【質問内容】
◯7番(黒崎ゆういち君) 平成29年第2回港区議会定例会にあたり、自民党議員団の一人として、武井区長、青木教育長に質問をさせていただきます。
最初に、港区基本計画(後期3年)見直し方針について伺います。
まず、区民の目線に立った見直しについてです。港区は、本年3月15日に港区政70周年を迎えました。区民の皆様をはじめ区にかかわる多くの団体・企業と祝い、地域の活性につなげ、港区政100周年に向けて新たな一歩を踏み出す契機となるさまざまな記念事業を多数実施してお祝いをしました。
港区政100周年の節目まであと30年。30年後の港区は、私たちの次の世代が活躍し、日本の発展をリードして、世界に誇れる地域になってほしいと願ってやみません。そのような地域にしていく方向性をしっかりと定めて前に進めていくことが、この議場にいる私たち大人の責務だと考えます。私たちが考える港区の将来は、それぞれが持つ思いやそこに至る方法は異なるものの、区民一人ひとりが誇りに思える成熟した国際都市という目指すゴールはほぼ一つだと思います。
一方、その実現に向けた各種政策・施策における優先順位や予算配分の決定は、執行機関のトップである区長の権限であります。区長はその権限を行使して、将来を見据えつつも、足元のさまざまな問題を解決し、その上で区政を前に進めていくわけですが、ここで最も重要なのが区民の目線に立った区政運営という観点です。まさに今定例会以降、港区の最上位計画にあたる港区基本計画の後期3年に向けた見直しの検討がスタートします。本計画の見直しにあたり、区民は港区に何を望んでいると区長はお考えになりますでしょうか、ご見解をお聞きいたします。
次に、重点施策についての質問です。先ほどの質問でも述べたとおり、区長は各種政策・施策における優先順位や予算配分を決定して区政運営を行っていくわけですが、港区基本計画の後期3年に向けた見直しにおいても、現行の港区基本計画で港区が目指す将来像として定めた区民一人ひとりが誇りに思える成熟した国際都市及び港区基本構想に基づいた3分野、6基本方針、27政策に沿った体系は維持する方針を出されております。そして、優先的・重点的に取り組むべき課題については、分野別の体系を横断する重点課題として位置づけ、財源を優先的に配分し、集中して取り組むとされ、6つの重点課題を掲げられました。特に今回は、地域共生社会の実現が加えられ、新たな課題が示されましたが、それらの課題解決に向け、港区基本計画の後期3年に向けた見直しにおける優先的・重点的に取り組む施策はどのようなものになるのか、区長のお考えをお聞かせください。
次に、保育施設確保に向けた取り組み状況についての質問です。区長は、本年3月に、東京商工会議所港支部、港区商店街連合会、公益社団法人東京都宅地建物取引業協会港区支部等の団体を訪問し、トップ営業の手法で、自ら保育所として活用できる土地・建物の情報提供の協力要請を行いました。情報提供された土地・建物については、区が仲介役となり、保育所整備に適した物件を探している運営事業者に紹介し、その物件を活用して、待機児童解消に向けた保育所整備を推進していこうというものであります。このように保育環境の整備に向けた取り組みは重点的に行われているものの、待機児童を解消できない状況であり、今後も年少人口の増加は続く見込みで、安心して子育てができる環境の整備が喫緊の課題だと思いますが、今回の保育所施設確保に向けた取り組みの成果について、区長にお聞きいたします。
次に、自治体を牽引するトップランナーとしての職員配置についての質問です。港区基本計画の後期3年に向けた見直しは、港区を取り巻く環境として、1)人口動向、2)財政状況、3)参画と協働の進展、4)東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取り組み、5)全国連携の取り組みを分析・反映し、柔軟かつ的確に対応するための施策を積極的に検討し、新たな要素を取り入れた今日性を持った計画にしていかなければなりません。それらの検討は、冒頭に質問申し上げた区民は港区に何を望んでいるのかを常に自問自答し、区民の目線に立って政策に反映していこうという責任感と使命感を持って推し進めていくことが何よりも大切です。港区の強みを生かし、自治体を牽引するトップランナーの地位を確固たるものにしていくためにも、職員の配置は最も重要な施策であると考えます。4月1日付の人事異動はどのような意図で行ったものなのか、区長のお考えをお聞きいたします。
