○委員(黒崎ゆういち君) よろしくお願いします。
質問に入る前に、港南中学校が、「地域で育てる防災の即戦力」ということで、このたび第23回防災まちづくり大賞の日本防火・防災協会長賞を受賞されました。港南地域の総合防災訓練において、港南防災ネットワークとともに平日昼間にいる戦力ということで、中学生が小学生を指導して、そして地域の皆さんとともに防災力を高めるという事例が全国的に表彰されたということです。本当に港区にとって誉れなことだと思いますので、一言述べさせていただきました。
質問は、ラグビーワールドカップ2019に向けた気運醸成事業について伺います。
開幕戦まであといよいよ199日となりました。平成30年港区議会第4回定例会の一般質問において、私は、今まで積み重ねてきた事業の集大成としてのラグビーワールドカップ2019と港区をつなぐ意気込みを教育長にお伺いし、「より多くの区民がラグビーへの興味や関心を高める絶好の機会と捉え、これまでの取り組みを一層充実していきます。さらに、港区スポーツセンターが出場チームの公認キャンプ地として使用される利点を生かし、世界のトップアスリートと区民との交流事業などを新たに展開していく。こうしたラグビーワールドカップ2019に向けた施策展開により高まったラグビーへの関心や興味が、その後もレガシーとして継承され、区民のスポーツ活動を一層促進することにより、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のさらなる気運醸成へとつながる取り組みを強化していきます」、と答弁いただきました。
来年度予算として2,168万円を計上されていますが、ラグビーワールドカップ2019に向けた気運醸成事業の内容についてお伺いいたします。
○生涯学習スポーツ振興課長(木下典子君) 教育委員会では、2019年は大会開催年であることから、より多くの区民がラグビーへの興味や関心を高める絶好の機会と捉え、引き続き、区立小学校や障害保健福祉センターにおけるタグラグビー教室を実施するほか、新たに、大会に参加する世界のトップアスリートと区民の交流事業を予定しております。
あわせて、コミュニティライブサイトの実施や、広く区民に大会を周知するため、港区コミュニティバス「ちぃばす」へのラッピングの実施、大会の気運醸成事業を実施する団体への補助事業など、新たな取り組みを計画しており、区民とともに、大会のすばらしさと感動を分かち合う場を創出してまいります。
○委員(黒崎ゆういち君) ラグビーワールドカップ2019日本大会の開幕戦は9月20日ですので、その前に向けた事業ということだと思います。
港区は唯一、財団法人日本ラグビーフットボール協会と連携協定を締結している自治体であります。したがって、ラグビーワールドカップ2019日本大会を盛り上げるという話はそうなのですけれど、日本代表を応援するという視点においても、他の自治体ではできない特色ある事業が展開できると思います。
ラグビーワールドカップ2019日本大会につきまして、いろいろなスポンサー等の権利が、オリンピック・パラリンピック競技会以上に複雑であったり、もしくは権利が保護されている大会でありますので、いろいろな角度から、何とか、港区でしかできないような事業がたくさんできるように、私も引き続き尽力させていただきたいと思っております。
次に、東京都は大会200日前を記念して、3月3日から、大会開催時にファンゾーン会場の一つとなる有楽町の東京スポーツスクエア、旧1000days劇場ですが、そちらで、ラグビーワールドカップ2019日本大会「東京開催応援フェア」を3月31日まで実施するとしています。東京都が設置するラグビーワールドカップ2019ファンゾーンin東京、すなわち公式のファンゾーンは、先ほどの有楽町の東京スポーツスクエアと、調布駅前広場・調布市グリーンホールの2カ所のみになります。
東京2020大会の前哨戦でもあるラグビーワールドカップ2019日本大会ですが、開催スタジアムが新宿区の新国立競技場から調布市の味の素スタジアムになったことで、都心部における開催時の盛り上がりをどう誰がリードしていくかが大会成功の鍵となります。
9月20日から開幕し、11月2日の決勝戦が行われるまでの大会開催時、ラグビーの聖地、秩父宮ラグビー場を擁する港区として、都心部の盛り上がりを牽引していくべきだと考えますが、現在の計画について教えていただきたいと思います。また、その実現に向けた課題や問題があれば、あわせてお伺いをいたします。
