平成30年第2回定例会「代表質問」質問&答弁(議事録)

【質問内容】

◯7番(黒崎ゆういち君) 平成30年第2回港区議会定例会にあたり、自由民主党議員団を代表して、武井区長、青木教育長に質問させていただきます。
 今回、代表質問に立たせていただくにあたり、初めに、質問に臨む私のこころについて申し述べさせていただきたく存じます。
 昨日、史上初の米朝首脳会談がシンガポールで開かれ、トランプ大統領と金正恩委員長は、朝鮮半島の完全な非核化をうたう共同声明文に署名しました。米国が求める北朝鮮の完全かつ検証可能で不可逆的な非核化と、北朝鮮が要求する米国による体制保証に向けて、朝鮮半島をめぐる情勢は大きな転換期を迎えることになります。
 我が国は、北朝鮮に核兵器をはじめとした大量破壊兵器、弾道ミサイルの完全かつ検証可能、不可逆的な方法での廃棄を求め、非核化に向けた具体的行動を実施するよう、粘り強く対話と圧力を続けてきました。北朝鮮が正しい道を歩むのであれば、日朝平壌宣言に基づき不幸な過去を清算し、国交正常化への道も開けてくるわけであります。拉致問題を解決に導くための歴史的な会談となるべく、引き続き日米韓で緊密に協力し、北朝鮮の拉致、核・ミサイルといった諸懸案の解決のため、全力で取り組んでいかなければなりません。
 また、ここ港区においては、赤坂にアメリカ大使館、麻布台にロシア大使館、南麻布に韓国大使館、そして元麻布に中国大使館が所在し、東アジアの安全保障を地域レベルでつなぐことができる唯一の立地を有しているわけですので、今回の会談を受けて、さらに国際交流や国際協力が推進される象徴地域になることを心から期待しております。
 一方、国内に目を向けると、わずか5歳の児童が母親の再婚相手から虐待を受け衰弱死するという、余りにも痛ましい事件が近隣区で発生しました。就学前ながら、「もうおねがい ゆるして ゆるしてください おねがいします」という言葉を書き残し、その命のともしびが消えてしまったことにやり場のない無念を感じます。
 児童のサポートに関して、港区では児童相談所の機能と児童と家庭の支援拠点機能を一体化させた(仮称)港区子ども家庭総合支援センターの設立に向け準備が進んでいるほか、みなと子ども相談ねっとを通じて相談専用の窓口を設けていますが、メールや電話を使うことすらままならず、自ら声を上げることのできない幼子に対して政治は何ができるのか、改めて突きつけられた思いを抱いております。
 さて、3年前の平成27年、私は商社勤務を経て、港区議会議員選挙に初挑戦しました。その結果、1406票のご支持をいただき、ふるさとである港区の議員の一員として活躍する機会を与えていただきました。志はあっても右も左もわからない、新人としての第一歩を踏み出したときの不安と期待は、今でも忘れることができません。
 孔子が唱えた論語の一節に、次のような章句があります。子いわく、「三人行えば、必ず我が師有り」。ありがたいことに私は4つの師に恵まれました。
 第一の師は、区議会事務局をはじめとする理事者の皆様でした。区政が円滑に行われる仕組みに始まり、各組織の役割、本会議や委員会での議事進行も含め、さまざまな案件を丁寧に説明いただかなければ、行政の仕組みや機能を理解することはできなかったと改めて感じている次第です。
 第二の師は、我が会派の自民党議員団の先輩議員をはじめ、互いに切磋琢磨し合う港区議会議員の皆さんです。異なる会派でそれぞれの政策を競い合う一方、あすの港区をつくり、未来へつなぐ責務があるという点で、それぞれが得意な分野や地域で活動し、区民のために行動する姿や質問する内容は、区民に選ばれた議員という立場において、私の持つ視野が余りにも狭かったことを気づかせていただきました。
 第三の師は、元東京市長、尾崎行雄氏の存在です。私は当選後、憲政記念館で政治の勉強を続けており、憲政の父、あるいは議会政治の父と呼ばれる尾崎先生が生涯貫いた「誰が正しいかではなく、何が正しいか」を追求しています。引き続き、政治家としての感覚の基準点を定めるために、今後も学び続けていく所存です。
 そして、第四の師は、この港区に住まい、日々を営む区民の皆様です。私は当選以来、毎週の駅頭活動や定期的に開催している区民相談会のほか、さまざまな活動を通じて、区民の皆様から困り事や区のさまざまな課題、そして、時には政策に関するヒントをいただき、それらの課題、問題解決に向け取り組んでいるところです。そうした数多くの師と学びに恵まれ、私は今ここに立っているわけであります。
 そうしたご縁やご指導を通じてまとめた今回の代表質問は、港区で暮らす人、働く人、訪れる人、学ぶ人がともに生きていくという港区基本計画のメインコンセプトである、港区ならではの地域共生社会の実現に向けて、港区を前へ進めていくための質問であることをご理解いただき、質問に入らせていただきます。
 最初に、行財政運営について伺います。
 まず、震災復興基金の積み立てに伴う行政サービスへの影響についてです。全国的に人口減少傾向にある中、港区では、昨年2月に54年ぶりに25万人を回復し、今後も全ての世代で増加が続くとのことです。平成39年に現在の人口の1.2倍にあたる30万人に達するという人口増加への対応、また、いよいよ2年後に迫った東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会や来年9月のラグビーワールドカップ2019日本大会の開催に向けて、開催地である東京都を中心に、各組織委員会と関係機関からソフト・ハード問わずさまざまな調整事項や依頼事項、そして実施事項への対応、さらに、現在ではほとんど行われていない、行政分野におけるAI導入検討や、区政運営の効率化及び区民サービスの利便性向上に向けたICT進展への対応等、現在の枠組みにはない、大きな前向きな課題に対して、柔軟に対応し、乗り越えていくための施策を展開していかなくてはなりません。
 私は、平成28年第4回港区議会定例会において、震災復興基金の導入に際し、基金のあり方について質問いたしました。区長は、「歳入においては、税収の確保はもとより、財産の貸し付けなどによる戦略的な収入の確保、国・東京都の補助金の活用など、財源の積極的な確保に努める。また、歳出においては、スクラップ・アンド・ビルドの原則を徹底し、施設設備に際しての投資的経費の抑制や人件費などの経常的経費の節減に努め、不断の内部努力を徹底し、財源を捻出するなど、これまで以上に簡素で効率的な区政運営に努める。こうした重層的な取り組みにより、あらゆる世代が将来にわたって安心できる財政運営を堅持していく」と答弁されました。