次に、ラグビーワールドカップ2019日本大会及び東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の大会レガシーについて伺います。
まず、大会レガシーについてです。東京都は、東京2020大会によってもたらされるレガシーを、後世に残され、未来に引き継がれる都民共通の財産と定義しています。港区は、お台場海浜公園でトライアスロン競技の会場となる競技開催地として、いかに有形無形のレガシー、すなわち社会的遺産を残すか、開催まで2年となる今のタイミングは、さまざまなレガシープランの合意形成が整い、戦略的・段階的に実行していく時期だと考えます。冒頭に質問した港区基本計画の後期3年に向けた見直しにおいても、重点課題として東京2020大会を見据えたソフト・ハードの取り組みの推進を掲げられていますが、区長は、競技開催地・港区にどのような大会レガシーを残したいと考えておられますか、ご見解をお聞きいたします。
次に、公式スポンサー及び公式スポンサー以外の区内企業と連携した取り組み状況についての質問です。現在、港区内の各地域で、2019年、2020年に向けた気運醸成を高めるスポーツイベントが開催されています。4月末に区長が記者会見された新規事業においても、港区「東京2020応援プログラム」推進助成事業として、公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が実施する東京2020参画プログラムのうち、東京2020応援プログラムの認証要件を満たす気運醸成またはレガシーの創出に資する事業の実施団体に対して、事業の実施費用を最大100万円までを助成する事業が新たに実施されます。特に、ボッチャやシッティングバレーなど、障害者スポーツの普及や障害者にもやさしい街づくりなど、誰もが参加でき、楽しむことのできる取り組みを期待しているとのことですが、東京2020参画プログラムは、各省庁、開催都市、スポンサー、JOC、JPC、会場関連自治体、大会放送権者が公認事業として実施する東京2020公認プログラムと、非営利団体等が裾野を広げ、多くの人々が参画できることを目指して実施する東京2020応援プログラムの2つに分かれます。今回、区の助成事業は東京2020応援プログラムの認証要件を満たすことが前提ですので、非営利団体等が実施するものに限られるとのことです。
一方、港区には東京2020大会の公式スポンサー企業が複数所在しています。そして、公式スポンサー以外の企業はさらにそれ以上多数所在します。港区基本計画の後期3年に向けた見直しにおいても、新たな参画と協働のスタイルである官と民がともに手を携えて事業を実施し、地域の人材・多様な活動主体とのつながりを深めていき、分野を超えて横断的に活用することができれば、まさにそれは港区らしい、港区にしかできない大会レガシーになるものと考えます。港区に所在する国際性豊かな多種多様な企業や団体とともに手を携えて協働する機会をどのように創出していくべきか、区長のご見解をお聞きいたします。
また、オリンピック・パラリンピック教育において本枠組みを推進していくことで、さまざまな機会の創出が期待できると考えますので、教育長のご見解もあわせてお聞きいたします。
次に、全国自治体と連携する取り組みについての質問です。先ほど述べた港区に所在する国際性豊かで多種多様な企業や団体とともに手を携えて協働する特性を生かし、2019年、2020年に向けたスポーツによる気運醸成や大会レガシーの取り組みを加速させていくことで、区内だけにとどまらず、ラグビーワールドカップを開催する全国12都市や、東京2020大会に向けた事前キャンプ誘致等を進める全国各地の自治体と連携を進める大変よいチャンスだと思われます。特に、港区には80以上の大使館が所在するという絶対的な優位性があります。港区が海外と国内をつなぐコーディネートを行う機能を果たせば、さまざまな連携が可能になると考えますが、国際スポーツ大会を通じた自治体間連携をどのように進めていくべきか、区長のお考えをお聞きいたします。
