◯委員(黒崎ゆういち君) よろしくお願いいたします。
最初に、芝浦港南地域の学校施設整備調査について伺います。
まず、調査結果についてです。芝浦港南地域の児童数増加に対応するため、芝浦小学校・港南小学校通学区域施設整備にかかわる調査として、平成28年度では約1,500万円を支出し、その中で外部専門機関による将来の児童推計を行うなど、施設整備に向けた基礎調査を実施してこられました。
質問は、今回の調査結果で見えてきた今後の予測はどのような結果になったのかをお聞きします。また、今後、今回と同様の調査を定期的に実施していくべきと考えますが、教育委員会の見解をあわせてお聞きいたします。
◯学務課長(山本隆司君) 調査では、芝浦小学校については平成45年度に学級数が最大となり、57学級となるとの予測であり、このため、新設校を設置するなどの抜本的な対応が必要であることがわかりました。また、港南小学校については平成31年度に学級数が38学級となると予測しております。
今後もこうした開発等により急激な人口増加が想定される地域については、調査を行うことについても検討いたします。
◯委員(黒崎ゆういち君) 先ほどの答弁でいうと、平成45年度に芝浦小学校は57学級、港南小学校は平成31年度に38学級ということで、芝浦小学校のほうはこれから第二小学校が建てられるような状況だと思います。一方で、港南小学校については、現状、32学級1,203名ということで、そもそも転用が38学級まで可能だという状況だと思いますので、あと6クラスという状況の中で、先ほど答弁いただいた調査結果では、両小学校におけるピークが明確に予測されています。
芝浦小学校は、先ほど申し上げましたとおり、(仮称)芝浦第二小学校等、施設整備計画が進行しているのですけれども、港南小学校の最大児童数に対応するための施策についてはどのように考えられているのか、教育委員会の見解をお聞きいたします。
◯学校施設整備担当課長(瀧澤真一君) 港南小学校は、推計上、2年後の平成31年度に学級数が最大の38学級になることが見込まれており、そのため、平成29年度、平成30年度の2カ年計画で多目的室等を普通教室へ改修し、38教室を確保いたします。
引き続き、児童推計等を見極め、学校との意見交換を十分行い、良好な学習環境が確保できるよう適切に対応してまいります。
◯委員(黒崎ゆういち君) お願いします。
港南小学校は広いグラウンドが一番の特徴でもありますので、学校の先生方もグラウンドには手を出してほしくないという思いは教育委員会も共有されていると思います。
一方で、特別教室を改修する中でいうと、先ほど申し上げたように38教室で、ぎりぎりのような状況、多分廊下というのですか、広い施設を教室に変えるというような手段もひょっとしたら出てくるかもしれません。今後も定期的にというか、今回の調査をやられていくということですので、慎重に推移を見守って、早急に対応を打っていただきたいと思います。
次に、港南幼稚園及び港南中学校の対応についてです。当然のことながら、小学校だけが増加するわけではなく、そのトレンドと連動して、幼稚園及び中学校もあわせて対応しなくてはなりません。特に、来年度の港南幼稚園は260名を超える規模となるため、現在、港南小学校の校舎に向かう通路上に園舎増築の工事が急ピッチで進められています。
園庭や遊戯室はそのキャパシティを変えられないため、大変窮屈な状況になるであろうと想像できます。既に入園式や卒園式ではいっぱいいっぱいで、今後の園児数増加に対応できるとは思えないような状況です。港南小学校の校庭を園庭がわりに利用することは日常的に行われていて、運用でカバーするには限界があるのかと思います。
また、港南・芝浦両小学校の児童が進学している港南中学校は、当然のことながら生徒数が徐々に増えていくことが予想されます。
質問は、港南幼稚園及び港南中学校の園児・生徒数増加についての整備計画はどうなっているのか、教育委員会のお考えをお聞きいたします。
◯学校施設整備担当課長(瀧澤真一君) 港南幼稚園については、園児数の増加に対応するため、8月より園舎等の増築工事を進めており、平成30年4月からは3・4・5歳児、各3学級編成の合計9学級の幼稚園となります。
