平成28年度決算特別委員会「土木費」質問&答弁(議事録)

【質問内容】
◯委員(黒崎ゆういち君)  よろしくお願いいたします。
 まず、4区連携による自転車シェアリング広域実験の課題と今後の方向性について、ご質問いたします。
 平成26年10月に港区自転車シェアリング事業がスタートして、1年5カ月が過ぎました。この間、港南地区、六本木地区、環状第2号線周辺地区からスタートし、区内全域にポートが拡大しつつあります。この2月から始まった港区、千代田区、中央区、江東区の4区での広域相互乗り入れ実証実験の途中経過は、非常に興味のあるところです。2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向け、自転車シェアリングが日本の交通手段として根づいていくためには、港区を含む都心エリアでの成功が必須であり、平成27年度に500台、平成28年度に1,000台を増車していく港区が、他の3区をリードしながら事業を進めていく姿勢は高く評価させていただいております。個人的にもユーザーとして日ごろ利用している感覚からすると、これまでに比べてやはり利用者が増えているのではないかと想像しております。
 そこで、現在行われている広域相互乗り入れ実証実験の利用状況はどうなっているか、お聞かせいただきたいと思います。
【答弁内容】
◯交通対策担当課長(西川克介君)  2月から始まりました広域相互乗り入れ実証実験の利用状況につきましては、港区の2月の登録者数は、1回会員が797人、月額会員が32人、法人会員が1法人、1日パスの売り上げが8人ということで、合計838人となっております。これは、1月に593人であったことと比べると、245人の増加となっております。また、利用回数につきましては1万8,309回で、1月の1万5,807回と比べると2,502回の増加となっております。1台の自転車が1日に何回利用されたかを示す回転率につきましては、自転車台数が増えたことにより多少下がっておりますが、1月が1.67であったのに対して2月が1.8と、改善している状況でございます。
【質問内容】
◯委員(黒崎ゆういち君)  ありがとうございました。まだ始まったばかりですけれども、広域相互乗り入れによって、利用回数等さまざまな指標も伸びていると思います。普通に考えると、この季節に自転車利用者は減少する傾向だと思いますが、今のお話のように、利用回数、回転率ともに上がっているということは、増車と相互乗り入れの効果だと思います。今後も区全域にポートを充実し、区民の皆さんや来街者の利便性の向上を図っていただきたいと思います。
 まだ広域実験を始めて1カ月程度しかたっておりませんが、現時点で見えてきた今後の課題と方向性についてお聞かせください。
【答弁内容】
◯交通対策担当課長(西川克介君)  この1カ月間の利用状況を見ますと、3区と接している中央区においては、利用者の約半数が区外へ出入りしております。また、港区、千代田区、江東区につきましては、利用者のうち区外への出入りは約10%にとどまっております。このような偏在がございますのは、地域特性や利用者ニーズの特性にもよりますが、やはり普及啓発を促進することや、また連携区をさらに広げることによって広域の相互乗り入れの促進を図ってまいります。今後は、紙媒体の広域利用マップを早期に作成することや、自転車走行空間の整備、ポート増設など、利用者が利用しやすい環境整備に努めてまいります。
【質問内容】
◯委員(黒崎ゆういち君)  ありがとうございます。区役所の前にもポートがありますけれども、そこには港区の自転車ではない、ほかの区の自転車が今たくさん見られるようになってきています。ポートを増やすことによって、さまざまな輸送コストというのでしょうか、再配置のコスト等も減っていくような仕組みだと聞いておりますので、より多くの方がポートを設置しようという思いを持って広がっていければと思うのですが、普通に考えると、駐車場に貸したほうが収益が上がるので、オーナーはそちらのほうを優先してしまう傾向がやはり大きいと思われます。多少インセンティブをつけても、ポートを拡充していくという時期だと思いますので、4区で連携してその可能性についても探っていただきたいと思います。これは要望とさせていただきます。
 次に、品川駅東西自由通路における朝夕通勤ラッシュ時の通行指導についてお伺いします。
 品川駅の高輪口から港南口をつなぐ品川駅東西自由通路は、総延長250メートル、幅20メートルで、平成10年11月に完成しました。現在、JR東日本、JR東海、京浜急行電鉄の3路線が乗り入れ、平成24年には1日平均乗降客数が約81万人で、新宿駅、渋谷駅、池袋駅に次いで4位と言われております。
 私も、港南口で毎週水曜日に朝の駅頭活動を行っていますが、この時間帯に自由通路を往来する人は圧倒的に品川駅で降車する在勤者です。先ほどの1日平均乗降客数が約81万人、港南地域の住民が2万人ということからも、ラッシュ時の自由通路の状況はお察しいただけるものだと思います。特に通勤ラッシュの午前8時から9時までは、人の網をかき分けて改札口に向かう心意気がないと前に進めないと、港南在住の方からはよく聞く話です。また、私学に通う小学生や中学生、高校生も同時間帯に多数通行しています。現状、通路両端にある柱の外側2メートル程度を通行するようにと、JRは放送や掲示物で呼びかけをしています。
 自由通路完成後、財産権と管理権はJR東日本が所有しており、完成した当時は通行整理によって出入りの動線を確保し、通行指導を行っていましたが、いつの間にかそれもなくなっております。その当時から比べると、港南地域に住む住民が飛躍的に増加し、さらに港南口の大型オフィスビルが続々と開業して、勤務者も圧倒的に増えている状況は、財産権、管理権を持つJR東日本に任せておくというレベルではもはやなくなっていると思います。
 そこで質問ですが、このような現在の状況を区は把握しているのでしょうか。また、把握しているのであれば、今後どのような対応をしていくかをお聞かせください。