 冒頭で述べた人口増加、ラグビーワールドカップ2019日本大会や東京2020大会、AI導入、ICTの進展に対応した柔軟な行財政運営は確保できているのでしょうか。区長にお伺いいたします。
 次に、予算編成の可視化についての質問です。議会は、憲法第93条第1項の議事機関として置かれ、地方自治法において、地方公共団体の意思を決定する機能及び執行機関を監視する機能を担うものとして、同じく住民から直接選挙された執行機関の長と相互に牽制し合うことにより、地方自治の適正な運営を期することとされています。港区においても、区長は住民の選挙により直接選ばれ、行政府の長として、予算編成権や人事権を有し、議会は立法権限のほか、予算の承認など、行政府の長である区長の権限や政策に対してチェック機能を果たすことになっています。このように、現行の地方自治法における予算編成権及び提案権は区長に専属し、議会はそのプロセスには入っていません。
 また、地方自治法第97条第2項において、議会には予算の増額修正権が認められていますが、区長の予算提出権限を侵害することはできないとされています。ただ、平成29年第1回港区議会定例会の代表質問において、我が会派の二島豊司幹事長より、港区財政運営方針についての項目で、予算編成過程公開の検討について質問したところ、区長は、「予算編成過程を公開することにより、区政に対する区民の関心をより高め、参画していただく機会の充実につなげていく。公開する内容は、各部局の予算要求から予算案決定までの編成過程とし、数値を示すだけでなく、区の考え方を明らかにして、よりわかりやすく説明するように工夫したい。編成過程において区民の皆様から幅広く意見をいただき、予算案に反映できる仕組みとしていく」と答弁されました。
 改めてお伺いしますが、港区財政運営方針に掲げる区民参画を得た透明性の高い予算編成手法の検討状況はどうなっておりますでしょうか。区長にお伺いいたします。
 次に、港区公共施設マネジメント計画に基づく施策展開について伺います。
 先ほどから述べているとおり、港区では全ての世代で人口が増加傾向にあり、今後、公共施設の需要は増大していくことが予想されます。場所の確保が極めて困難な港区において、公共施設の整備・活用の考え方や、維持管理の進め方やあり方を示した港区公共施設マネジメント計画が昨年3月に策定されました。公共施設の安全・安心を最優先に、状況の変化に対応しながら、将来の世代にも負担をかけず、充実した行政サービスを継続するための戦略的ファシリティマネジメントを実践していくための計画だと思いますが、人口増加への対応、取り巻く社会経済情勢への変化への対応、多様な世代に対応したきめ細かな区民サービス、まちづくり方針、コミュニティ・生涯学習・健康増進などの生きがいづくり、人権や平和の尊さの周知など、さらに多様な分野における今後の行政需要に的確に応えるため、本計画に基づきどのようにファシリティマネジメントを進めていくお考えなのか、区長の見解をお聞きいたします。
 また、公共施設というハード面の管理だけでなく、ソフト面における管理手法について、PDCAサイクルを回し、港区ならではの高い水準を設定し、維持・継承するための施策展開についてもあわせてお伺いいたします。
 次に、BCP、ビジネス・コンティニュイティ・プラン、業務継続計画の見直しについて伺います。
 港区では、災害発生時に優先的に取り組む重要な業務を継続し、早期に事業の復旧を図るため事前に必要な資源の準備や対応方針、手段を定める計画として、BCPを策定しています。現在、平成25年3月に改定された新型インフルエンザ編と平成26年8月に改定された震災編の2種類があり、業務継続計画では発災時でも行政サービスをできる限り継続させることが目標となっています。
 今年度、震災編が改定されると聞いていますが、先ほど来述べている港区を取り巻く環境の激変要素である人口増加や高層住宅の増加など、前回計画の策定時点と比べて状況が相当変化している中、どのような問題意識を持って準備や対応方針、手段によりBCPの改定に臨むのか、区長のお考えをお伺いしたいと思います。
 次に、待機児童解消に向けた取り組みについて伺います。
 区長は記者発表において、昨年度発表した待機児童緊急対策として保育定員1000人拡大の目標に対し、本年4月には577名の定員拡大を完了。4月1日現在の区内全体の保育定員は7856名、総施設数は事業所内保育所1園を含め101園となり、待機児童数は昨年度の164人から75人減少し、2年ぶりに2桁となる89人と発表されました。その際、私立認可保育園の誘致や港区保育室の整備など民間等の力を活用して、さらなる定員の拡大を図り、待機児童解消に向けた対策を強化していくとの方針もあわせて発表されています。
 今定例会の補正予算において私立保育園3園を誘致する経費が計上されておりますが、この3園を新設することによる待機児童解消効果並びに来年4月に向けた待機児童予測について、区長の見解をお聞きします。また、待機児童解消に向けたさらなる取り組みについてもお伺いいたします。
 次に、住宅宿泊事業、民泊への取り組みについて伺います。
 あさって15日の住宅宿泊事業法、いわゆる民泊新法の施行を前に、一般住宅に旅行者を有料で泊める民泊のインターネット仲介最大手は、旅館業法や国家戦略特区の許認可、民泊新法に基づき発行される番号などがない施設の掲載をやめたことにより、日本全国で約1万3800件と、この春から比べて8割弱減ったと報道されました。違法営業のおそれがある施設が減り、民泊市場が適正化される一方、家主が情報を入力すれば予約を再開でき、今後、掲載件数は増減する可能性があるとのことです。港区も含め上乗せ規制を導入している自治体が相次いでおり、期待と警戒が入り交じる状況だと思います。
 一方、民泊という扱いとは別に、レンタルスペースという表現で本規制をすり抜けているケースも見受けられます。まだ事実確認による試行錯誤の段階だと思いますが、条例公布後の届出の状況及び区民の反応はどのようなものでしょうか。また、見えてきた課題やその課題解決に向けて、どのような体制で区民の生活環境を保全していくのか、区長のお考えをお伺いいたします。
