平成27年度決算特別委員会「土木費」質問&答弁(議事録)

【質問内容】
◯委員(黒崎ゆういち君)  国家戦略特区における都市再生プロジェクトについて伺います。
 初めに、現在の状況と計画についてです。国家戦略特区は規制改革を総合的かつ集中的に推進し、産業の国際競争力強化、国際的な経済活動の発展形成の促進を図る制度で、東京都全域や神奈川県全域、千葉県千葉市及び成田市と合わせて東京圏として規定されています。東京圏の都市計画法等の特例を活用する都市再生プロジェクトにおいては、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に合わせ、柔軟かつ大胆な容積率の設定、迅速な都市計画の決定等により、国際的ビジネスの拠点形成、国際都市にふさわしい交通機能を強化するとともに、国際ビジネス交流、情報発信、起業支援、MICE等の拠点を整備し、あわせて外国人向けを含めた生活環境の整備を行うことを目的としています。
 区内の国家戦略特区都市再生プロジェクトについては、平成26年10月の東京圏国家戦略特別区域会議で、素案の区域計画に位置づけられた8つのプロジェクトに加え、平成27年6月に3つのプロジェクトが追加され、合計11のプロジェクトが存在しています。質問は、区内の国家戦略特区都市再生プロジェクトの進捗状況はどのようになっているのか、お聞きします。また、都市再生プロジェクトが区民生活にもたらす効果についてもあわせてお聞きいたします。
【答弁内容】
◯開発指導課長(冨田慎二君)  国家戦略の都市再生プロジェクトにつきましては、これまでに、平成27年3月に竹芝地区及び虎ノ門四丁目地区、平成27年6月に虎ノ門一丁目地区及び日比谷線新駅地区、平成27年9月に愛宕地区、平成28年4月に品川駅周辺地区、合計で6つのプロジェクトが内閣総理大臣の認定を受けて都市計画決定し、それぞれ事業着手及び関係機関との協議調整が進められております。今後、三田三・四丁目地区、虎ノ門一・二丁目地区、虎ノ門・麻布台地区などが新たに内閣総理大臣の認定に向け、事業者及び関係機関との調整や手続を進めていく予定でございます。これらの都市再生プロジェクトにつきましては、地下鉄やJRの新駅整備、歩行者デッキや地下通路などの新設により、交通の利便性と歩行者ネットワークの向上が図られ、子育て支援施設や生活利便施設の充実により、区民が安全・安心して、快適に住み続けられるまちに寄与するものと考えてございます。
【質問内容】
◯委員(黒崎ゆういち君)  今お話しありましたとおり、区民生活に大いにプラスとなるお話をいただいたと思います。
 次に、港区まちづくりマスタープランの改定について伺います。平成28年第2回定例会の一般質問において、民間主導の開発やブランド化を推し進める動きがある中で、まちのブランドイメージをすぐれたものに育てるため、区としてどのように取り組んでいくかを質問させていただきました。武井区長は、今年度改定予定の港区まちづくりマスタープランの中で、地区別の意見交換会の開催などにより、地域住民の意見を踏まえて、景観や環境に配慮した都市機能の集積、魅力的な空間づくりを目標に定めていくとご答弁をいただきました。区の将来のブランドイメージは、この港区まちづくりマスタープランが定めるという位置づけになっていると思います。先ほど質問した国家戦略特区都市再生プロジェクトにおいても、地域の魅力や課題、どのようなまちにしていくべきか、どのような取り組みをしていくべきかといった、地域の総意が反映されている極めて重要なプランだと思います。事業者がそれらの内容を拠点整備に盛り込まなくてはならない義務を負うものになるか、お聞きいたします。
【答弁内容】