現在、幼稚園の導線や避難経路などの安全面の確保、園庭や遊戯室等の共有部分の活用など、幼稚園における日常的な管理・運営面の課題について、幼稚園と協議・検討を進めているところです。
また、港南中学校については、今後見込まれる生徒数の増加に対して、多目的スペース等の普通教室への改修や校舎増築の可能性について、具体的な対応を検討しております。
引き続き、園児数及び生徒数の推計等を見極め、良好な学習環境が確保できるよう、適切に対応してまいります。
◯委員(黒崎ゆういち君) 目の前に東京海洋大学の品川キャンパスがあります。港南幼稚園、港南小学校、港南中学校が今後どんどんキャパシティが足らなくなる中で、公有地、国の土地になりますけれども、広々と伸び伸び使えるような土地が目の前にあるわけです。
ここについては港南地域の特徴なのだと思うのですけれども、公有地をいかに活用していくかというところは、まさに今後の港区の大きな教育施設も含めた場所の確保というところで、幼稚園、学童もそうなのですけれども、課題になっているのは明白であります。
ただ単に国立大学法人に場所を貸してくれ、もしくは売ってくれという話は進まないと思いますので、いかに双方が土地資源を有効にできるような絵を描いて、それを区が間に入って推進していくかというところが非常にキーになってくると思います。
土地をとりにいくための施策については、教育委員会というよりかは区長部局との連動の中で、後期見直し3年計画の中でも課題になっていると思います。東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のレガシーというところも含めて、広い視点で港区のレガシーに残るように、ぜひ区長、教育長、スクラムを組んで前に進めていっていただきたいと思います。
次に、学校の危機管理対応について伺います。まず、危機に即応できる体制やマニュアル整備についてです。港区立幼稚園・小学校・中学校における園児・児童・生徒の身体・生命の安全を脅かすものを危機と捉え、それに対する総合的な危機管理体制を各校において学校危機管理マニュアル等を策定し、園児・児童・生徒はもとより、教職員の生命・身体の安全確保を第一に、地域の防災拠点としての機能が十分に発揮されるよう、自校の実情にあった訓練や教育を推進することで、各校の危機管理に万全を期す体制を整備していくものと考えます。
各校における危機に即応できる体制づくりやマニュアルの整備は、誰の指示に基づき、どのタイミングで作成されているのでしょうか。また、想定する危機にはどのようなものが含まれているのかについてもあわせてお聞きいたします。
◯指導室長(松田芳明君) 幼稚園・小・中学校では、校長の指示により学校危機管理マニュアルを作成し、災害発生時の教職員の体制について、避難誘導や初期消火担当を決めるなど、教職員みずからがどのように行動するかを具体的に細かく定めております。毎年、年度初めの4月に前年度のものを改善し、教育委員会に提出することになっております。
想定される危機は、文部科学省の学校防災マニュアル作成の手引に記載されている地震、津波、火災、土砂災害、水害などの自然災害に加え、各学校では不審者の侵入に対してもマニュアルを作成しております。
また、改善につきましては、学校が校長の指示のもと、毎月の避難訓練実施後に職員会議等で反省点を挙げ、常に学校危機管理マニュアルの改善・改良を重ねております。
今後は、全国瞬時警報システム・Jアラートに対するマニュアル作成、訓練の実施を検討するなど、改善をさらに深めていきたいと考えております。
◯委員(黒崎ゆういち君) 想定される危機が広がっている中で、運用、PDCAを回していくようなお話を聞きましたので、安心しました。
次に、運用についてです。より実効性を高めていくには、体制やマニュアルをより実態に即したものとして常にアップデートしていくことが肝要です。万が一の危機発生時に対し、万全を期す体制を整備していくためには、日常的にPDCAを回すことにより、見直しと改善を追求することになりますが、各校において、誰がどのように運用しているのか、お聞きいたします。