 次に、働きやすい職場づくりに向けた取り組みについて伺います。
 まず、事業継続のあり方と事務事業評価についてです。現在開会中の国会においても、政府の最重要政策課題の1つとして、働き方改革関連法案が審議されていて、最近はこの言葉を聞かない日はないというくらい注目が高くなっています。いきなりどう働いて、どう生きていくか、そして、その生産性をどう高めていくかといったテーマをぶつけられても、今までの仕事のやり方や生活スタイルなど、働き方を見直し、多様な視点から改善していくこの改革には、しっかりとトップがリーダーシップをとってなし遂げていくのだという強い決意が必要だと思います。
 現在、区職員の残業時間は、昨年度において月間の残業が80時間を超えた方が延べ77名、うち100時間超えが延べ36名です。人口が増加している一方で、職員数は相対的に減少し、多様化する区民ニーズに応えていくには、業務の効率化はもとより、事業のアウトソーシング化も含めた事業継続のあり方を検討していく必要があると思います。事務事業評価により、事業のスクラップ・アンド・ビルドが行われているわけですが、そもそも事務事業評価を行う時間と労力はかなりのものになると思われます。人口増の環境下、東京2020大会や大小さまざまな都市整備計画へ対応していくビッグプロジェクトに向け、新たな事業が次々と計画されるここ港区において、既存の事業主体をうまく切りかえていきながら、事業を継続する枠組みの構築は必須であると思います。
 当然ながら、仕事は情熱と使命感を持って遂行しなければ、よい成果は得られません。ましてや新しい事業を生み出していくには、これらのモチベーションがないと前に進めることすらできないと思います。既存事業を回すための時間的制約が負担となり、新たな事業に熱を入れられなくなることがあってはなりません。このように、港区における働き方改革とは、事業継続のあり方を改革していくことと考えますが、区長のお考えをお伺いいたします。また、現在の事務事業評価をより効率的にしていくための課題認識についてもあわせてお伺いいたします。
 次に、みなとワークスタイル宣言についての質問です。全庁を挙げて働きやすい職場づくりを推進するみなとワークスタイル宣言は、昨年7月に、区長自ら働きやすい職場づくりに向けた区の取り組みを内外に示すため、全ての管理職を集めて宣言されました。内容は、1)職員一人ひとりが時間管理意識を持ち、超過勤務を縮減します。2)勤務時間終了後は、原則定時退庁し、遅くとも午後8時には全員退庁します。3)年次有給休暇16日以上を計画的に取得します、というものでした。宣言から約1年が経過しますが、ここまでの成果と今後の具体的な取り組みについて、区長のお考えをお伺いいたします。
 次に、交通環境の整備に向けた課題認識について伺います。
 都心部における交通環境の整備は、東京都全体において大変重要な課題だと言えます。特に港区においては、今後の10年間で人口30万人を超すことが予想されている中、子育て世代や後期高齢者の増加は、港区の交通環境施策に影響していくことは間違いありません。我が会派の池田こうじ議長も過去の代表質問に取り上げていますが、今後ますます増えていく高齢ドライバー事故への対応について、AIやIoT、ICTを活用して交通安全の取り組みを進めていくことが喫緊の課題であります。また、都心の交通インフラに関して、BRTの運行開始、東京メトロ日比谷線新駅やJR山手線新駅の開業、加えてリニア中央新幹線の品川駅・名古屋駅間の開通など、同時並行的にさまざまな開発が進行していることから、当然これに付随した新たな交通需要も発生してくるはずです。
 一方、区内交通不便地域の解消や水上タクシーなど舟運活性の検討、他区とも相互連携した自転車シェアリングの明確な位置づけ、外国人、観光客にもわかりやすい交通関連表示の構築など、短期・中期的に取り組むべき事項も目の前に山積しています。このように広域交通と地域交通が緊密に連携するモデルを創出することは、都心部の交通機能をさらに高め、港区の魅力や存在をより実感するための鍵になると思います。
 また、スペースがない港区において、交通拠点における福祉車両等の駐車スペースが十分にとれていないことも現状です。これら港区を取り巻く国や東京都の施策に起因する大胆な交通環境変化を、いかに地域住民、地域交通に結びつけ寄与していけるかが重要だと考えます。港区における交通環境の整備を進める中で、中・長期的な課題はどのようなものなのか、また、それらの課題はどのような施策で解決していくのか、区長の見解をお伺いいたします。
 次に、品川駅周辺のまちづくりについて伺います。
 JR東日本は、山手線・京浜東北線の田町駅・品川駅間に開業予定の品川新駅(仮称)の駅名を募集すると発表しました。募集期間は6月30日までで、決定した駅名は、ことしの冬頃に発表される予定です。駅名を公募するのは初めてで、2020年春には暫定開業します。山手線では1971年の西日暮里駅以来、実に40年ぶりの新駅誕生となります。港南2丁目に誕生する駅舎は、建築家の隈研吾さんが設計、日本の魅力を発信していくために折り紙をモチーフとした大屋根の配置や、障子をイメージした木や膜などの素材を活用した空間づくりで和を感じられる駅となり、完成後は東京の顔となることが期待されています。このほかにも品川駅周辺は、港南地域だけでなく、北品川駅から泉岳寺駅周辺に至る高輪地域一帯において、市街地再開発事業や土地区画整理事業、環状第4号線の延伸整備計画など、ダイナミックに動いているエリアであります。
 過去にも一般質問等で毎回お聞きしていますが、さまざまな計画や事業が同時多発的に進行している中、品川駅・田町駅周辺まちづくりガイドライン2014を策定した東京都をはじめ、JR東日本、JR東海、京浜急行電鉄株式会社などの多様な事業主体に対し、区はどのようなビジョンで各事業や計画を連携させていくのでしょうか。また、これらの動きを好機と捉え、区民生活の向上に寄与するための取り組みはどのようなものがあるのでしょうか、区長の見解をお聞きいたします。
 次に、MINATOシティハーフマラソン2018について伺います。