◯都市計画課長(野澤靖弘君)  港区まちづくりマスタープランは、区民・企業等・行政が共有すべきまちの将来像を示しております。東京の都市計画区域全体の方針を示す、都市計画区域マスタープランの内容に適合した、都市計画法に基づく、市町村マスタープランとなっております。本計画は、事業者に対して、内容を盛り込む義務を負わせるものではありません。事業者が開発整備を行うとした場合、都市開発の諸制度を活用して計画を進めることになります。その際、区は、区民・企業等・行政が共有すべき区の将来像の実現に向けて、都市計画区域マスタープラン及び市町村マスタープランと整合した計画となるよう、指導・誘導しております。その結果としまして、地域住民や関係行政機関と事業者が目指すべきまちの姿を共有し、将来像の実現に向かって事業を進めていくということになります。
【質問内容】
◯委員(黒崎ゆういち君)  義務は負わないが、指導をしていくという位置づけのものだということがわかりました。先ほどの答弁にあったとおり、港区のまちづくりの基本的位置づけとなる港区まちづくりマスタープランの策定にあたっては、幅広く区民の意向を把握し、計画に反映していくことが重要だと思います。開催ごとに、そして地域ごとに発行されている意見交換会ニュースを見せていただきましたが、大変丁寧に進められているという印象を受けました。
 その丁寧な進め方の内容について改めてお伺いさせていただきます。また、パブリックコメントや意見交換会だけでは十分な意見を拾い切れないのではと考えます。例えば、昼間人口が多い区の特性からも、区民や行政だけでなく、区で働く人や民間企業等とも連携し、この港区まちづくりマスタープランをつくり上げていくべきだと考えますが、区の見解をお聞きいたします。
【答弁内容】
◯都市計画課長(野澤靖弘君)  港区まちづくりマスタープランの改定作業を進める中で、平成27年度には、台場を含む6地区におきまして各3回、平成28年度には全地区合同で1回、全19回、意見交換会を実施いたしました。地域の課題や魅力について、約2時間のワークショップ形式で話し合いを行いまして、きめ細やかに区民意向の把握に努めました。また、意見交換会の参加者は区在住者が中心となっておりましたが、区は夜間人口の約4倍を超える100万人近くの昼間人口が区内で活動していることが特性でもございまして、そのようなさまざまな分野からご意見を伺うために、テーマごとにグループを形成しまして、ヒアリングなどを実施いたしました。このグループヒアリングでは、CSR組織を持つ区内企業の若手社員や区内の大学生、港区観光協会会員企業をはじめとしまして、区で活動する各分野の関連団体、企業をヒアリング対象とし、幅広い視点からのご意見をいただけるよう工夫をしてまいりました。
【質問内容】
◯委員(黒崎ゆういち君)  よくわかりました。そのように地域の意見が盛り込まれた港区まちづくりマスタープランになっているものの、やはり、まちづくりに対する区民の期待は高くて、期待が高い分、自分が望んでいる内容が盛り込まれない港区まちづくりマスタープランになっていきますと、そのプロジェクト自体に対し、思い入れがなくなってしまったり、ネガティブな反応をされてしまうケースがあると思います。当然、港区まちづくりマスタープランだけでなく、事業者による説明等もあるでしょうし、これだけ大きいプロジェクトだと情報提供等の機会があると思うのですが、きめ細かい対応と情報提供について積極的にご指導いただければと思います。これは要望とさせていただきます。
 次に、港区自転車シェアリングについて伺います。
 自転車シェアリングの質問は多々重複する部分があるかもしれませんが、私からは、現在の利用状況とポート設置状況について、当初計画に比べてどのように進んでいるかをお聞きいたします。
【答弁内容】
◯交通対策担当課長(西川克介君)  現在のポート数につきましては、48カ所ということで、当初予定しているものよりは少しおくれている状況にございます。区内の利用状況につきましては、今年4月から9月までの累計で約20万5,000回となり、昨年度1年間の利用回数が17万1,000回弱でございましたので、半年で既にこの数値を上回っている状況でございます。また、平成28年2月からは、千代田区、中央区、江東区と合わせまして4区での広域実験を始めておりますので、区界を越えた利用についても、2月の段階では2,049回であったものが、8月には6,593回に増加している状況でございます。