○生涯学習スポーツ振興課長(木下典子君) ラグビーワールドカップ2019日本大会のイベントを実施するにあたっては、ラグビーワールドカップ2019組織委員会が定める開催都市イベントガイドラインに従い、申請、承認のプロセスを経て実施することになります。
港区は、東京都の公認キャンプ地になりますが、開催都市ではないとの理由から、ラグビーワールドカップ2019の冠をつけた、区独自の事業等を実施することができません。また、事業実施には、ガイドラインに示された商標登録等の運用に関する厳しい規制があり、開催都市である東京都を通じて組織委員会へ申請し、承認を得るまで時間を要しております。
教育委員会は、競技の中継のほか、スポーツ体験やイベントブース等を設置するコミュニティライブサイトの実施を予定しておりますが、現段階で、組織委員会から、パブリックビューイングに関するガイドラインが示されておりません。引き続き、東京都や組織委員会へ早期にガイドラインを示すよう働きかけ、開催都市である東京都と連携のもと、大会開催に向けた諸準備を進めてまいります。
○委員(黒崎ゆういち君) おかげさまでというか、チケットは非常に順調に販売が推移していると聞いています。チケットは売れているのですが、やはりそのラグビーに関心のある人たちだけ、試合に来る人たちだけが盛り上がっては意味がありませんので、そこも含めて東京2020組織委員会、日本ラグビーフットボール協会と連携しながら、ぜひいろいろな可能性を追求して、諦めずに実現に向けて、尽力いただきたいと思っております。
次に、港区スポーツ推進計画策定について伺います。
私が港区議会議員になって初めての一般質問は、平成27年第4回定例会でした。当時の小池眞喜夫教育長に対して、港区スポーツ推進計画について質問しました。あれから4年、6カ年計画の新たな港区スポーツ推進計画が、来年度に策定準備が行われます。新たな計画は、東京2020大会翌年の2021年度からスタートします。
当時の私の質問は、基本目標のスポーツを楽しめる場の確保、重点事業の区立のスポーツ施設等の環境整備をどう進めていくかというものでした。教育長は、「区立のスポーツ施設等の環境整備については、今後も計画的にスポーツ施設などの環境整備の充実に努めてまいります。また、より利用しやすい施設づくりに向けて、個人参加型プログラムのヨガ教室や健康づくり運動教室など、約30のプログラムを実施しております。今後も、港区スポーツ推進計画に基づき、さまざまな取り組みを積極的に推進してまいります」とご答弁いただきました。
現計画における区立のスポーツ施設等の環境整備状況の成果について、まずお伺いいたします。
○生涯学習スポーツ振興課長(木下典子君) 港区スポーツ推進計画では、障害者スポーツ環境の充実を掲げており、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の公式練習会場となる港区スポーツセンターの更衣室等について、背の高い外国人や車椅子利用者でも利用しやすいように配慮した工事を平成30年度に実施しました。また、平成31年度には、区内運動場のトイレ、シャワー室についても、同様の改修工事を進めてまいります。
ソフト面については、港区スポーツセンターで実施しているスポーツ事業において、利用者懇談会等で寄せられたご意見をもとに、ダンスや親子で楽しむ運動教室など、平成31年3月現在、45のプログラムを実施し、事業を充実させております。
○委員(黒崎ゆういち君) 今までのこの平成31年度予算特別委員会でもお話が出ていますけれど、場所をどう確保していくかというのは、港区の中では非常に大きな課題です。医療、福祉、介護、教育、子育て、防災等の目下の課題がある中で、スポーツ環境をどうするかというのは、なかなか声を大にして言いづらい部分もあるかもしれませんが、東京2020大会のレガシーをつくるには、もう今しかありません。その中で、この港区スポーツ推進計画、6カ年の計画ですけれど、残念ながら新たな拠点整備ができていないと。改修等で非常に質は上がっていると思うのですけれども、ぜひ複合型の施設の中でそれらの実現を果たしていただければと思います。