 まず、準備状況と今後の進め方についてです。港区初のマラソン大会となるMINATOシティハーフマラソン2018のコース案が決定し、本日から先着順でランナーの募集がスタートしました。12月2日の大会開催に向け、さまざまな準備が進んでいると思いますが、開催するための資金調達は一定のめどが立ったと聞いています。同様の取り組みである秩父宮みなとラグビーまつり2018は、きのうから今週日曜日にかけて開催中で、2回目の今回はつながりを広げることで、しっかりと地域にレガシーが残ることを目指し、メインイベントであるオーストラリアのスーパーラグビーチームとの国際交流試合では、NECグリーンロケッツ対ワラターズ、サントリーサンゴリアス対ブランビーズのダブルヘッターで、日本初の同時開催が実現しました。聖地・秩父宮ラグビー場周辺では、昨年を上回るラグビーフェスティバルを実施して、スポーツと地域・区民との接点を創出する場所に仕上げていくことが重要です。
 MINATOシティハーフマラソン2018の初開催に向けた準備状況と体制、現在の課題、そして、参画と協働の機会を盛り込んだ施策展開や今後の進め方について、区長のお考えをお伺いいたします。
 次に、企業・団体の活用についての質問です。平成30年度予算特別委員会においても、港区の特徴である大小さまざまな企業・団体の力を区政においてもっと活用すべきだと質問しました。今回のMINATOシティハーフマラソン2018においても、地域の発展のためには寄付してもよいと思ってくださる企業・団体がたくさんあると聞いております。
 4月1日付で企画経営部内に企業連携推進担当が新設されましたので、企画力と調整力を駆使して全庁横断の旗振りをされた結果だと思いますが、寄付という成果以外で何を生み出していくのでしょうか。そして、地域や区民とどうつなげていくのでしょうか。また、行政という公の立場において、公平性を担保するための課題認識について、区長のお考えをお伺いいたします。
 次に、子どもたちの参画方法についての質問です。今週日曜日に開催される秩父宮みなとラグビーまつり2018のメインイベントである国際交流地合では、1試合目と2試合目、試合前と試合後に多くの子どもたちが選手と触れ合える貴重な機会が創出されています。まず試合前は、みなとラグビースクールの小学生が選手と手をつないでグラウンドに入場するエスコートキッズセレモニーを、試合後には5歳から中学3年生の公募で選ばれた子どもたちが、自分たちで製作したブーケをグラウンドで直接渡す、「勝利のブーケ」を選手に届けるセレモニーを行う予定です。それぞれ4チーム、合計100名の選手たちが子どもたちと試合前後に触れ合います。また、1試合目終了後には、この夏、オーストラリアに留学する区内小学6年生と中学2年生の希望者約30名がシドニーを拠点とするワラターズの選手たちと英語で交流する時間を持つ予定です。
 このように、MINATOシティハーフマラソン2018においても、スポーツとかかわりがない子どもたちに何か役割を担ってもらい、その日限りの貴重な機会や経験の場を創出してもらいたいと考えますが、区長、教育長のお二人の見解をそれぞれお伺いいたします。
 次に、港区版ふるさと納税制度について伺います。
 今年度からスタートした港区版ふるさと納税制度には、ただいまのMINATOシティハーフマラソン2018のほかに、台場の水質改善と運河に架かる橋のライトアップの3事業が寄附充当事業としてノミネートされています。目標である1億円に向けて、開始後まだ2カ月足らずですが、港区版ふるさと納税制度をスタートした現在の手応えや実績、そして本制度に対する今後の施策展開について、区長の見解をお聞きいたします。
 次に、来年、平成31年に向けた準備対応について伺います。
 まず、国家的・国際的行事への取り組みについてです。平成31年、すなわち2019年はさまざまな国家的・国際的行事が開催される予定になっています。4月には新元号が発表され、我々港区議会も含めた統一地方選挙の実施。今上陛下が退位され、平成が終わります。5月には皇太子殿下が天皇に即位されるとともに新しい元号の年が始まり、6月には主要20カ国・地域首脳会議(G20)が大阪市で開催され、7月には参議院議員選挙、9月にはアジアで初となるラグビーワールドカップ2019日本大会が1カ月半にわたり開幕、10月には消費税が10%にアップし、新天皇陛下の即位の礼が行われる予定です。このような国家的・国際的行事が来年の1年間に集中して、しかも立て続けに行われることは、過去を振り返っても類を見ないと思います。
 特に港区においては、80を超す各国大使館が所在することや、昼間人口が100万人という大企業が密集する地域であることから、他の基礎自治体に比べ、国際的な行事における各国元首クラスの来日に伴う宿泊や移動等による交通規制、元号の改元及び消費税アップによる各種制作物の変更に伴う物流増加の問題により、一般区民や地域経済へ及ぼす影響が顕著だと考えます。また、国際的なテロの脅威に対する備えも準備していかなくてはなりません。
 このように、区が主体にならない国家的行事ではあるものの、さまざまな分野で区民や地域に影響や混乱を及ぼすことが想定されます。国家的・国際的行事に対するタスクの整理とリスクの調査を前広に、そして十分に行う必要があると考えますが、区長の見解をお伺いいたします。
 次に、ラグビーワールドカップ2019日本大会と東京2020大会の取り組みについての質問です。来年、港区内においては、東京2020大会のテストイベントがお台場海浜公園のトライアスロン競技会場で開催される予定です。また、ラグビーワールドカップ2019日本大会では、公認チームキャンプ地として、日本代表を含む主要6カ国が港区内に滞在することが内定しました。そして、神宮外苑に東京2020大会のメーンスタジアムとなる新国立競技場も完成し、いよいよ2020年に向けた準備が整っていきます。
 港区は、イギリスオリンピック委員会と覚書を締結。東京2020オリンピック競技大会出場選手のトレーニングや身体のケア等の試合までの準備、また、家族と触れ合うことができるスポーツ・サービス・センターとして、港区立の小中一貫校であるお台場学園を提供することが決定しています。また、2024年オリンピック・パラリンピック競技大会の開催都市がパリ市に決定したことを受け、パリ市がトライアスロン競技等のスイム競技をセーヌ川で実施することを目指していることにより、パリ市とも連携協定を締結しました。もちろん、公益財団法人日本ラグビーフットボール協会と港区の連携協定は、来年のラグビーワールドカップ2019日本大会に向けて、さらに強化されています。これらの連携協定を生かし、2019年と2020年の2大会において、企画や方策をしっかりと準備して調整すれば、地域や区民とスポーツをつなげることが可能になり、一生に一度の機会や体験の場が創出され、それがレガシーとして地域と区民の中に残っていきます。
