平成30年第4回定例会「一般質問」質問&答弁(議事録)

【質問内容】

○7番(黒崎ゆういち君) 平成30年第4回港区議会定例会にあたり、自民党議員団の一人として、武井区長、青木教育長に質問をさせていただきます。
 今回の質問では2テーマ、10項目をお聞きいたします。
 最初に、公共施設整備の決定プロセスとその進め方について伺います。
 現在、港区においては、南青山5丁目に子ども家庭支援センター、児童相談所、母子生活支援施設の複合施設である(仮称)港区子ども家庭総合支援センターを平成33年4月に開設する予定で準備を進めております。農林水産省共済組合南青山会館跡地の約3200平方メートルに地上4階建ての施設を建設する計画ですが、本年10月に開催した区民向け説明会において、計画に反対する意見が出たことを受け、報道機関に取り上げられる事案となり、12月に改めて区民向け説明会を開催し、次のステップとしては、港区紛争予防条例に基づく説明会を開催する予定で進んでいます。
 他方、白金台3丁目に(仮称)港区立白金台保育室を平成31年に4月に開設する予定で準備を進めていました。白金台3丁目遊び場に軽量鉄骨プレハブ2階建ての施設を建設する計画ですが、本年9月から10月までに3回開催した工事説明会において、こちらも計画に反対する意見が出たことを受け、当初10月12日に着工する予定だった計画を延期することを決定し、改めて各種調整を行った上で説明会を開催すると聞いております。
 このように公共施設を整備する計画が区民向け説明会を開催した際に反対され、一部の方々から合意が得られない事態になっている昨今の状況を受け、港区における公共施設整備の決定プロセスとその進め方が、区民の感覚と違うのであれば、それを是正する措置を講ずるべきですが、今回の2件は、行政上の意思決定に基づき、その内容及び過程は適正かつ的確に完了しています。したがって、手続上の瑕疵を問うものではなく、港区が日頃から考える公共施設整備の優先順位や地域ごとの考え方をしっかりと区民に伝えて理解を得るための過程を公共施設整備の決定プロセスとその進め方の中に組み込んでいただきたいと提言するものです。
 今回の質問により、区民の皆様が行政の不断の努力の上に公共施設が整備されていることを知っていただき、部分最適でなく全体最適の観点で、全ての世代で人口が増えていくここ港区において、質の高い行政サービスを安定的かつ継続的に供給できる体制を皆で考え構築する機会になることを願い、質問に入らせていただきます。
 まず、行政需要や区民要望などのニーズの把握についてです。港区は、産業の国際競争力や国際的な経済活動の拠点形成の促進を目的とした東京圏の国家戦略特別区域に全域が指定されているほか、羽田空港の国際化の進展やリニア中央新幹線などの広域交通の整備、JR・地下鉄の新駅構想、BRT計画等が進行するなど交通結節点としての役割も高まっています。さらに、平成32年に東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を控え、今後もまち全体が大きく変化することが見込まれています。
 また、平成39年まで全ての世代で人口が増えていく局面を踏まえ、多様化する区民ニーズに応え、充実した行政サービスを提供するべく数多くの公共施設を整備しています。中でも武井区長が掲げる「子育てするなら港区」という政策の実現に向け、近年では子育て支援施設を中心に、学校教育施設、保健福祉施設、区民向け住宅、公園などの整備が進んでおります。
 ここで着目すべきは、公共施設を整備する上でのニーズはどのように把握されているのかという点です。当然ながら行政需要や議会要望、地域の声がもとになっているものだと思いますが、港区全域で必要なもの、区内各地域で必要なもの、さらに各用途で必要なもの、また、国や東京都から必要だと要求されるもの、そして各会派や議員から区民の声として要望されるもの、想像するだけでもかなりの要望主体があると思います。これらの需要や要望をしっかりと把握し、取捨選択の上で、港区における公共施設整備を決定していくことが重要だと思いますが、行政需要や区民要望などのニーズを的確に把握するプロセスはどのようになっておりますでしょうか、区長にお伺いいたします。
