平成29年度決算特別委員会「産業経済費」質問&答弁(議事録)

○委員(黒崎ゆういち君) よろしくお願いします。
 最初に、ユニークベニューの活用支援について伺います。
 ユニークベニューとは、会議やイベント、レセプション等をホテルなどのコンベンション施設を用いるのではなく、歴史的建造物、美術館、文化施設などを利用し、参加者に特別な時間とサプライズを提供できる特別な会場を指します。港区内には、迎賓館赤坂離宮、東京都庭園美術館、サントリー美術館、乃木神社、六本木ヒルズアリーナ・毛利庭園、虎ノ門ヒルズ・オーバル広場、アーク・カラヤン広場、マダム・タッソー東京、フジテレビジョン「フォーラム」などが多数存在し、これらのユニークベニューの活用を官公庁や東京都及び公益財団法人東京観光財団が積極的に推進をしています。
 本年5月18日から東京都及び公益財団法人東京観光財団はユニークベニューの利用を希望するMICE主催者等に対して総合的な支援を行う窓口、東京ユニークベニューを開設しました。主催者等からの問い合わせや施設の紹介、イベントプランの提案から開催に至るまでの各種調整などワンストップで支援し、ユニークベニューの一層の活用推進を図ることで、東京へのMICEのさらなる誘致を進めていくことが目的です。港区内の地域資源、地域試算を活用する施策ですので、港区としてもユニークベニューの活用を積極的に支援していくべきだと考えますが、国や東京都が進める本施策に対する区の姿勢、考え方についてお聞かせいただければと思います。

○観光政策担当課長(冨永純君) 港区にはさまざまな歴史的・文化的施設が存在し、それぞれが個性豊かな特徴と魅力を有しています。こうした施設がユニークベニューとして活用されることは国際会議やレセプション等に参加する国内外の人々に対し、区の魅力をPRする絶好のプロモーションの機会となるほか、施設の新たな活用方法が周知されることで、区民を含む多くの人々が港区の持つ多彩な魅力を再認識するきっかけとなります。また、国際会議等の開催に伴う来街者の増加による地域の活性化等にもつながるなど、区の観光施策にとっても有効と考えております。

○委員(黒崎ゆういち君) 実際は、ホテルなどのコンベンション施設を利用した方が安価で手間がかからないという現実的な壁を乗り越えるだけのメリットや付加価値をユニークベニューが利用することでどう感じてもらうかということがポイントだと思いますが、より多くの事例や機会をつくっていただくことでその推進が進んでいくと思います。
 東京都はユニークベニューを活用するための開催経費助成を含めた各種支援制度も整備しています。来年はラグビーワールドカップ2019日本大会が開催され、9月20日の開幕戦から11月2日の決勝戦まで7週間で48カ国の代表チームが日本に滞在する予定で、大会期間中に即位の礼も行われることから、出場国も含めた各国元首や首脳も多数来日する予定です。経済波及効果としては、1,917億円、訪日外国人客は40万人を見込み、平均14日間滞在し、1人当たり1日2万円を支出するという推計があります。その後には、東京2020大会、政府のインバウンド政策が推進しているこの現状の中で、港区内の地域資源、地域資産であるユニークベニューをフル活用して、区内での消費購買行動に直結する機会と場をつくり出すことは、攻めの観光政策だと考えます。
 そこで、港区が所有・管理する場所もユニークベニューとして活用できると思いますが、区有施設のユニークベニューとしての活用の可能性についてお伺いします。また、港区内に所在する国や東京都管理するユニークベニューの紹介や活用事例を区がアピールすることで、更なる活用につながると考えますが、お考えをお伺いします。

○観光政策担当課長(冨永純君) 区が所有・管理する施設には、ほかにはないロケーションを持つ施設や歴史的に貴重な施設など、ユニークベニューとして活用が考えられる施設があります。一方、こうした施設の多くは区民サービスの提供のため、日常的に使用されていることから、施設利用者の利用機会を阻害しないことや、周辺地域への配慮の必要性、法令等による制約などの課題がありますが、こうした課題を解決することでユニークベニューとしての活用の可能性があると考えております。
 また、国や東京都が管理する区内のユニークベニューを活用事例とともに周知していくことは、区のプロモーションや地域の活性化など観光振興につながるものであり、これらのユニークベニューの活用促進にも効果的であると考えております。

○委員(黒崎ゆういち君) この施策は今まで民間で単独で使わなかった場所が民間のイベント、MICE事業で使えるようになるという規制緩和であります。
 一方、例えば、迎賓館赤坂離宮を設営・撤去も含めて本番1日・3日間朝10時から6時まで借りると、いわゆる迎賓館の前庭と本館を借りると2,300万円かかるということです。白金台にある東京都庭園美術館もいろいろな施設が使えるのですけれども、1回当たり200万円かかるということですので、大規模な日本を代表するような会議、MICEが行われないとなかなかここに使われるだけの土俵になりませんので、多くの会議がこれからたくさん日本で開催していく中で、いかに地元にそのイベントが開催できるような、そしていろいろなチャレンジングなイベントを区が東京都と一緒にコーディネートしていくことが重要ですので、ぜひ事業推進に向けてお力添えをいただきたいと思います。
 次に、シティプロモーションシンボルマークの活用展開について伺います。
 平成28年に策定した港区シティプロモーション戦略に基づき、区のシティプロモーションを全庁一丸となって推進し、区民を含めた多様な主体との一体感の醸成、さらなる協働を進めるためのシンボルとなるシティプロモーションシンボルマークをことし8月に作成しました。現在、区職員の皆さんが利用しているネックストラップにも使用され、昨年の港区制70周年記念事業後、ばらばらだったネックストラップがまた統一され、今後、港区のアイデンティティーがさらに醸成されていくものだと思います。
 本マークの使用にあたっては、使用の手引きに基づき、使用届の提出もあり、ブランドコントロールも含め、厳格な運用が期待されます。一方、区の紋章としては、いわゆる「まるみ」マークが既にあります。また、区の木、区の花といったマークもあり、各地区総合支所のキャラクターも存在しています。今回のシティプロモーションシンボルマークと既存の各マークとの位置づけをお伺いします。また、さまざまな場面やツールにおいて積極的にシティプロモーションシンボルマークの活用を進めていくことになると思いますが、今後の展開についてもあわせてお伺いいたします。

○観光政策担当課長(冨永純君) 区の紋章である「まるみ」マークは、区を象徴するマークとして図案化したものであり、区が発行する公的証明書や賞状、式典などで使用しています。
 一方、シティプロモーションシンボルマークは、区政のあらゆる場面で区の魅力を発信し、区民等の誇りや愛着の醸成につなげていく取り組みを展開するため、積極的に活用していくものです。「まるみ」マークや区の木、区の花といった既存のマークと併記するなど、刊行物等への表記のルールに沿って全庁的に使用しております。今後は、区民等に対し広くシンボルマークを周知し、定着・浸透させるため、区主催のイベントで使用するのぼり旗や啓発品にシンボルマークを記載するなど、全庁的な活用をさらに進めてまいります。
 また、多様な主体との連携を進めるため、港区観光大使に提供する名刺への活用など、シンボルマークを使用するきっかけづくりを進め、シンボルマークを旗印として港区にかかわる全ての人が一丸となったプロモーションの展開を目指してまいります。

○委員(黒崎ゆういち君) ネックストラップときょう私つけておりますピンバッジは福祉売店でも販売されているということですので、議員も含めて区の役職の方々の積極的な使用によって、港区とシティプロモーションシンボルマークが一体となることを願いまして質問を終わります。ありがとうございました。

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