 一方、この貴重な機会の橋渡しは企業や団体ではできません。開催自治体が付与されている特権です。区がやらなければ、誰もやれない仕事なのです。ラグビーワールドカップ2019日本大会では、日本代表を含む主要6カ国が港区内に滞在します。この機会を地域と区民のために最大限活用していくには、東京2020大会と連動した体制が必要です。東京2020大会においては、港区「東京2020オリンピック・パラリンピック」推進委員会が設置されていますが、ラグビーワールドカップ2019日本大会にはありません。東京都においても、ラグビーワールドカップ2019日本大会と東京2020大会を同一組織で準備・対応していることから、港区においても連携協定の窓口である教育委員会だけでなく、全庁横断的かつ全区的な対応ができる体制を整備するべきだと考えますが、区長の見解をお伺いいたします。
 また、2大会に向けた準備状況と体制、現在の課題、そして参画と協働の機会を盛り込んだ施策展開や今後の進め方について、区長、教育長のお二人の見解をそれぞれお伺いいたします。
 次に、運動部活動の方向性について伺います。
 本年3月、自由民主党スポーツ立国調査会は、運動部活動の抜本改革に関する緊急提言を林芳正文部科学大臣に提出しました。東京2020大会を見据えて、主に中学校の運動部活動を地域スポーツと一体化させるのが柱となっています。少子化で学校単位での活動が難しくなっている現状を踏まえ、教員の長時間勤務の一因ともされる部活動の負担軽減を図ることが目的です。具体的には、部活動と地域の民間スポーツクラブやスポーツ団体などの活動を一体化させることや、公益財団法人日本中学校体育連盟が主催する全国中学校体育大会に地域スポーツクラブも出場できるよう参加資格を見直すこと、部活動に熱心な教員には引き続き指導してもらいつつ、地域スポーツの指導者も積極的に活用する。指導者の質を確保するために国家資格の創設を検討するほか、体育館やグラウンドなどの公立学校施設を市町村長が管理し地域スポーツの拠点にすること、指導者の費用を地方自治体が負担して国が支援するなどが挙げられています。
 このような制度設計は、全国的な小・中学校を対象にしていますので、都心港区の現状と違いがあるかもしれませんが、本提案に対する教育長の見解をお聞きします。また、港区における部活動の方向性についてもあわせてお伺いいたします。
 最後に、児童・生徒数増加への対応について伺います。
 私は過去に、一般質問や予算・決算特別委員会において、港区内の児童・生徒増加への対応についてお聞きしてきました。特に芝浦港南地区においては、再開発による児童・生徒数の増加が顕著で、その動向を注視した推計を行いながら教室等不足が生じないように適切に対応していきますとの答弁をいただいていますが、港区内においては、東町小学校のように狭い立地の学校も存在しています。その東町小学校は児童数増加により、校庭にプレハブ校舎を建てて授業を行っています。狭小立地のため、もともと校庭が小さいのに、さらに校庭が狭くなっているという、何とも切実な問題です。そしてプレハブ校舎は衛生管理上、本校舎と建物が隣接していないことから給食を運べず、一般教室としての使用ができない状況です。
 「子育てするなら港区」、「教育の港区」を掲げる以上、これらの問題に対する対応策は、地区ごとに違ってくると思います。港区内においては、それぞれの地区における区立幼稚園、小学校、中学校の将来の動向を踏まえて、児童・生徒数増加への対応方針はどのようになっているのでしょうか。また、その方針による施策展開はどのように決定し、実行されていくのでしょうか。教育長の見解をお伺いいたします。
 質問は以上になりますが、最後に皆様と共有したい思いがあります。
 私は現在、来年のラグビーワールドカップ2019日本大会を秩父宮ラグビー場がある港区から成功させるべく、また、港区におけるラグビーを通じてのスポーツ振興、青少年の育成に力を注いでおります。昨今、ある大学の試合でアメリカンフットボールに関する事件が世間の注目を集めました。同じ楕円のボールに情熱をかける一人として、一連の騒動には心を痛めております。私も大学スポーツにおいて、ラグビーで日本一を目指す集団の指導者としてかかわらせていただいた経験を踏まえ、騒動の中で強い違和感を覚えたのは、暗にラフプレーを命じたとされる指導者の歯切れの悪い会見と弁明でした。プレーの当事者である20歳前後の選手は自らの非を認め、たった一人で報道陣の前に立ちました。逃げることなく真摯に批判を1身に受けとめました。その姿は、大学側のそれとは雲泥の差でありました。ともすれば「誰が悪い」、「おまえが悪い」、そうした矛先に私たちは目を奪われがちになります。
 そうした中、タックルを仕掛けられた選手が所属する大学の言葉は実に見事でありました。問題となった試合の後日、動揺する選手たちを前に、同大学の監督はこう宣言したそうです。「この件は大人が対応するから」。この件は大人が対応する。一連の騒動で誰が悪いか、どこがいけないのか。マスメディアは今も悪いことばかりを追いかけ続けています。けれども、それは本質ではありません。ならばどうすればいいのか。そして何が正しいのか。そうした視点が必要です。アメリカンフットボールに限らず、全ての社会問題、ひいては私たちが目指すまちづくりにも同じことが言えるのではないでしょうか。そう感じております。
 今回の件だけではありません。東京都はどうでしょう。そして、国会はどうでしょう。このありさまは、私がここで申し上げるまでもないでしょう。大人が対応するとはどういうことか。私は、「子どもたちに対して恥ずかしくないかどうか」、この一点に尽きると思います。自分たちがしている行いを子どもたちが見たら、果たしてどう感じるだろうか。そうした感覚が働いたならば、おのずととるべき行動は定まってくるでしょう。少なくとも私たち港区議会は、そして港区は、一丸になってスクラムを組んで、「この件は大人が対応する」。そのような区政を目指したいし、また目指さなければならないと思います。