現在、港区スポーツ推進計画は、「みんなではぐくむスポーツ文化都市みなと~誰もが生涯を通じてスポーツを楽しみスポーツで元気になるまちを目指して~」を目指すべき姿と掲げています。そして、数値目標として、成人の週1回以上のスポーツ実施率65%以上、障害者の週1回以上のスポーツ実施率45%以上と掲げられています。
現段階における数値目標の達成状況についてお伺いいたします。
○生涯学習スポーツ振興課長(木下典子君) 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の気運が盛り上がる中、「する」「みる」「支える」スポーツ活動の事業である、トップアスリートから学ぶスポーツ教室や、スポーツボランティア育成事業など、前年度を上回る参加実績を得ております。
また、障害者スポーツの普及啓発事業については、1日で多くの競技体験ができるイベントを開催するなど、事業実施を工夫し、多くの方々に参加していただきました。一方で、単独の障害者スポーツ事業の参加者の確保が課題であると捉えております。
成人や障害者のスポーツ実施率については、次期計画に向けたアンケート調査を来年度実施することから、現段階では把握しておりませんが、引き続き、数値目標の達成に向けて取り組んでまいります。
○委員(黒崎ゆういち君) 港区にはいろいろと、スポーツを体験する機会を、子どもから大人までつくっていただいていることに関して、大変感謝をしております。一方で、そこで体験して終わってしまうということではなくて、そこからより本格的に、もしくは継続的に続けられるような場所、コミュニティも含めてどうつくっていくかというところについて、先ほど申し上げた場の環境整備があってこその話だと思いますので、そこも含めて、次期計画の中でより進化させていただきたいと思います。
現計画には、8つの基本目標と24の施策が掲げられています。まだ計画の途中段階ですが、来年度の新規計画の策定にあたり、しっかりと総括をしていただいて、次期計画の策定をより実効性のあるものにしていかなければなりません。本計画の進行は、掲上した施策をPDCAサイクルで着実に推進していかなければ実施は困難だと思います。
そして、計画の最終年度となる平成32年度に、それまでの達成状況を点検評価し、その結果を踏まえて次期計画の策定を行いますというようになっておりますが、来年度に行う点検評価すなわち総括の進め方についてお伺いします。現計画は、ラグビーワールドカップ2019日本大会や東京2020大会の開催に向けた内容がメインコンセプトになっていると思います。次期計画は、どのようなコンセプトで策定されることになるのか。コンセプトの決定プロセスについてもあわせてお伺いをいたします。
○生涯学習スポーツ振興課長(木下典子君) 次期計画は、ラグビーワールドカップ2019日本大会や東京2020大会等を契機とした取り組みが、大会後もレガシーとして継続され、区民の「する」「みる」「支える」スポーツ活動が拡大されるものとして、コンセプトを含め策定してまいります。
計画策定にあたっては、学識経験者を含む検討委員会を立ち上げ、アンケート調査や現行計画の達成状況等を点検・評価する中で、課題を明らかにした上で、取り組み目標や施策等について、広く多くのご意見をいただきながら検討してまいります。
○委員(黒崎ゆういち君) 学識経験者の方が入る検討委員会のメンバーの中へ、今まで区がこの6年間やってきたスポーツ施策、具体的に大きい話でいうと港区マラソン実行委員会のメンバーの方とか、いろいろとお力添えをいただいた方も幅広く入っていただいて、よりよい計画に仕上げていただきますよう、よろしくお願いします。
次の質問です。子どもと地域をつなぐプラットフォームの環境整備について伺います。
まず、港区として、子どもたちを地域で育成する取り組み施策はどのようなものがあるのか、お伺いいたします。
○教育企画担当課長(藤原仙昌君) 子どもたちを地域で育成する取り組みとして、青少年対策地区委員会がキャンプやスポーツ大会、防災訓練など、各地区で特色のある活動を実施しています。
教育委員会の取り組みとしては、学校、家庭、地域がともに連携・協働することで、子どもたちの豊かな学びと育ちの一層の充実を図るための仕組みとして、平成31年度から青少年対策地区委員会の会長や青少年委員、PTA会長、学校長などを構成員とするコミュニティ・スクールを導入します。