次に、秩父宮みなとラグビーまつり2017についての質問です。ラグビーの聖地・秩父宮ラグビー場を活用するイベント、秩父宮みなとラグビーまつり2017が今週火曜日から日曜日まで初めて開催されています。港区が有する資源をフル活用し、港区らしいにぎわいや多種多様な交流機会を創出するイベントの実現に向け、港区、港区教育委員会、東京商工会議所港支部、港区商店街連合会、公益財団法人港区スポーツふれあい文化健康財団、一般社団法人港区ラグビーフットボール協会の6団体で秩父宮みなとラグビーまつり2017実行委員会が結成されました。その実行委員会が企画運営し、イベントのフィナーレを飾る今週日曜日には、ラグビーイベントで初めてスタジアム通りを車線規制して祭りの会場として使用します。港区内のお店を中心に、ラグビー強豪国の大使館や、2019年のラグビーワールドカップ開催都市など44テントが出店します。また、秩父宮ラグビー場では、国内チャンピオンチームのサントリーサンゴリアスとオーストラリアのスーパーラグビーチームニューサウスウェールズ・ワラターズが対戦します。港区にゆかりのある2つのチームで国際交流を行います。
このようにラグビーというスポーツの枠を超えて、多くの人々がスクラムを組んだ結果が、秩父宮みなとラグビーまつり2017で実現するわけです。この多くの方々がつないだパスが港区にどのような効果をもたらすと考えるか、区長のご見解をお聞きいたします。
次に、品川駅周辺のまちづくりについて伺います。
まず、エリアマネジメント活動の推進状況についてです。平成28年第4回定例会で、私の品川駅周辺のまちづくりについての一般質問で、区長は、「リニア中央新幹線品川駅やJR新駅、環状第4号線の延伸計画など、品川駅周辺地域におけるまちづくりの大きな変化を捉え、平成29年3月に改定する港区まちづくりマスタープランで、品川駅及びJR新駅を起点として、周辺のまちの回遊性を向上させるため、快適に歩ける歩行空間の整備を推進するとともに、開発事業を契機として周辺と一体となった地域の魅力・価値の向上のため、エリアマネジメント活動を推進することを位置づけ、JR東日本をはじめとした関係事業者とともに、回遊性に富み快適な品川エリアのまちづくりを推進していく」と、こう答弁されました。
本年3月に改定した港区まちづくりマスタープランで位置づけた、品川駅及びJR新駅の起点に回遊性を向上させるエリアマネジメントの活動の現在の推進状況はどうなっているのでしょうか、区長にお聞きいたします。
次に、生活利便性の向上と連動した整備計画についての質問です。港南地域における喫緊の課題である保育施設の整備やJR新駅と港南方面の回遊性を向上する整備、商業・にぎわいのネットワーク化を推進する整備、これらの整備は、地区計画を所管する東京都や、JR新駅を整備するJR東日本と区が調整して行っていくと聞いております。このような生活利便性の向上と連動した整備計画については、住民合意を踏まえた上で、早期かつ確実に遂行していくために具体的なアクションプランが必要だと考えます。区はどのように取り組んでいるのか、区長にお聞きいたします。
次に、教育行政の個別計画の見直しについて伺います。
今回の一般質問では、港区基本計画の後期3年に向けた見直しに関連した質問をさせていただいております。教育委員会においても、港区基本計画と同様に、今回見直しを行う5つの計画の中で、港区学校教育推進計画に関連した2点について質問させていただきます。
まず、区立中学校の整備・改修計画についてです。現在、港区においては、子育てをするなら港区という武井区長のキャッチフレーズのもと、港区生まれの子どもが増えており、平成28年の区の合計特殊出生率は1.44で、国の1.45と肩を並べ、東京23区でも単独トップになりました。港区が行った人口推計では、今後も人口は増え続け、10年後には30万人に達すると見込んでいます。人口の増加は、まちに活気があふれ、大変喜ばしいことですが、一方で、待機児童対策や区立小・中学校教室の確保など、さまざまな行政需要も生じてきます。このような状況下、芝浦地域の新設校(仮称)芝浦第二小学校の設置を決定。平成31年度に工事着手、平成34年度に新設校開校の予定で現在計画が進んでおります。
本計画は、平成28年度にスタートしていますので、開設まで実に6、7年の歳月を要することになります。現在の小学校1年生が中学校1年生になるスパンで見たとき、区立中学校の教室の確保が喫緊の課題となっていると思います。特に、芝浦港南地域における中学校の整備・改修計画は必須です。教育行政の個別計画の見直しを含め、区立中学校における整備・改修計画をどうお考えになられているのか、教育長の見解をお伺いいたします。