 冒頭で触れました、児童虐待死の問題も同様です。子どもが命を脅かされることなく、安心して暮らせることは、港区においても重要な政治課題であります。行政、あるいは区議会、さらには港区に住まう私たち大人は何をなすべきか。そしてなさねばならぬのか。子どもたちの将来と未来のための政治をする。そうした決意をこの場にいらっしゃる皆様と改めて確認したいと思います。
 なぜ、これらの話題を取り上げたのか。それには理由があります。このたびの質問に先立ち、私は、現在の私を形づくる4つの師について触れました。実はこれらの問題を教えてくれたのは、駅頭で私に声をかけてくださる方々でした。私たちにとって本当に必要なことは現場にある、街角にある。最後に気づきを与え、支えるのは人であります。そして、責任を持って決断をするのも、また人であります。私はそう確信しております。
 港区はどこから来て、現在はどこにあるのか。そしてどこへ向かうのか。子どもたちに対して恥ずかしくない港区を残していくために、港区をひたすら前へと進めていくために、「One for all, ALL for one」の精神を持って、これからも努力し、精進することをお誓い申し上げ、私の質問を終えさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。

【区長答弁内容】

◯区長(武井雅昭君) ただいまの自民党議員団を代表しての黒崎ゆういち議員のご質問に順次お答えいたします。
 最初に、財政運営についてのお尋ねです。
 まず、震災復興基金の積み立てに伴う行政サービスへの影響についてです。区は、発生が見込まれる首都直下地震の発生後、早期の区民生活の再建と地域の実情に即した区民主体の復旧・復興を区主導で迅速に進めるために、災害復興基金を積み立てております。
 本年度から3年間の港区後期基本計画においては、震災復興基金の積み立てを着実に実施するとともに、区民サービスに影響を及ぼすことがないよう、人口増加に伴う喫緊の課題等にも対応した財政計画といたしました。今後も、特別区民税の収納率向上などの歳入の確保や、人件費など経常的経費の節減に努め、簡素で効率的な区政運営を行ってまいります。
 次に、予算編成の可視化についてのお尋ねです。区は、予算編成過程を区民に広く情報提供し、説明責任を果たすことで、区民の区政に対する理解をより深めるため、平成31年度予算から編成過程の公開に向けた準備を進めております。公開する内容は、現時点では、各部局の予算要求から予算案決定までの過程とし、まず本年8月には、予算編成の流れや予算編成方針をホームページ等で公開するなど、よりわかりやすく丁寧に説明するよう工夫してまいります。
 次に、港区公共施設マネジメント計画に基づく施策展開についてのお尋ねです。
 区は、港区公共施設マネジメント計画に基づき、今年度中に全ての公共施設の計画的な保全を示す、個別実行計画を作成いたします。その上で、行政需要予測や後年度の負担を見据え、将来の用途変更が容易にできる施設計画等を目指し、効率的、効果的な施設の活用を展開いたします。さらに、施設の使い方等のソフト面への対応は、各施設の改修計画時に合わせて、社会動向や区民要望を的確に反映することができる検討体制を構築し、実施してまいります。
 次に、港区業務継続計画(震災編)の見直しについてのお尋ねです。
 区は、災害対策関連の法改正や熊本地震の教訓とともに、人口増や高層住宅の増加等の環境変化を踏まえ、港区地域防災計画(平成28年修正)を作成いたしました。港区業務継続計画は、この港区地域防災計画との整合を図りながら、改定を行います。具体的には、避難行動要支援者の支援、円滑な物資輸送、避難所の機能強化など、応急対策の充実を図った点を踏まえるとともに、災害時も停止や休止することができない区の通常業務を改めて精査の上で、これを最短の時間で実施するための人的・物的資源を算定し、事前準備や対応方針・手段を定めます。さらに、他自治体等の支援の受け入れ体制を整備し、より実効性の高い計画としてまいります。
 次に、待機児童解消に向けた取り組みについてのお尋ねです。
 まず、3園新設の効果と待機児童の予測についてです。東麻布1丁目、白金台2丁目、高輪2丁目に開設する私立認可保育園3園では、ゼロ歳から3歳児まで108人の定員を確保することから、ゼロ歳から2歳児までが大半を占めている待機児童の解消に大きく寄与するものと考えております。こうした取り組みにより、平成31年4月の保育定員を本年4月と比較して562人拡大し、今後も人口増加に伴う保育需要の増加が見込まれることから、引き続き保育定員の積極的な拡大に努めてまいります。
 次に、待機児童解消に向けたさらなる取り組みついてのお尋ねです。区は、民間の土地・建物と保育運営事業者をつなぐマッチング事業に加え、全ての設計・開発事業者に保育園の設置をお願いしております。また、現在計画している562人の保育定員拡大に加え、区立青山保育園の改築や、(仮称)港区元麻布保育園の新設、都有地を活用した私立認可保育園4園の誘致など、計画的な施設整備も進めております。さらに、開園後間もない保育園の空きクラスを、待機児童の多い1歳児の受け皿として活用するなど、待機児童解消の取り組みを緩めることなく、全力で推し進めてまいります。
 次に、住宅宿泊事業への取り組みについてのお尋ねです。
 住宅宿泊事業の届出は、平成30年6月12日現在、55件で、うち書類が整い受理した件数は20件です。また、区民からは騒音など住宅宿泊事業による生活環境への影響や、無届民泊への懸念の声が寄せられております。区は、住宅宿泊事業の適正な運営の確保と地域活性化への活用等の課題に対応するため、全庁を挙げた住宅宿泊事業検討委員会を設置するとともに、区と消防署、警察署、税務署による関係機関連絡会を開催し、連携の強化を図っております。今後とも、「住宅宿泊事業が受け入れられ共存共栄できるまち」の実現を目指し取り組んでまいります。
 次に、働きやすい職場づくりに向けた取り組みについてのお尋ねです。