【質問内容】
◯委員(黒崎ゆういち君)  夏だったので私は、あまり乗っていなかったのですが、皆さん利用されている方は、タイヤの空気圧が甘い、ハンドルが曲がっている、サドルが上を向いているなど、よく見るとそれは港区の自転車ではなくてお隣の区のものだったり、古いものは港区のものではなかったり、少し安心はするのですけれども、整備状況についてもぜひきめ細かく指導をいただきたいと思います。
 次に、今後の展開について伺います。自転車シェアリングの専用アプリ、ドコモ・バイクシェアポートナビのリリースによって、スマートフォンのGPS機能と連動することで、最寄りのポートがどこにあるか、瞬時に把握できたり、新規ポート開設情報等のお知らせを受け取ったりと、利便性が高まってきています。そのような事例も含め、今後の展開についてお聞きします。また、新宿区においても自転車シェアリングの導入が決定しておりますが、その相乗効果についてもあわせてお聞きいたします。
【答弁内容】
◯交通対策担当課長(西川克介君)  安定的で持続的な事業を行うために、利用者へよりよいサービスを提供していくことが必要だと考えております。このため、株式会社ドコモ・バイクシェアと調整を行いながら、運用改善に努めてまいります。また、利便性向上のために、区内全域へのポート設置に向けた努力を継続してまいります。株式会社ドコモ・バイクシェアによるポートナビアプリにつきましては、GPSの位置情報を利用して、直近のポートを表示し、利用可能な自転車台数を表示するなど、利用者からは大変好評を得ております。このようなアプリの投入により、利便性を向上させることが、結果的にはサービスの向上、利用者増につながると考えております。現在、事業者では、事業収益性の向上に寄与する広告収入等のスキームについて、かなり深いところまで検討を行っているところでございます。
 また、新宿区の事業開始は、先週の土曜日ということでございまして、まだその実際の数値については私ども把握しておりませんが、既に他の4区で1,000名以上の登録がありますので、新宿区内においても実際に自転車がかなり走っていたのは確かでございます。今後もさらに広域利用の実績が高まっていくものと考えてございます。
【質問内容】
◯委員(黒崎ゆういち君)  広がっていくことで数があれば、いろいろな挑戦もできると思います。アプリについては、例えばナビがあったり、自転車の予約機能があったりと、多分今後もそのようなことも見越された計画になっていると思いますが、システムのさらなる充実・発展をよろしくお願いいたします。
 次に、安全・安心な公園の整備について伺います。
 初めに、現在の問題点と安全・安心施策についてです。現在、区内にある区立の公園、児童遊園、遊び場は119カ所あります。これらの公園内には、遊具やスポーツ設備、トイレやベンチ、水飲み場、自転車シェアリングポート、防災倉庫置き場などのほか、災害時の避難場所としての機能も整備されています。当然オープンスペースであり、誰もが利用可能な場所であります。子どもが増えている区において、学校以外で伸び伸びと遊べる数少ない屋外空間でもあります。
 質問は、子どもたちに対する犯罪防止といった観点で、ハード面の整備方針はどのようになっておりますでしょうか。また、ソフト面での対策等はどのように実施されておりますでしょうか。あわせてお聞きいたします。
【答弁内容】
◯土木課長(杉谷章二君)  公園の安全・安心に関する課題の1つは、防犯面の対策であり、樹木の繁茂や敷地形状による見通しの悪さ、夜間の視認性確保の問題がございます。整備にあたりましては、施設及び照明灯の適切な配置等を行うとともに、日常管理においては、定期的な樹木の剪定による見通しの確保などの対策を行っております。また、ソフト面の対策といたしましては、みんなとパトロールによる巡視や、地元の方々によるマナー啓発を含めたパトロールも実施していただくなど、公園等の利用のための安全確保に取り組んでおり、これらの取り組みも今後さらに強化してまいります。
【質問内容】