【答弁内容】
◯芝浦港南地区総合支所まちづくり担当課長(村上利雄君)  品川駅東西自由通路の混雑緩和に対する意見については、以前から区にも寄せられていて、区からJR東日本に対して改善を申し入れていることもあり、JR東日本では通勤時間帯に特に歩行者同士のトラブルの多い東西自由通路の東側出入り口付近にJR職員を多く配置して誘導などを行っていると伺っております。また、やはり通勤時間帯に東西自由通路を中央と両端に仕切ることで、東西方向の通行帯を確保するためにリボンが設置されておりますが、JR東日本によりますと、一部に未整備な箇所があり、今後、未整備箇所の増設を検討しているとのことでございます。
 区は、これらJR 東日本の対応状況やその効果を確認しながら、誘導のための人員の配置の改善や通行マナー向上への取り組みを強化することなど、混雑の緩和が図られるよう、JR東日本に対して要望してまいります。
【質問内容】
◯委員(黒崎ゆういち君)  JR東日本が主体的な役割を果たさなければいけないところ、それができていないという状況の中で、地域の方々も、防災という観点なのかボランティアという観点なのか、なかなか参加できない仕組みというか、朝の時間帯もそうですけれども、そのような類いのものであります。
 先ほどラッシュ時の自由通路の状況を例に挙げさせていただきましたけれども、佐藤赤坂地区総合支所協働推進課長はこの1カ月の間で通勤途中にこのようなことに遭遇したそうです。
 佐藤課長が港南口から改札のほうに歩いていってると、前方の男性が急いで歩いていらっしゃった。で、港南口のほうに向かう女性と肩と肩がぶつかって、その女性はその場で倒れて気を失ってしまったと。目の前に倒れた方がいたので、佐藤課長はまさに訓練のとおり、「意識ありますか。皆さん、救急車を呼んでください。AEDを探してください」みたいなことを実際されたそうです。その女性は、運よく同じ会社の方が近くを通られたので、その方等によって救急車を呼んで、病院へ向かわれたということでした。やはり、朝、とんでもない数の人が行き来し合う中で、そのようなことも実際起きておりますので、ぜひこれは早急に対応いただきたいと思います。
 また、民生費でもバリアフリー基本構想に関連した質問をさせていただきましたが、その時間帯に車椅子の方や足が不自由な方も多数通行されております。昨今は、外国人旅行者が通路の出入り口付近で看板を見るために立ちどまったり、どっちへ行けばいいかわからずにたむろしているという傾向もあります。通行整理員による指導もそうですが、通路両端にある柱の外側に動く歩道等の設置も含めて、解決に向けて動いていただきたいと思います。
 これから新駅ができる地域ですので、改札をどこに持っていくかみたいな話も今後出てくると思いますが、そこについてもぜひ住民側に立った区の指導をよろしくお願いいたします。
 最後に、保育園の子どもたちが外で伸び伸びと遊べるための空間づくりについてご質問します。
 昨年の4月に区議会議員当選以降、さまざまな場面で私立認可保育園の園庭が不足しているという話を聞いております。平成27年7月に国家戦略特別区域法が改正され、特区申請の認可を受けた場合は、都市公園内において都市公園法上整備が認められていなかった施設である保育所やその他の社会福祉施設を都市公園法の特例として設置することが可能になりました。待機児童問題が深刻な荒川区や世田谷区、品川区で、平成29年4月ごろに保育所が開設される見通しです。
 質問は、公園整備の際には近隣の私立認可保育園の関係者や保護者など、実際に利用する方の意見を取り入れ、子どもたちが伸び伸び遊べるための空間づくりを進めてもらいたいですが、区の見解をお聞かせください。
【答弁内容】
◯土木課長(杉谷章二君)  公園や児童遊園の整備を進める際には、地元町会関係者、公園の隣接にお住まいの方、近隣の保育園や幼稚園、小学校などのPTAの代表者、公募区民等を交えたワークショップを開催するなど、意見交換をしながら整備を進めてきております。今後、全面的な改修整備はもとより、遊具の取り替えなど公園を部分的に改修する際にも、黒崎委員のご指摘を踏まえ、私立認可保育園をはじめ近隣の子ども関連施設のご意見も取り入れながら、子どもが伸び伸びと遊べる環境の確保に向けて整備を進めてまいります。
【質問内容】
◯委員(黒崎ゆういち君)  ありがとうございます。昨今、保育園をつくると、騒音の問題やプライバシーの問題など、子どもたちが遊ぶための施設なのにいろいろな問題が起きているというのも現状です。この国家戦略特別区域法の改正をうまく利用して、地域と協働した後に、伸び伸びと遊べる空間ができるように、ぜひお力添えをお願いいたします。
 次に、市街地再開発事業の開発においても積極的に公園を整備し、先ほどの質問と同様に、保育園関係者などが利用できる空間づくりを進めてほしいのですが、これについてもお聞きします。
【答弁内容】
◯再開発担当課長(中山祐一君)  区はこれまでも市街地再開発事業などの開発にあたり、公園、広場などの公共施設の整備、認可保育園等の誘致など、地域の課題に取り組むよう事業者を指導、誘導してまいりました。今後も引き続き、子育て関連施設や都市基盤の整備などにより、区民生活のさらなる向上に努めてまいります。
【質問内容】
◯委員(黒崎ゆういち君)  ありがとうございます。ご存じのとおり、港区には場所がなかなかありません。知恵を絞って、そして規制緩和をうまく利用して、空間をつくっていただくよう強くお願い申し上げ、質問を終わります。
 ありがとうございました。
▼上記質問の動画は「港区議会インターネット録画配信システム」で下記URLでご覧いただけます↓
http://www.minato-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=speaker_result&speaker_id=133

目次