 まず、事業継続のあり方と事務事業評価についてです。区は、これまで事務事業評価により、事業のスクラップ・アンド・ビルドを図るとともに、継続する事業についても、アウトソーシングなど効率的な行政サービスを進めてまいりました。現行の事務事業評価は、職員の負担感等が課題となっており、より効果的・効率的な評価となるよう、対象事業や評価項目などの見直しの検討を進めております。こうした取り組みにより、新たな行政需要に対しても、区職員が積極的に取り組める職場環境を整えることで、働きやすい職場づくりを推進してまいります。
 次に、みなとワークスタイル宣言についてのお尋ねです。区は、みなとワークスタイル宣言に基づき、超過勤務時間の平成28年度比30%の縮減、年次有給休暇取得16日以上などの目標を掲げております。この目標を達成するため、平成29年度は、意思決定過程の迅速化、時差出勤制度の拡充などの取り組みを進めました。その結果、増加していた超過勤務時間は11%縮減し、年次有給休暇は14.4日から15.9日に取得が増えるなど、働きやすい職場づくりに向けた改革が進んでおります。平成30年度も引き続き目標達成に向け、事務処理の集約化、AI等の導入、全庁一斉消灯など、働き方改革を進めてまいります。
 次に、交通環境の整備に向けた課題認識についてのお尋ねです。
 区は、大規模開発や新駅等に伴う新たな交通需要、交通不便地域の解消、移動の円滑化など交通に係る中・長期的課題を解決するため、港区総合交通戦略を策定し、具体的な施策を示しております。今後、ターミナル駅などにおいて乗り換えや乗り継ぎの利便性を高める駅前広場や自由通路の整備、コミュニティバスなどの地域交通の運行改善や新規交通手段の導入の検討など、交通事業とまちづくりが連携した総合的で戦略的な交通施策を着実に実施し、安全、安心、快適に移動できるまちづくりに取り組んでまいります。
 次に、品川駅周辺のまちづくりについてのお尋ねです。
 港区まちづくりマスタープランでは、品川駅周辺について、景観や環境に配慮した建築物や都市基盤の整備を誘導し、東京の南の玄関口にふさわしい国際的なまちづくりを推進することとしております。区は、JR新駅の整備や京急本線の連続立体交差化計画、品川駅西口駅前広場の整備など、複数の事業を総合的に調整し、東西の連絡性を強化する駅前広場や自由通路などの確実な整備に向け、事業間の連携を図っております。東西の連絡性と回遊性の向上に合わせ、にぎわいのある街並みや、環境面においては、風の道の確保、緑のつながりなどを実現することにより、区民生活が向上するよう取り組んでまいります。
 次に、MINATOシティハーフマラソン2018についてのお尋ねです。
 まず、準備状況と今後の進め方についてです。区は、昨年12月に港区マラソン実行委員会を設立し、警察などの関係機関と協議を重ね、コース案を含む大会要項をまとめ、本日からランナーの募集を開始しております。また、大会を支えてくださる協賛企業も予想を上回る賛同をいただいており、コース沿道の区民や店舗への説明も含め、大会に向けた準備は着実に進んでおります。今後は、大会ボランティアの募集や医療救護所などの安全対策、魅力あふれるコース沿道のイベントの検討など、大会の成功に向けた準備に万全を期してまいります。
 次に、企業・団体との連携についてのお尋ねです。現在、マラソンの開催の趣旨にご賛同いただいている企業が100社を超えております。製造業や建設業、サービス業など、多彩な企業にご賛同いただくとともに、これまで区とおつき合いのなかった企業からもご協賛いただき、多様な分野の企業と区の新たな連携が期待できます。なお、企業との連携にあたりましては、特定の企業の利益誘導につながることがないよう、公平かつ公正に対応してまいります。
 次に、子どもたちの参画方法についてのお尋ねです。MINATOシティハーフマラソンを2018子どもたちの貴重な体験の機会とするため、教育委員会と連携し、区立中学生に対し、給水所でのランナーへの給水や応援など、大学生や高校生とともに大会を支えるボランティアとしての参画を働きかけていく予定です。
 また、スポーツへの関心の有無にかかわらず、全ての子どもが楽しみながら走ることができる種目として、約1.5キロメートルのファンランを設定し、参加を呼びかけております。区立小学校の児童をはじめとした子どもたちによる沿道イベントへのかかわり方など、より多くの子どもたちが大会に参画できる方法について、さらなる検討を進めてまいります。
 次に、港区版ふるさと納税制度についてのお尋ねです。
 制度開始の初日である4月2日から寄付が寄せられております。昨日までですが、12人の方から、27万5000円が納付されております。また、6月7日に約6万2000人に発送いたしました特別区民税・都民税納税通知書に、港区版ふるさと納税制度を周知するチラシを同封いたしましたが、その翌日から多数の問い合わせをいただいております。こうしたことから、制度に対する区民の関心は高いものと思われます。今後、区の取り組みをより一層応援していただけるよう、納入手続の利便性を向上するなど、制度の充実に取り組んでまいります。
 次に、来年に向けた準備対応についてのお尋ねです。
 まず、国家的・国際的行事への取り組みについてです。来年5月の新元号への対応、ラグビーワールドカップ2019日本大会や東京2020大会の開催など、区民生活に大きな影響を及ぼす国家的・国際的行事については、これまでも課題を迅速かつ的確に抽出し、元号を切りかえるための各業務システムの改修経費を平成30年度予算に計上するなど、各部門が課題を共有し、解決に向け取り組んできました。区は、今後も、常に国や東京都の動向を注視し、早い段階での課題の把握に努め、関係機関と連携し、区民生活に混乱が生じないよう対策を円滑に進めてまいります。
 次に、ラグビーワールドカップ2019日本大会に向けた庁内の推進体制についてのお尋ねです。ラグビーワールドカップ2019日本大会に向けて、今月17日日曜日に、秩父宮ラグビー場で開催する秩父宮みなとラグビーまつり2018では、区と教育委員会が共催として実行委員会に参画しており、全庁を挙げてイベント成功に向けた取り組みを支援しております。今後も、東京2020大会同様、ラグビーワールドカップ2019日本大会の開催を好機と捉え、全庁が一丸となって区の施策を一層推進するとともに、気運醸成やレガシーの創出に取り組んでまいります。
