝浦港南地区や高輪地区を連続的につないでいく、品川エリアは東京都都市整備局が策定した、品川駅・田町駅周辺まちづくりガイドライン2014で品川駅北周辺地区、芝浦水再生センター地区、品川駅西口地区、品川駅街区地区として優先整備地区に指定されており、品川駅北周辺地区、そして品川駅街区地区は計画が具体化し新聞等で公表されています。一方、品川駅西口地区、芝浦水再生センター地区はまだ計画が見えてきていません。同ガイドラインでは品川エリアを大手町・丸の内・有楽町エリアと並ぶ拠点、これからの日本の成長を牽引する国際交流拠点として整備するとともに、風の道や低炭素等に配慮した環境都市づくりを行うと位置づけています。その中でも品川駅西口地区は大企業だけでなく、中小企業、個人地権者もいる特徴のある街区です。品川駅周辺で現在進行中の再開発計画の中で、他の街区と違う本街区においては、中小企業や個人地権者に対しても柔軟な制度運用等を行い、きめ細かな支援等を行って、全体最適による東京の玄関にふさわしいまちづくりができればと思っておりますが、区のご見解をお伺いいたします。
○品川駅周辺街づくり担当課長(村上利雄君) 品川駅西口地区においては、国際交流拠点の実現に向けた多様な都市機能の導入と、緑豊かな空間の調和のとれた複合市街地を形成することを目標に地区計画を定めております。また、地区計画では、段階的かつ一体的なまちづくりを推進するとしており、区は地区内の中小企業や個人地権者の状況に応じて、土地区画整理事業や市街地再開発事業などを活用したまちづくりの活動に対しきめ細かな支援を行い、東京の玄関にふさわしいまちづくりに取り組んでまいります。
○委員(黒崎ゆういち君) ほかの地区と違うのは、風の道のエリアの中で高さ制限に対応した緩和等がどうできるかになってくると思います。ぜひ、いいまちになるように全体最適を果たしていただきたいと思います。
次に、東京2020大会後の神宮外苑地区のまちづくりについて伺います。本地区のまちづくりこそ、東京2020大会のレガシーとして、いかに港区とスポーツをつなぐ形で次世代に残していけるかという壮大なテーマであると私は捉えております。平成30年第4回定例会の一般質問でも質問しましたが、昨年11月に東京都都市整備局が東京2020大会後の神宮外苑地区のまちづくり指針を策定し、神宮外苑地区地区計画の区域約64.3ヘクタールのうち、地区整備計画が未策定の区域約40.6ヘクタールを対象にまちづくりの誘導を行う指針が示されました。一方、2月23日付朝日新聞に、老朽化した神宮球場と秩父宮ラグビー場の場所を入れかえて、新たなスタジアム等を建設する明治神宮外苑地区の再開発が2031年に完了する見込みとなり、主な地権者である明治神宮、JSC、独立行政法人日本スポーツ振興センター、三井不動産株式会社、伊藤忠商事株式会社の4者が近く基本協定を結び、2021年に着工すると報道されていました。まさに本指針に基づく計画であると想定するわけですが、本指針に基づく計画について現在の状況をお伺いします。また、指針策定の検討会において港区が要望したスタジアム通りと外苑前駅周辺を結ぶ安全で快適な歩行者ネットワークや、にぎわい創出の方針はどのように実現されていくのかお伺いいたします。
○都市計画課長(冨田慎二君) 現在、本指針に基づき事業者が新たなまちづくりについて検討を始めており、区は東京都に対して本指針を遵守して事業者を指導するよう要請しております。また、事業者から区に具体的な協議がなされた際には、歩行者ネットワークやにぎわい創出が実現できるよう事業者を指導・誘導するとともに、改めて地域への丁寧な説明と地域の課題解決につながる計画となるよう求めてまいります。
○委員(黒崎ゆういち君) 本年11月には8万人収容の新国立競技場が完成します。東京2020大会に向けての完成は今から待ち遠しい限りです。先日開催された都議会自民党による周辺3区、すなわち港区、新宿区、渋谷区の自民党区議会議員、そして冨田課長も出席されていました3区の関係所管部門と、東京都、JSCによる研究会においても説明がありましたが、港区、新宿区、渋谷区と3区にまたがる本エリアにおいて、港区から秩父宮ラグビー場や神宮球場、新国立競技場に向かう、まさにスタジアムへの入り口であるスタジアム通り、すなわち青山外苑前商店街が対象区域に入っていないことは、8万人収容の国立競技場を中心とした世界に誇れるスポーツクラスターの形成を同地区で目指している国や東京都の目的から大きく後手を踏むことになりかねません。東京2020大会のレガシーをいつでも体験できる場所であるスタジアム通りを中心としたゾーンと港区をつなぐまちづくりを、港区まちづくりマスタープランや青山通り周辺地区まちづくりガイドラインに沿って実現していただくべきだと考えますが、ご見解をお伺いいたします。
○都市計画課長(冨田慎二君) スタジアム通り周辺のまちづくりにつきましては、港区まちづくりマスタープランでは、にぎわいのあるまちなみづくりの推進に取り組むこととしております。また、青山通り周辺地区まちづくりガイドラインでは、外苑前駅から新国立競技場などへ至る安全で快適な歩行者動線の確保や、地下鉄駅の機能拡充、まちを歩く人々が活気を感じられるにぎわい創出など、まちづくりの方向性を示しております。本指針の中でも区の意見が反映され、外苑前駅改札からのバリアフリー動線の確保や、円滑な歩行者ネットワークの形成、さらにスタジアム通り沿道では、周辺と一体となってにぎわいを創出し、沿道から地区内に人を引き込む多様な機能の導入を図るという方針を掲げております。今後新たなまちづくりが進められる際には、スタジアム通りや外苑前駅を中心とした地域を含めたまちづくりの検討を行い、まちの魅力やにぎわいが周辺へ拡大することにつながるよう、区は事業者を指導・誘導してまいります。