最後に、区立小学校から区立中学校への進学状況についての質問です。区立中学校の整備・改修計画において大変重要な要素になるのが、区立小学校から区立中学校への進学率です。平成29年4月の港区における進学率は55%と聞いております。一方、学校単位で見ると、進学率の高いところ、低いところでばらつきがあるようです。私は教育の一番の基本は感動を持たせることだと思っております。小学校では自己規律などの心の軸を、中学校では自分と外部との認識を、高校では志、大学では使命感を持たせることが各学校の役割であってほしいと願っています。そういう意味でもさまざまな多様性を受け入れている地域の区立中学校の役割は大変重要です。区立中学校を地域の思いをつなげて、次の世代にそれを継承させていく拠点にしていくためには、やはり生徒数が増えることが肝要であると考えます。生徒数が増えれば先生も増えます。そして、先生が増えれば、さまざまな授業や部活動が受けられる環境が整備されます。結果的に生徒が増えます。そして、生徒の選択肢も増えます。全てが好転していくことにつながることになると思います。
現在の区立小学校から区立中学校への進学状況を踏まえ、教育行政の個別計画の見直しにおいて、港区の区立中学校の魅力をどう高めていくのか、そしてその魅力をどう発信していくのか、教育長のお考えをお聞きいたします。
以上で質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。
【区長答弁内容】
◯区長(武井雅昭君) ただいまの自民党議員団の黒崎ゆういち議員のご質問に順次お答えいたします。
最初に、港区基本計画(後期3年)見直し方針についてのお尋ねです。
まず、区民の目線に立った見直しについてです。今回の港区基本計画の見直しにあたっては、現行計画の5つの重点課題である人口増加への対応、参画と協働の推進、安全・安心の徹底、環境に配慮したまちづくり、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を見据えた取組の推進を継承するとともに、地域共生社会の実現を加え、6つの重点課題を設定し、分野横断的に取り組むことといたしました。これらの重点課題は、昨年度、みなとタウンフォーラムや各地区区民参画組織からいただいた提言や、あらゆる機会を通じて区民から寄せられた希望の声を反映したものとなっております。区民の皆様からいただいた声をしっかり受けとめ、各施策に最大限反映させることができるよう、見直し作業を進めてまいります。
次に、重点課題の解決に向けた取り組みについてです。港区基本計画の見直しにあたっては、今後も続く人口増加や人口構成の変化を踏まえ、各世代の区民生活に直結した喫緊の課題に対応するため、待機児童対策や児童相談所の設置、また、地域包括ケアシステムの構築などに早急に取り組んでまいります。また、東京2020大会を契機とした将来のレガシーにつながる取り組みとしては、客引き行為防止対策、みなとタバコルールの推進、バリアフリー化などに着実に取り組み、誰もが安全で快適に過ごせる地域をつくってまいります。行政、区民、事業者、全国各地域の4つの力を活用しながら、スピード感を持って重点課題の解決を図ってまいります。
次に、保育施設確保に向けた取り組みの成果についてのお尋ねです。区は、待機児童解消緊急対策として、保育定員の約1000人拡大に取り組んでおり、保育施設として活用可能な区有地などについて全庁挙げて検討いたしました。その結果、区有地、国有地等において港区保育室を5施設開設し、定員を新たに約540名拡大、居宅訪問型保育事業においても70人の定員拡大を行い、今年度当初から計画しております約280人の定員増と合わせ、現在約890人の定員拡大を予定しております。
さらに、民有地・民間ビルの活用を図るために、宅建業界や商工団体、商店街、金融機関などに対して、保育施設に適した物件の情報提供を働きかけた結果、金融機関からは2件、民間事業者から1件の情報をいただいております。これらについては保育施設の認可基準を満たす物件であるか等の確認ができ次第、運営事業者に物件を紹介し、新たな保育定員の拡大につなげていく予定です。引き続きさらなる保育定員の拡大に努めてまいります。