 最後に、ラグビーワールドカップ2019日本大会及び東京2020大会に向けた準備状況等についてのお尋ねです。区は、両大会の開催に向け、町会・自治会や商店街などが行う取り組みを支援する港区「東京2020応援プログラム」推進事業、地域と企業が連携して開催する秩父宮みなとラグビーまつり2018など、区民とともに全庁を挙げて大会の気運醸成に取り組んでいます。今後は、区民が両大会に参画し、協働できる機会を確保するため、区が育成するボランティアの活用を東京都や組織委員会に働きかけるなど、大会のレガシーとして区民のボランティア意欲の向上を実現してまいります。
 よろしくご理解のほどお願いいたします。
 教育にかかわる問題については、教育長から答弁いたします。

【教育長答弁内容】

◯教育長(青木康平君) ただいまの自民党議員団を代表しての黒崎ゆういち議員のご質問に順次お答えいたします。
 最初に、MINATOシティハーフマラソン2018への子どもたちの参画についてのお尋ねです。
 区立学校では、これまでもオリンピック・パラリンピック教育の一環として、社会貢献活動やボランティアなどを実施しております。例えば、お台場学園ではトライアスロン競技の会場となる海辺のクリーンアップに取り組むなど、ボランティアマインドの醸成を図っております。MINATOシティハーフマラソン2018においては、区立中学校の生徒が大学生や高校生とともにボランティアとして参加し、給水や通訳など、大会を支える大切な役割を担ってもらえるよう、現在、各中学校に働きかけを行っております。こうした経験や機会を通じ、子どもたちに社会に貢献するという意欲や他者を思いやる心を醸成するとともに、スポーツにかかわりがない多くの子どもたちにも、スポーツのすばらしさを体感してもらい、スポーツへの興味・関心を高めてまいります。
 次に、ラグビーワールドカップ2019日本大会と東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会への取り組みについてのお尋ねです。
 ラグビーワールドカップ2019日本大会につきましては、教育委員会として、公認キャンプ地に内定したことを契機に、区長部局とともに大会の組織委員会と連携し、ラグビーの普及啓発に向けた取り組みを進めております。今後、区有施設を提供するため、組織委員会と具体的な協議を行い、国内外のトップアスリートを迎い入れ、本大会がレガシーとして区民の心の中に残るすばらしい大会になるよう、準備を進めてまいります。
 さらに、ラグビーを軸とする国際文化交流及び地域活性化イベントとして開催される秩父宮みなとラグビーまつりについては、実行委員会の一員として、昨年以上にスタジアムと地域が一体となり、ラグビーの普及啓発や気運醸成につながるイベントとなるよう、主体的に取り組んでまいります。
 また、東京2020大会につきましては、イギリスオリンピック委員会と、お台場学園をスポーツ・サービス・センターとして提供する覚書を昨年締結し、本年10月を目途に、施設提供に関する協力内容を盛り込んだ契約を取り交わす予定です。これにあわせ、教育委員会として地域をはじめ関係機関と連携し、大会期間中の代表選手との交流や、イギリスの文化・歴史に触れる学習の場など、多くの区民が参加できる機会を創出してまいります。
 教育委員会としては、ことし12月2日に開催するMINATOシティハーフマラソン2018でボランティアとして大会を支える子どもたちをはじめ、区民の誰もが、ラグビーワールドカップ2019日本大会及び東京2020大会に「する」「みる」「支える」といったさまざまな形でかかわり、生涯にわたってスポーツに親しむことで、区民の健康や生きがいづくり、そして活力あるまちづくりにつながるよう取り組んでまいります。
 次に、運動部活動の方向性についてのお尋ねです。
 まず、運動部活動の抜本改革に関する緊急提言についてです。港区では、生徒数が増加傾向にあり、提言とは異なる状況にあるものの、顧問教諭の異動や部員数の確保ができず、運動部の存続が困難なケースがあります。本提言は、学校体育の授業の充実はもとより、地域との連携・協働という視点を踏まえ、部活動を将来的にも持続可能にするものと捉えております。教育委員会では、提言等を参考にしながら、今年度、スポーツ科学を専門とする学識経験者、学校関係者、スポーツ推進委員等を中心に、部活動あり方検討会を設置し、多様な部活動の在り方について検討してまいります。
 次に、港区における部活動の方向性についてのお尋ねです。部活動は、生徒の心身の成長や豊かな学校生活の実現に大きな役割を果たすなど、教育的意義の高い活動です。教育委員会では、今年度から、教員の負担軽減を図り、技術指導や生徒を引率するため、全中学校に地域人材を活用した部活動指導員を配置しております。今後、国及び東京都の部活動のあり方に関する方針を踏まえ、港区の子どもたちにとって望ましいスポーツ環境の整備や地域との連携等、区の実態に即した部活動の在り方を検討し、区独自のガイドラインを策定してまいります。
 次に、児童・生徒数増加への対応についてのお尋ねです。
 まず、児童・生徒数増加への対応方針についてです。教育委員会では、これまで各小・中学校周辺の開発動向等を踏まえた児童・生徒数、学級数の独自の将来予測を行い、その結果に基づき、学校の増改築や特別教室の普通教室への改修を港区基本計画に計上し、計画的に実施しております。今後も、品川駅周辺など、特に開発が活発化している学区域の開発状況を常に分析し、継続的な児童・生徒数等の増加が見込まれる学区域については、これまでの施設整備計画の見直しを含め、施設需要への対応を迅速かつ柔軟に進めてまいります。
 最後に、対応方針の展開等についてのお尋ねです。教育委員会では、児童・生徒数増加への対応として、これまでも赤羽小学校近接の国・公有地の取得や、(仮称)芝浦第二小学校のみなとパーク芝浦用地の活用など、用地確保や必要な財政措置などについて、区長部局とともに取り組んでまいりました。今後も、全庁的視点に立って、区長部局とさらなる連携を図りながら、児童・生徒数増加による施設需要に着実に対応し、安全・安心で魅力ある、よりよい教育環境の実現に努めてまいります。
 よろしくご理解のほどお願いいたします。
▼上記質問の動画は「港区議会インターネット録画配信システム」で下記URLでご覧いただけます↓
http://minato.gijiroku.com/

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