 次に、適正配置の決定についての質問です。先ほどの質問で述べたとおり、公共施設整備のニーズを漏れなく、そしてあまねく的確に把握し、港区全域で対応すべきもの、区内各地域で対応すべきものという全体最適の視点で優先順位を整理し、その考え方に沿って公共施設を適正に配置していく。このプロセスが明文化され、議会を含めて公開されることで、冒頭に述べた、港区が日頃から考える公共施設整備の優先順位や地域ごとの考え方をしっかりと区民に伝えて理解を得ることにつながっていくと考えます。
 現在は、土地取得の可能性が出てきた時点より全庁的な調整・検討を行った上、最も有効な活用方法を選択しているとのことですが、戦略的かつ長期的な公共施設整備にあたり、適正配置の決定プロセスは誰がどのように決定しているのでしょうか、区長にお伺いいたします。
 次に、国公有地等の土地取得の流れについての質問です。先ほど来から質問で述べているとおり、行政需要や区民要望などのニーズをしっかりと把握し、全体最適な適正配置が決定されていれば、あとは計画にマッチした土地の取得があれば整備が進んでいくことになりますが、港区は地価が高価で、民間による土地活用のポテンシャルがかなり高いことから土地取得が困難なことは周知の事実であります。特に、学校教育施設のようにまとまった施設用地の入手は困難を極め、取得の際にも多額の費用がかかる状況です。当然ながら、区有財産の有効活用や民間活力の活用など、あらゆる手法により施設整備を実現して、将来の施設需要に戦略的に対応していくことが重要ですが、現在の国公有地等の土地取得の流れについて、区長にお伺いいたします。
 また、冒頭に述べました南青山5丁目の(仮称)港区子ども家庭総合支援センター開設予定地である農林水産省共済組合南青山会館跡地約3200平方メートルの国有地取得経緯についてもあわせてお伺いいたします。
 次に、迅速な整備とニーズに沿った計画策定についての質問です。区は、土地取得の可能性が出てきた時点より全庁的な調整・検討を行った上、最も有効な活用方法を選択し、同時に施設整備手法について検討をスタートすることになっています。当然、土地の広さや形状、周辺地域との特性を考慮した上で整備計画が策定されるわけですが、行政需要が発生しているからこそ早期に整備されなければなりません。土地の取得が完了した後、公共施設の整備は、基本計画・基本設計・実施設計・施工など、開設までにさまざまな契約・発注により設計や工事、業務委託が行われることになります。過去に用地の取得から整備完了まで10年以上かかった案件もあるだけに、少しでも迅速な整備に向けた計画に仕上げることと、本来の設立ニーズに沿った計画に策定していくべきだと考えます。
 先ほどから述べているように、港区全域を全体最適する視点を持ち、統一性や継続性を担保しつつ、地域の特性に合わせた計画を戦略的に推進していくには、全庁横断的なコントロールが必要だと思います。現在の整備計画は誰がどのように策定しているのでしょうか、区長にお伺いいたします。
 次に、整備計画の決定・公表についての質問です。先ほどの質問で述べたとおり、整備計画が策定された後、決定のプロセスに入っていくわけですが、ちょうど2年前の平成28年第4回定例会の一般質問で「安定した区政運営を実現する執行体制について」という内容で同様の質問をさせていただいておりますが、今回はさらに踏み込んで、公共施設の整備決定までの機関決定過程を区長にお伺いいたします。また、議会承認・報告も含めた公表プロセスについてもあわせてお伺いいたします。
 次に、整備計画の合意形成についての質問です。冒頭、私は、今回の質問により、区民の皆様が行政の不断の努力の上に公共施設が整備されていることを知っていただき、部分最適ではなく全体最適の観点で、全ての世代で人口が増えていくここ港区において、質の高い行政サービスを安定的かつ継続的に提供できる体制を皆で考え構築する機会になることを願っていると申し上げました。
 公共施設整備のニーズを漏れなく、そしてあまねく的確に把握し、港区全域で対応すべきもの、各地区で対応すべきものという全体最適の視点で優先順位を整理し、その考え方に沿って公共施設を適正に配置していく。このプロセスが明文化され、議会を含めて公開されることこそ、港区における公共施設整備のビジョンであり、整備計画の合意形成に向けた第一歩だと考えますが、区長のご見解をお伺いいたします。また、区長が考える公共施設整備計画における合意形成とはどのようなことなのでしょうか、あわせてお伺いいたします。