◯指導室長(松田芳明君) 先ほどの回答と重なるところがありますが、学校は毎月の避難訓練実施後に、必ず職員会議等で反省点を挙げます。また、学校のさまざまな工事等が入りますと避難経路が変わるなど、細かな点についても改善する必要があります。
そういったことを重ねながら、常に改善を図っているところです。
◯委員(黒崎ゆういち君) あわせてご答弁いただきまして、ありがとうございます。
危機ではないのですが、学校ですので日常的に子どもたちが事故を起こすというか、けがをするようなことも、危機には入らない範疇だと思うのですが、教職員の方々が連携及び経験を生かして対応していただいていると思います。
我々のような外部ではなくて、学校の先生はプロですので、一部には学童などにも。要するに、今までの経験が皆さんと連携して共有できて、学校の職員の方々にも次の世代につながるような体制構築もあわせてやっていただきたいとお願いしたいと思います。
最後に、障害者スポーツの普及啓発について伺います。場所と機会の提供についてです。障害者スポーツの普及啓発の取り組みとして、平成28年度には港区スポーツセンターにおいてシッティングバレーボール競技ができる環境の整備をいただきました。また、本年度予算案においては、ブラインドサッカーや車椅子バスケットボールが体験できる環境整備の充実を図っていただいています。
区内には、まだまだ障害者スポーツができる場所がほとんどありません。場所がないから、健常者も含めた体験機会も少ないです。障害者の方が外に出やすい環境を港区から広げていくためにも、場所の整備という観点は大変重要だと考えます。
平成29年度予算特別委員会でも、港区内にある港南地域の東京都立港特別支援学校や青山にある東京都立青山特別支援学校という知的障害特別支援学校の体育館等を障害者スポーツの拠点となるように働きかけていくことが、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のレガシーにつながるのではないかという質問をしましたが、その後の状況はどうなっていますでしょうか。
また、障害者スポーツをするための環境整備に向けて東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の公式スポンサーと日本ブラインドサッカー協会が連携して、フィールド整備を計画中と聞いています。
そのような障害者スポーツができる機会の確保や企業との新たな取り組みがあれば、ご披露いただければと思いますが、教育委員会の見解をお聞きいたします。
◯生涯学習推進課長(増田玲子君) これまで東京都立港特別支援学校や東京都立青山特別支援学校の障害者スポーツの拠点化に向け、区内の特別支援学校に対して、定例の会議などを通じ、学校の施設開放に向けた働きかけを行ってまいりましたが、学校のセキュリティの問題や近隣との関係などの課題があり、全施設の開放を行うことが困難な状況にあります。
今後、区内の特別支援学校を障害者スポーツの拠点として東京都立特別支援学校を活用する都立学校活用促進モデル事業の対象とするよう、東京都に働きかけてまいります。
続いて、障害者スポーツの機会の確保と企業の連携についてでございます。これまで教育委員会では障害者スポーツの普及啓発に向けた取り組みとして、港区スポーツセンターで区内企業のエイベックス・グループ・ホールディングス株式会社、株式会社乃村工藝社と連携し、車椅子フェンシング、パラ・パワーリフティングの体験会を開催してまいりました。さらに、本年8月には区内企業の株式会社東芝と連携し、パラ・バドミントンの体験会を開催いたしました。
体験会には多くの区民の方にご参加いただき、初めて体験する車椅子の操作に苦労していましたが、互いに声をかけ合い、励まし合うなど、楽しむ様子が伺え、非常に盛り上がった体験会となりました。
今後も積極的に区内企業と連携するなど、障害者スポーツの体験教室などを実施し、誰もが運動することの楽しさやすばらしさを感じる機会を提供していくことで、障害者スポーツの普及啓発に取り組んでまいります。
◯委員(黒崎ゆういち君) ありがとうございます。よろしくお願いします。
以上です。