○委員(黒崎ゆういち君) あの地区は先ほど申し上げた4事業者の方々が今計画をつくられていると。それを受けて地元の方々に対してどういうまちになるのかをつないでいくには、区がリーダーシップをとっていただいて、どういうまちにしていくべきかについてフォローしていただかないと進まないと思います。皆さん、どういうふうになるかをイメージとして待ち望んでいますので、よろしくお願いします。
次に、東京2020大会のラストマイルにかかわる施策について伺います。ラストマイルとは、平成30年3月に東京都オリンピック・パラリンピック準備局が策定した、東京2020大会における都市運営にかかる基本方針の中で、競技場周辺の駅から競技会場入り口までの観客が歩行するルートとされ、東京2020組織委員会、会場周辺自治体、関係機関等と連携しながら、さまざまな取り組みを実施するエリアを指します。港区においては、先ほどの東京メトロ外苑前駅や、青山一丁目駅周辺から新国立競技場までと、ゆりかもめお台場海浜公園駅からお台場海浜公園までの2つのエリアがラストマイルになると思いますが、駅をおりて会場まで向かう道に高揚感を高める施策があった方が当然いいと思います。最寄り駅から会場までの間には、暑さ対策としてのテント等による日陰やベンチ等の休憩スペース、仮設トイレ、ボランティアの道案内ブース等、東京都や東京2020組織委員会が考えるもの以外にも港区らしい独自のプランがあってもいいと思いますが、現在の検討状況についてお伺いいたします。
○赤坂地区総合支所まちづくり課長(小林秀典君) 赤坂地区総合支所では、東京2020大会に向けて観光客や来訪者の誰もが安全で安心して快適に移動できるように、スタジアム通りを平成31年度に遮熱性舗装に整備する予定です。最寄り駅から会場までのラストマイルの区独自の施策については、東京都や東京2020組織委員会をはじめ、企画経営部オリンピック・パラリンピック推進担当とも連携しながら、大会開催の高揚感を高め、多くの区民の心に残るレガシーとなるよう、区ならではの取り組みについて検討してまいります。
○委員(黒崎ゆういち君) お台場は都道だからということで答弁がなくなったのですね。わかりました。ちなみに、今の遮熱性舗装なのですけれども、遮熱性舗装にすれば国立競技場に向かう道がわくわくするかと言うと、絶対わくわくしないと思いますので、そこにいろいろなにぎわいを掲げられるような仕掛けを、土木の方でもぜひお願いしたいと思います。そして、ベンチ等ができたら、それがレガシーになって違う地域に還元されて、まちにベンチや木陰ができるというのもぜひ考えて施策展開を積極的に行っていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
最後に、まちづくりガイドライン策定等に向けた基礎調査について伺います。現在港区では品川や虎ノ門の新駅の周辺をはじめ、まちづくりの機運が高まっているエリアが多数あり、今後国際競争力強化に資する拠点の形成とともに、地域の人々が暮らしやすい環境の整備が進められていくものと大変期待しております。地域の個性を生かしたまちづくりを進めていくためには、地域の課題や魅力を正しく認識し、地域の意向を踏まえた再開発事業等を誘導していくことが重要ですが、そのために来年度からまちづくりガイドライン策定等に向けた基礎調査をすると聞いています。区内のいたるところで開発事業等の計画が進められている中で、区はどのように地域の魅力や課題を把握し、地域の意向を踏まえながらまちづくりを誘導していこうとお考えなのかお伺いします。
○都市計画課長(冨田慎二君) 区では地域のまちづくりの動向に応じ、今まで5つの地区でまちづくりガイドラインを策定・運用することによって、地域の課題を解決する計画となるよう誘導するなど、地域の個性を生かしたまちづくりを推進しております。まちづくりガイドライン策定等に向けた基礎調査につきましては、まちづくりの機運が高まった地域の意向に迅速に対応するため、まちづくりガイドラインやまちづくりビジョン等の策定を視野に入れ実施するものです。昨年5月に策定した三田・高輪地区まちづくりガイドラインでは、地域の動向に応じ早期に基礎調査に着手したことから、地域の課題整理を迅速に行うことができ、ガイドライン策定の時間短縮にもつながりました。今後もまちづくりガイドライン策定等に向けた基礎調査や、地域との意見交換会・ヒアリングなどを通して地域の意向を把握し、計画的にまちづくりを誘導してまいります。
○委員(黒崎ゆういち君) 実はおととい、中央区ですけれども、日本橋地区に行く用事がありまして、高島屋の新館・旧館があるのですけれども、その間に多分区道なのですけれども、その上にアーケードみたいのがあって、しかも民間の施設をつなぐデッキが3本ぐらいかけられていました。そういうことも含めてにぎわいが出るまちづくりには、いろいろな事例があると思います。隣の区がやっていることが正しいかどうかはわかりませんけれども、ぜひ港区らしい大胆なまちづくりを目指していただきたいと思います。
以上で終わります。