 次に、ラグビーワールドカップ2019及び東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会と港区をつなぐ施策について伺います。
 まず、MINATOシティハーフマラソンについてです。いよいよあさっての朝8時半にMINATOシティハーフマラソン2018の号砲が鳴り、記念すべき第1回大会がスタートします。MINATOシティハーフマラソンは、魅力あふれる景観や国際色豊かな沿道の声援を受けながら、躍動感や期待感、歴史や伝統がしみ込む都心・港区を舞台に繰り広げる都心型のシティハーフマラソンで、ランナーだけでなく、観戦者やボランティア、大会運営に携わる全ての方々が感動を共有できる大会として成功をおさめるとともに、他の自治体には類を見ない日本一の都市型シティハーフマラソンに成長・発展させ、地域の発展に寄与するイベントとして末長く継承させていくことを目標に、地元の方々や企業など、多くの関係者のご協力をいただきながら本日まで取り組んでこられました。
 当日は5893人が港区内を疾走します。港区議会からも多くの議員が参加されるとのことですので、私も現地に行き、完走に向けてエールを送りたいと思っています。一方、MINATOシティハーフマラソンの開催により、東京2020大会に向けた気運醸成を図るとともに、子どもから高齢者まで、国籍、障害の有無の区別なく、多くの区民が参画できるスポーツイベントを通じて地域共生社会の実現に向けた環境や関係を構築できるかが、大会のレガシーとして、スポーツと港区をつなぐ施策の成果になると思います。今後も継続される港区らしいスポーツイベントに成長する第一歩ですので、区民の皆様と一緒に大いに盛り上げて、初回を成功させていければと思っておりますが、今回のMINATOシティハーフマラソン2018を開催し、得られた教訓や課題、つながりをどう来年のラグビーワールドカップ2019、そして再来年の東京2020大会に生かしていくのか。今後の展開について、区長、教育長にそれぞれお伺いいたします。
 次に、2019年の施策展開についての質問です。来年の9月20日にアジアで初となるラグビーワールドカップが東京都調布市にある味の素スタジアムで開幕します。開幕当日は、例年でいうと決算特別委員会が開催されていますので、開幕戦をどの場所で迎えるかは大変気になるところですが、本日で294日前になります。ラグビーの聖地・秩父宮ラグビー場を擁し、日本ラグビー発祥の地である港区は、2009年に締結した公益財団法人日本ラグビーフットボール協会との提携協力に関する基本協定を締結し、現在までさまざまな事業が展開されてきました。
 みなとラグビースクールや港区タグラグビー教室、みなとスポーツフォーラム、港区民ラグビー応援プログラム、港区DAY、秩父宮みなとラグビーまつりなどがその代表例です。いよいよ来年度はワールドカップイヤーとして大会本番を迎え、東京2020大会に勢いをつなげる前哨戦の年でもあります。港区は、日本代表、ニュージーランド代表、オーストラリア代表、イングランド代表、スコットランド代表、フランス代表の6チームを大会期間中に公認チームキャンプ地として迎え入れることになり、期間中は港区スポーツセンターを中心に代表チームのトレーニングが行われるほか、選手と交流する機会も設けられることになります。
 先日も翌日にオーストラリア代表・ワラビーズと対戦するニュージーランド代表・オールブラックスの選手3名が芝小学校の6年生58名の児童とラグビーを通じて交流を行いました。このように既存事業でない、今まで積み重ねてきた事業の集大成として、2019年ならではのラグビーワールドカップと港区をつなぐ事業を計画されていると思いますが、来年度予算に向けた意気込みにつきまして、教育長にお伺いいたします。
 次に、ボランティアについての質問です。来年度のラグビーワールドカップを支えるボランティアは1万人の枠に約3万8000人が応募し、既に募集が終了しています。また、再来年の東京2020大会では、東京都が募集する都市ボランティアと東京2020組織委員会が募集する大会ボランティアがあり、現在、募集が行われています。そして、MINATOシティハーフマラソン2018でもボランティア募集が行われ、100名の方が参加される予定です。