平成31年度は、中学校通学区域を単位とした幼稚園、小・中学校の教育連携の組織であるアカデミーのうち、赤坂アカデミー、中之町幼稚園・赤坂小学校・赤坂中学校と、お台場アカデミー、にじのはし幼稚園・港陽小学校・港陽中学校で導入します。
コミュニティ・スクールでは、学校支援地域本部と一体となって地域住民や企業と連携し、子どもたちにさまざまな体験や学びの機会などを提供してまいります。
○委員(黒崎ゆういち君) 今、青少年対策地区委員会のお話と、新しく来年度からコミュニティ・スクールを赤坂アカデミーとお台場アカデミーでスタートするというお話でした。
当然、それ以外の施策もいろいろとやられていると思うのですけれど、どうそれをつなげていくかというところが、一つのゴールと言いますか、そこに向かっていく中で、全体のプラットフォームをどう仕上げていくかということが課題になるというか、見据えてやらなければいけないと思います。
どうつないで、港区全体のプラットフォームに仕上げていくか、今後の展望についてお伺いいたします。
○教育企画担当課長(藤原仙昌君) 今後の展望といたしまして、コミュニティ・スクールは、中学校通学区域を単位とするアカデミーごとに設置することとしておりまして、今後は、港区内の全アカデミーに拡大してまいります。
それぞれの活動は、アカデミー単位にとどまらず、お互いの取り組みを共有するなど連携を図りまして、横のつながりを広げることで、港区全体の取り組みへと広げてまいります。
○委員(黒崎ゆういち君) ボランティアの皆様方による横のつながりというところだと思います。当然、教育委員会、青少年対策地区委員会等、既存の組織が連携していくわけですけれども、やはり私は、この港区の地域資産、地域資源である企業をもっと絡めていく、そのような施策を展開していくべきだと思っております。
子どもたちがより多くの地域課題に対しまして、それを企業の力、多くのその地域の大人が絡み、接点を持ちながら物事を進めていくと。それは将来的には、部活動もそういう格好になっていくのかと思います。
企業の資産や地域の資源を活用した地域活性化とキャリア教育を行うことが望ましいと思いますが、それらの可能性について、教育委員会のご見解をお伺いいたします。
○生涯学習スポーツ振興課長(木下典子君) 教育委員会は、学校支援地域本部を既に区立小・中学校9校に設置し、学校と地域のつなぎ役として、それぞれに地域コーディネーターを配置しています。地域コーディネーターは、学校が企業や地域と連携したキャリア教育を実施する際、企業や地域人材の情報収集や、事業実施までの調整を行っております。
学校支援地域本部の取り組み例として、芝浦小学校での日本マイクロソフト株式会社によるプログラミング教室や、不動産鑑定士による不動産教室などがあります。学校支援地域本部の活用による企業・地域と学校とのつながりが、地域活性化やキャリア教育につながるものと考えております。
○委員(黒崎ゆういち君) 既にプラットフォームはお持ちだと。そこの機能を詰め込んで、そして皆さんがそこにアクセスしやすい状況をつくり、みんなで共有する、そしてそれを大きくしていくかということだと思います。
今、ICTがありますので、先行投資していただく企業を探しながら、そのプラットフォームをどうつくっていくかと。例えば、今おっしゃった出前授業も、誰かが間に入っているから実現しています。その誰かがいなくなってしまうと、あれどうなっているのかなと。もしくは、例えば芝浦小学校ではできて、港南小学校でやりたいのだけれど誰に言ったらいいのかな、ということでとまってしまいますので、やはり地域の資産である企業が、例えば年5回ぐらい出前授業しますと。それに対して5つの小学校が、自分たちは3年生、4年生、5年生で、その5回をエントリーしますと。それで、学校側と企業側がそこで調整するのはなくて、そこをICTを含めて調整が入った上で一番効果があるものを、出前授業等を実施していくと。それが2年、3年だけではなくて、長いこと関係が継続できるようなベースになっていくと思いますので、まだまだここについては、いろいろ越えていかなければいけない課題や、もしくはクリアしなければいけない問題があると思います。その辺も含めて、私もしっかりと、本件についてはサポートさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。