次に、自治体を牽引するトップランナーとしての職員配置についてのお尋ねです。本年4月期の人事異動にあたっては、人材育成と組織的な課題解決の両面を考慮し、区の全ての部門において、職員の適性や能力が発揮できるように、そしてまた、幅広い知識や経験を得ることができるように配置を行っております。また、重要課題を担う組織には、その着実な実行を視野に、組織力を強化する配置を行っております。今後も、適材適所の職員配置を行うことにより、質の高い区民サービスを実現してまいります。
次に、ラグビーワールドカップ2019日本大会及び東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の大会レガシーについてのお尋ねです。
まず、大会レガシーについてです。区は、東京2020大会開催を、区の施策を一層推進する好機と捉え、幅広い分野においてハード・ソフト両面にわたるさまざまな取り組みを推進しております。ハード面の取り組みとしては、多くの来街者が港区を訪れることに備え、歩道や自転車走行空間、公衆トイレの整備、泳げる海・お台場の実現に向けた取り組みなど、安全・安心で快適に過ごせるまちづくりに向けた施策を推進しております。ソフト面の取り組みとしては、文化プログラム、シティプロモーション、多言語化を推進するほか、年齢、性別、国籍、障害の有無などの区別なく、多様な人が共生する地域社会の実現に向けた基盤づくりを推進しております。引き続きこうした取り組みを全庁挙げて推進し、あらゆる世代の区民の心に残る確かなレガシーを創出してまいります。
次に、東京2020大会に向けた区内企業との連携についてのお尋ねです。現在、東京2020大会に向けて、地元企業との連携による新橋SL広場への東京2020大会開幕までのカウントダウン装置の設置や、障害者スポーツの普及を支援する企業との連携など、高い技術力や発信力を有する区内企業との連携を進めております。
区は、これまでも災害対策や保健福祉、産業振興など区の幅広い分野において、50を超える企業等との連携協定を締結し、区政の課題解決を推進するとともに、昨年度の港区政70周年記念事業においても多様な企業と連携し、大きな成果を上げました。区内には、大会の公式スポンサー、非公式スポンサーを問わず、区のさまざまな分野と連携の可能性を秘めた魅力的な企業が多数所在しております。引き続き区との連携を積極的に呼びかけてまいります。
次に、全国自治体と連携する取り組みについてのお尋ねです。区は、ラグビーワールドカップや東京2020大会といった国際スポーツ大会を、全国連携をさらに推進する好機と捉えております。これまで築いてきた全国各地の自治体や、また区内各国大使館との関係をもとに、東京2020大会に向けた事前キャンプ誘致を進める自治体を各国大使館に紹介するなど、区に期待される役割を果たしてまいります。区が大会を契機にそれぞれの地域の活性化や魅力発信を望む自治体と各国大使館とをつなぐ結節点となることで、スポーツのみならず文化や人の交流を生み、区内のにぎわいの創出につながるよう、積極的に取り組んでまいります。
次に、秩父宮みなとラグビーまつり2017の効果についてのお尋ねです。秩父宮みなとラグビーまつり2017の開催にあたりましては、港区と東京商工会議所港支部、港区商店街連合会、公益財団法人港区スポーツふれあい文化健康財団、一般社団法人港区ラグビーフットボール協会による秩父宮みなとラグビーまつり2017実行委員会が設立されました。今後の協働につながる新たなネットワークを構築することができたと思っております。
また、オーストラリアの強豪チームの選手が、あす午前中には区立青山小学校を訪問し、10日土曜日にはふれ愛まつりだ、芝地区!に参加するなど、ラグビーを通じた児童、地域との国際交流が図られ、新たなまちのにぎわいや区民の国際文化交流の機会の創出にもつながります。
さらに、11日日曜日には、秩父宮ラグビー場において、オーストラリアの強豪チームと国内トップチームとのラグビーの国際試合が行われ、区民が世界レベルのスポーツを身近に観戦できる機会が得られるなど、秩父宮みなとラグビーまつり2017は、1つのスポーツイベントにとどまらず、人と文化の交流が促進されるなど、さまざまな効果を区にもたらすものと考えております。
次に、品川周辺のまちづくりについてのお尋ねです。
まず、エリアマネジメント活動の推進状況についてです。エリアマネジメントは、まちづくりの新たな担い手として地域が主体となる活動です。新たなまちづくりが進む品川駅周辺では、品川駅北周辺地区で事業を予定している東京都、JR東日本、UR都市機構が本年3月に品川駅北周辺地区まちづくりガイドラインを策定し、平成36年の一部街開きまでにエリアマネジメント組織を立ち上げることとしており、今後、組織化に向け取り組む予定となっております。区は、周辺地域と一体となった地域の魅力・価値の向上を目指し、こうした事業者の自主的な取り組みを積極的に支援してまいります。