 港区におけるボランティアはスポーツのみならず、防災、観光、福祉、地域、国際交流等、さまざまな領域や分野で日々活動されています。一方、災害時に地域の防災リーダーとして活躍する消防団も歴史あるボランティア団体です。先日開催された第48回東京都消防操法大会において、我が高輪消防団女性隊が出場し、優勝という輝かしい成績をおさめました。来年度、横浜で開催される全国大会に東京都代表隊として出場することになっています。
 このようにボランティアの方が活躍する機会を積極的に提供することは、港区の地域資源や地域資産をハード・ソフトの両面で最大限活用するための施策に直結すると考えます。しかしながら、全てのボランティアを1元的に管理する体制の構築ができていないのが実態です。港区が誇る約100万人の昼間人口や、80を超える大使館を擁する立地の有効活用など、まだまだ生かし切れていない地域資源や地域資産をつなぐプラットフォームの構築は、今後の港区の財産になると考えます。このようにボランティアを一元管理できる体制を東京2020大会のレガシーとして整備していただきたいと考えますが、区長、教育長の見解をお伺いいたします。
 最後に、神宮外苑地区のまちづくりについての質問です。東京都は今月22日、「東京2020大会後の神宮外苑地区のまちづくり指針」を発表しました。一定の緑地確保を条件に都市計画公園から外して再開発を認める「公園まちづくり制度」の活用要件などを定め、今後は秩父宮ラグビー場や神宮球場の建て替えを含む再開発が動き出すことになります。
 まちづくりの目標には、東京2020大会に向けて先行するまちづくりとも連携し、神宮外苑地区をにぎわいあふれる緑豊かなスポーツの拠点として、さらに発展させていくために、目指すべき将来像として、3つの拠点性を備えたまちの実現を図るとされています。(1)高揚感のあるスポーツとアクティビティの拠点、(2)歴史ある個性を生かした多様な緑と交流の拠点、(3)地域特性を生かした魅力的な文化とにぎわいの拠点の実現を目指すとのことです。
 港区、新宿区、渋谷区と3区にまたがる本エリアにおいて、港区から秩父宮ラグビー場や神宮球場、国立競技場に向かう、まさにスタジアムへの入り口であるスタジアム通り、すなわち青山外苑前商店街が対象区域に入っていないことは、8万人収容の新国立競技場を中心とした世界に誇れるスポーツクラスターの形成を同地区で目指している国や東京都の目的から大きく後手を踏むことになりかねません。東京2020大会のレガシーをいつでも体験できる場所であるスタジアム通りを中心としたゾーンと港区をつなぐ施策展開を行っていくべきだと考えますが、区長のご見解をお伺いいたします。
 以上で質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。

【区長答弁内容】

○区長(武井雅昭君) ただいまの自民党議員団の黒崎ゆういち議員のご質問に順次お答えいたします。
 最初に、公共施設整備の決定プロセスとその進め方についてのお尋ねです。
 まず、行政需要や区民要望などのニーズ把握についてです。区は、港区基本計画に掲げる政策を実現し、地域の課題解決や区民サービス向上の手段の1つとして、公共施設を計画的に整備しています。公共施設の整備の検討にあたっては、区に寄せられた声や基本計画等の策定時に実施する基礎調査を通じて区民ニーズ把握するとともに、将来の人口の増減を予測する人口推計を実施し、長期的な行政需要を分析した上で公共施設の整備を進めております。
 次に、適正配置の決定についてのお尋ねです。公共施設の整備にあたっては、政策を着実に実現するため、まず、子どもや高齢者など年代別の細かな人口動向を丁寧に分析し、各施設の利用者の推移を推計するなど、区全体として長期的な施設需要を予測します。その後、人口の分布や施設利用者の利便性、各地区における施設需要を踏まえ、保育園や学校、高齢者施設、障害者施設などの公共施設の配置案を検討いたします。配置案は、公共施設の適正な整備を図るために設置している公共施設等整備検討委員会での議論を踏まえ、最終的に庁議での審議を経て決定しております。