◯委員(黒崎ゆういち君)  続いて、今後の整備についてお伺いします。地域住民が多く利用することにより、子どもたちに目が届き、利用者によって守られる空間になることが、安全・安心な公園の第一義だと考えます。一方、死角がなく見通しがよいことも外せない要素であります。立地条件や地形、植栽や建物などの公園施設により、住民の目が届きにくい場所が存在する公園はございます。これらの場所における安全・安心を確保するためには、防犯カメラの設置などが有効と考えますが、区の見解をお聞きします。
【答弁内容】
◯土木計画担当課長(小谷武彦君)  現在、公園等の安全・安心・防犯対策としての防犯カメラの設置につきましては、繁華街などと隣接し、防犯対策を重点的に行う必要がある、あるいは区として守るべき貴重な財産を有していると判断した公園を対象としております。今後、公園等を区民が安全で安心して利用できるよう、防犯カメラの設置の対象等につきましては、拡大について検討してまいります。
【質問内容】
◯委員(黒崎ゆういち君)  よろしくお願いします。具体的な例でいうと、港南緑水公園の運河側なのですが、そこで海岸通りから向かって左側に木の繁みが結構ありまして、そこの奥が見通せないような状況がありまして質問をさせていただきました。いろいろな観点での安全施策の追求に向けて、よろしくお願いします。
 最後に、品川駅東西自由通路における朝夕通勤ラッシュ時の通行指導についてです。平成28年度予算特別委員会でも質問させていただきましたが、同通路の通行状況は、もはや、財産管理権を持つJR東日本だけに任せるレベルではないと質問したことに対し、JR東日本は、東西自由通路を中央と両端に仕切るリボンの未整備箇所の増設を検討している、また、誘導人員配置の改善や通行マナー向上への取り組みを強化するなど、混雑緩和が図られるようJR東日本に対し要望していくとの回答をいただいております。その後の進捗はどのようになっているでしょうか、お聞かせください。
【答弁内容】
◯芝浦港南地区総合支所まちづくり担当課長(村上利雄君)  品川駅東西自由通路の混雑緩和については、本年3月にJR東日本に対して、誘導のための人員の配置の改善や、通行マナー向上への取り組みの強化などを要請いたしました。本年9月にJR東日本に取り組み状況を確認したところ、東西自由通路を中央と両端に仕切るリボンの一部未整備箇所については、今年度中に整備を行うと伺っております。また、誘導人員の増加については、混雑時におけるホーム上での安全確保を優先する必要があることから、これ以上東西自由通路に人を割くことは難しく、通行マナー向上に向けては、限られた人員の中で可能な限り行っていくとのことです。区は、引き続きJR東日本に対して、通行マナーの向上を図るよう要請してまいります。
◯委員(黒崎ゆういち君)  一朝一夕にはいかないと思いますが、一歩ずつだと思いますので、よろしくお願いします。つい1カ月ほど前なのですが、夕方のラッシュ時の前に、女性が案内板を見るために立ちどまったところ、邪魔だと言ってお腹にパンチされたというような事例がありました。そのまま彼女は交番に行って、その人を追いかけていったのですが、当然捕まえることはできなかったということが起きています。これから2020年東京大会に向かって、東京の日本の玄関、港区の玄関になる場所において、突然立ちどまることが多いのはやはり外国人観光客だと思います。港区の港南地域に来る人が、そのようなことが起きると、やはり日本に対する印象、港区に対する印象が傷つくものになると思いますので、そのようなものを抑制する第一歩だと思いますので、引き続きご尽力いただきたくお願い申し上げ、質問を終わります。
▼上記質問の動画は「港区議会インターネット録画配信システム」で下記URLでご覧いただけます↓
http://www.minato-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=speaker_result&speaker_id=133

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