最後に、生活利便性を向上する施設の早期整備についてのお尋ねです。区は、品川駅周辺のまちづくりにおいて、泉岳寺駅地区の駅改良と1体となった街づくりに東京都とともに取り組み、地域住民と2年間にわたる丁寧な話し合いを経て、本年5月に地区計画と第2種市街地都市計画素案を策定いたしました。また、カナルサイド高浜の再整備にあたっては、新たに保育施設などの併設を予定するなど、着実に事業化に取り組んでおります。
一方、品川駅北周辺地区では、事業を予定している東京都、JR東日本、UR都市機構がガイドラインを策定し、建物計画を伴う地区計画の事業化に向けた検討が進められております。今後、区は、関係する複数の事業を的確に調整し、住民の理解のもと、早期の事業化を図ることで、東西の回遊性や区民生活の利便性の向上に努めてまいります。
よろしくご理解のほどお願いいたします。
教育にかかわる問題については、教育長から答弁いたします。
【教育長答弁内容】
◯教育長(青木康平君) ただいまの自民党議員団の黒崎ゆういち議員のご質問に順次お答えいたします。
最初に、オリンピック・パラリンピック教育における区内企業との連携についてのお尋ねです。
現在、各幼稚園、小・中学校では、オリンピック・パラリンピック教育として、学校支援地域本部の学校支援ボランティアに登録いただいている区内企業と連携した出前授業や、大使館職員による講演会などを実施しております。今後は、港区「東京2020応援プログラム」推進事業に参画いただいた実施団体や関係機関をはじめ、多くの主体と連携を深め、オリンピック・パラリンピック教育をさらに進めていくことで、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の経験を通じ、その後の人生の糧となるようなかけがえのないレガシーを、子どもたち一人ひとりの心と体に残してまいります。
次に、教育行政の個別計画の見直しについてのお尋ねです。
まず、区立中学校の整備・改修計画についてです。教育委員会では、毎年度、中学校ごとに生徒数の将来推計を独自に行っております。その推計結果では、今後、多くの中学校において生徒数の増加が見込まれており、普通教室の確保につきましては、改築や多目的スペースなどの転用を計画しております。特に、人口増が著しい芝浦港南地域については、生徒数の増加にあわせ、現在、港南中学校の内部改修などの具体的な対応を検討しております。引き続き生徒数の推計及び区立中学校への進学状況などを見極め、良好な学習環境を確保できるよう適切に対応してまいります。
最後に、区立中学校の魅力とその発信についてのお尋ねです。現在、区においては、中学校通学区域ごとに幼稚園・小学校・中学校の教員が連携し、幼稚園から中学校までの12年間1貫した教育方針のもと、子どもたちに豊かな心、確かな学力、健やかな体が身につくよう魅力ある教育を展開しております。こうした魅力ある教育を子どもに理解してもらうため、特に区立中学校では、中学校の教員が小学校へ出向き、出前授業を実施しているほか、中学校の行事や部活動に小学校6年生を招くなど、中学校の魅力を実感させるよう努めております。
また、教育委員会としても、例年7月に1回実施していた中学校合同説明会を、今年度は8月にも開催し、各中学校への理解を深めていただく予定です。さらに、昨年度は、港区立中学校PTA連合会がみなと区民まつりに初めてブースを設け、それぞれの区立中学校の魅力を子どもやその保護者に直接伝えていただきました。今後も、PTAや地域との連携を深め、区立中学校の魅力をさらに高めていくとともに、学校ホームページや学校だよりなどを活用し、教育活動を積極的に発信することで、多くの児童が進学する区立中学校を目指してまいります。
よろしくご理解のほどお願いいたします。
▼上記質問の動画は「港区議会インターネット録画配信システム」で下記URLでご覧いただけます↓
http://www.minato-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=speaker_result&speaker_id=133