 次に、国公有地等の土地取得の流れについてのお尋ねです。公有地の拡大の推進に関する法律の規定により、面積など一定の要件を満たす土地が民間で取引される場合は、その情報が土地所有者から区へ届けられます。この届け出を受けて、区は所有者に買い取り協議を申し出ることが可能です。また、国公有地の場合は、国からの照会や東京都からの情報提供を受けるのが原則ですが、それに先んじて区独自の情報収集活動も行っております。こうして得た情報をもとに、区と取引を進める意向があるかを土地所有者に確認をしております。その後、価格などの取引条件について不動産鑑定をもとに、港区財産価格審議会で評定される適正価格により交渉を行っております。交渉が成立した場合は、予算について議会で議決をいただき、土地を取得することとなります。
 次に、(仮称)港区子ども家庭総合支援センター開設予定地の取得経緯についてのお尋ねです。南青山5丁目の用地は、国から平成28年8月に照会がありました。広く事業調査の上、協議した結果、敷地規模、用途規制等が適合することから、かねてより構想していた児童相談所等関連施設の整備を目的とした取得要望書を同年9月に提出いたしました。同年12月に国から区を売却相手方とする通知があり、平成29年9月開催の港区財産価格審議会で評定した適正価格に基づき、国との間で契約条件が整いました。同年10月の第3回港区議会定例会において補正予算を議決いただき、同年11月に土地売買契約を締結し、本用地を取得したものでございます。
 次に、整備計画を策定する体制についてのお尋ねです。初めに、港区基本計画に基づき、施設のコンセプトや諸条件、備えるべき機能を盛り込んだ整備計画(素案)を作成いたします。次に、議会報告や住民説明会を通じて寄せられた区民意見等を取り入れ、整備計画(案)を作成いたします。その後、全庁的な視点で施設の機能や内容などについて、副区長と各部門の長で構成する公共施設等整備検討委員会での検討を踏まえ、最終的に庁議での審議を経て、整備計画を決定しております。
 次に、整備計画の決定・公表のプロセスについてのお尋ねです。新たな公共施設の整備については、まず、区民ニーズや長期的な施設需要を踏まえ、港区基本計画に計上します。次に、施設を所管する部門が港区基本計画に基づき整備計画(素案)を作成し、庁内での議論を経て、区議会に報告するとともに、住民説明会において区民にお示しをしております。その後、区議会や区民からの意見等を取り入れ、素案同様に庁内での議論を経て整備計画を決定し、改めて区議会に報告するとともに、住民説明会などを通じて、広く区民に公表しております。
 次に、整備計画の合意形成についてのお尋ねです。区は、みなとタウンフォーラムなどの区民参画を経て策定する港区基本計画において、長期的な施設需要に基づく区全体における施設整備のビジョンをお示ししております。各公共施設の整備において区民との合意形成を図るためには、施設利用者の利便性向上を追求するとともに、施設整備の意義を地域住民などに正しく理解してもらうことが最も重要であると考えております。今後とも、公共施設の整備に際し、地域住民との合意形成を図っていくために、施設整備の決定過程に区民参画の手法を取り入れるとともに、早い時期からの丁寧な説明に努めてまいります。
 次に、ラグビーワールドカップ2019及び東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会と港区をつなぐ施策展開についてのお尋ねです。
 まず、MINATOシティハーフマラソン2018で得られた教訓の活用についてです。大会の開催に向けた準備段階で、警察、消防をはじめ、多くの関係機関との調整や協議、港区マラソン実行委員会をはじめとする多くのボランティアや協賛企業による参画と協働、区の全庁一丸となった取り組みなど、多くの教訓や経験を得ることができております。また、大会コースは多彩な観光スポットや緑豊かな公園、水辺など、都心港区ならではの魅力があふれており、区のシティプロモーションにも大きく寄与するものです。今回の教訓や経験を積極的かつ効果的に活用し、多くの来街者が港区を訪れるラグビーワールドカップ2019及び東京2020大会があらゆる世代の区民の心に残る確かなレガシーとして継承されるよう、港区の魅力を国内外へ力強く発信してまいります。
 次に、ボランティアを一元管理できる体制についてのお尋ねです。ボランティア情報を一元管理することでボランティア意欲がある人の総数を常時把握することができ、区や地域のイベント等でのボランティアのニーズに迅速な対応が可能となります。また、既にボランティアとして登録していただいている人に対し、ほかの活動をご紹介することでさまざまな分野での活動機会の創出につながるなど、区民参画の機会を一層推進する意義深いものであると考えております。区民一人ひとりに活躍の場を広げ、地域の一層の活性化につながるようボランティアの一元管理に向けて検討してまいります。
 最後に、神宮外苑地区のまちづくりについてのお尋ねです。区は、東京2020大会後の神宮外苑地区のまちづくり指針の検討会において、スタジアム通り沿道のエリアを検討区域に入れることなどを、地元の意向を踏まえ、東京都へ強く要請してまいりました。その結果、本年11月22日に公表されました指針では、スタジアム通りと外苑前駅周辺を結ぶ安全で快適な歩行者ネットワークやにぎわいの創出の方針などが反映されました。今後、本地区のまちづくりにあたっては、港区まちづくりマスタープランや青山通り周辺地区まちづくりガイドラインと整合を図り、にぎわいや魅力がスタジアム通り沿道、さらにはその周辺へ拡大するよう、東京都や周辺区と連携してまいります。
 よろしくご理解のほどお願いいたします。
 教育にかかわる問題については、教育長から答弁いたします。

【教育長答弁内容】

○教育長(青木康平君) ただいまの自民党議員団の黒崎ゆういち議員のご質問に順次お答えします。
 最初に、ラグビーワールドカップ2019及び東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会と港区をつなぐ施策展開についてのお尋ねです。
 まず、MINATOシティハーフマラソン2018で得られた教訓の活用についてです。MINATOシティハーフマラソン2018では、区立小・中学校の児童や生徒が和太鼓の披露、給水や通訳のボランティア活動、ランナーとして参加する教員の応援など、大会を支え盛り上げる大切な役割を担うことになっております。また、ファンランの参加予定者の約半数が20歳未満です。このように多くの若い世代が、身近な大会であるMINATOシティハーフマラソンを通じてスポーツ活動にかかわることは、運動能力の向上はもちろん、目標に向かってやり遂げる達成感や人とのつながりを育み、お互いを支え合うことの大切さなど、さまざまな面で学び成長することにつながります。
 教育委員会としては、今回得られた教訓や経験を、次世代を担う子どもたちをはじめ、子育て・働き盛り世代や高齢者など、多世代の多くの方々の「する」「見る」「支える」スポーツ活動につなげ、ラグビーワールドカップ2019や東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の気運をより1層高めてまいります。
 次に、ラグビーワールドカップ2019に向けた施策展開についてのお尋ねです。教育委員会はラグビーの普及啓発として、港区に本社を置くトップリーグ所属のラグビー選手との交流事業をはじめ、子どもや障害者、成人を対象としたラグビー教室を開催するなど、さまざまな事業を展開しております。2019年は大会開催年であることから、教育委員会として、より多くの区民がラグビーへの興味や関心を高める絶好の機会と捉え、これまでの取り組みを一層充実してまいります。
 さらに、港区スポーツセンターが出場チームの公認キャンプ地として使用される利点を生かし、世界のトップアスリートと区民との交流事業などを新たに展開してまいります。こうしたラグビーワールドカップ2019に向けた施策展開により高まったラグビーへの関心や興味が、その後もレガシーとして継承され、区民のスポーツ活動を一層促進することにより、東京2020大会のさらなる気運醸成へとつながるよう取り組みを強化してまいります。
 最後に、ボランティアを一元管理できる体制についてのお尋ねです。教育委員会では、キスポート・スポーツ・サポーターズクラブ事業のスポーツボランティアが、本年10月14日の全日本トライアスロン選手権大会での給水担当や、明後日開催のMINATOシティハーフマラソン2018でのランナー誘導など、大会を支える重要な担い手となっております。また、学校支援地域本部事業の地域ボランティアや図書館児童サービスボランティアなど、さまざまな分野でご協力をいただいております。今後、ボランティアの一元管理も含め、こうした方々がそれぞれのノウハウや経験を生かし、区や地域のイベントをはじめ、さまざまな場で活躍できる仕組みを区長部局と連携し検討してまいります。
 よろしくご理解のほどお願いいたします。

目次