○委員(黒崎ゆういち君) よろしくお願いします。
最初に、国立大学法人東京海洋大学品川キャンパス土地有効活用プランに関する区の考え方についてお伺いいたします。
国立大学法人東京海洋大学は、この8月に港区港南の品川キャンパス土地の有効活用プランにかかるアドバイザリー業務の公募を行い、現在審査中であります。今回の公募は、同キャンパスの大学施設整備を円滑に進めるためのアドバイザリー契約を委託するもので、仕様書には土地等の貸し付けにかかる文部科学大臣への認可申請、土地の定期借地権契約、学生寮整備事業マスタープラン作成等の支援業務が明記されています。
一方、港区では特に芝浦港南地区において教育児童施設や子育て支援施設等が需要や人口に対し圧倒的に足りない状況にあります。今回、東京海洋大学が土地の有効活用プランにかかわる公募に踏み切った背景や経緯は別として、港区が現在抱える地域課題や用地が不足してできなかった施策を一気に推進できる可能性を多大に含んだ機会になることは間違いないと考えます。当然、現在は公募審査中ですので、事業者が決定してから協議が開始されることになると思いますが、区は今回の機会をどのように捉え、どのような方針と体制でキャンパスが所在する地元の基礎自治体として今回の土地有効活用プランに参画をしていくおつもりなのか、お伺いをいたします。
○企画課長・オリンピック・パラリンピック推進担当課長兼務(野上宏君) 東京海洋大学の品川キャンパスは、広大な土地を有しており貴重な地域資源と考えております。区といたしましても、今回の同大学が公募した土地の有効活用プランにつきましては、地域課題の解決に向けた絶好の機会であり、注目すべき情報と捉えております。
本件に関する方針や検討体制については、事業者が決定し詳細が明らかになり次第、全庁体制で地域の課題解決に向けた協力を要請することとなると考えております。
○委員(黒崎ゆういち君) 今お話しいただいたとおり、今回の機会は港区にとって絶好のチャンスです。またとないまちづくりが実現する機会になると思いますので、ぜひとも夢のあるビジョンを盛り込んでいただきたいと思います。まだ何も決まってない段階ですのでお聞きするのも大変恐縮ですが、同プランへの参画が可能になった場合、区はどのような施設を整備していくおつもりなのか、現段階での構想があればお聞かせください。
○企画課長・オリンピック・パラリンピック推進担当課長兼務(野上宏君) 黒崎委員がご指摘されました教育、子育ての分野のほか、防災、地域コミュニティなど将来の行政需要を見通した施設整備を求めていくことが考えられると思います。今後東京海洋大学との協議の進捗状況を踏まえながら、庁内における検討を推進してまいります。
○委員(黒崎ゆういち君) 公有地でありますので、国の土地という中で、ここにいる委員の皆さんも含めて一緒になってぜひその土地の活用に向けて区が参画できるような体制をつくっていっていただきたいと思います。
ちなみに、品川キャンパスは14万3,770平米が敷地としてあるそうです。今回のプランの募集対象区域は9,000平米ということで、これをどう広げていくかということも大きな課題になると思いますので、よろしくお願いします。
次に、MINATOシティハーフマラソン2018について伺います。
ラグビーワールドカップ2019日本大会の開幕戦、日本代表対ロシア代表選は来年の9月20日ですので、ちょうどきょうが1年前になります。そして、12月2日のMINATOシティハーフマラソン2018の開催当日まであと73日となりました。ランナー募集でミスが発生したものの、公式テーマソングや大会ロゴマークが決定し、本番に向けた準備が着々と進んでいると思います。先ほどの審議の中でも、港区版ふるさと納税においても115万円寄付が集まったと聞いていますが、現在の収支計画の状況についてお聞きいたします。また、当初計画と比べてどう推移してきたのかも含めて、お話しをお聞かせ願います。
○企画課長・オリンピック・パラリンピック推進担当課長兼務(野上宏君) 今月9月3日に開会されました港区マラソン実行委員会総会におきまして、平成30年度の補正予算案が了承されております。当初予算は1億8,475万円としておりましたが、補正予算では5,417万5,000円を増額し、2億3,892万5,000円としたところでございます。収入の増加要因といたしましては、協賛金の大幅な増、そして支出の増加要因といたしましては主に交通安全対策に要する経費、また、コース沿道の住民の合意形成に要する経費、それらに伴う増でございます。
○委員(黒崎ゆういち君) 実質いろいろなプランを今回どんどん詰め込んでいくとどうしてもそのようになると思いますが、収支のバランスもしっかり見きわめながら、労を惜しまずいいものにぜひしていただきたいと思います。
開催当日のイベント及び前日までの関連イベント等が決定していればお聞かせください。あわせて港区マラソン実行委員会の池田朝彦実行委員長からぜひチャリティーの要素を取り入れてほしいという話を聞いておりますが、この施策についてもご披露いただきたいと思います。
○企画課長・オリンピック・パラリンピック推進担当課長兼務(野上宏君) まず、大会前日までの関連イベントといたしましては、区民まつりにおいて沿道の応援に使用する旗をつくるワークショップ、これの開催を予定しております。大会当日のイベントといたしましては、メイン会場となる区立芝公園にステージを設置し、ビッグバンドジャズの演奏などステージイベントを開催、またJ:COMチャンネル港・新宿での生中継など、多彩なイベントで会場の内外を盛り上げていく予定です。また、港区マラソン実行委員会では本大会をチャリティーマラソンに位置づけておりまして、大会当日ランナーや観戦者、出展企業など多くの方々に募金を呼びかけていく方向で検討を進めております。寄せられた募金の提供先につきましても、港区マラソン実行委員会事務局におきまして慎重に検討を進めております。
○委員(黒崎ゆういち君) ボランティアの募集も始まっていると思いますので、そこら辺を含めて全区民が一体となるようなイベントになるようによろしくお願いいたします。
次に、マラソンランナーのマナーについて伺います。平成28年度決算特別委員会でも同様の質問をいたしました。マラソンランナーのマナーについて改めてお伺いします。先ほどのMINATOシティハーフマラソン2018に向けてますますランニングやウォーキングをする方が増えてくると思います。一方、歩道はマラソンランナー専用のものではなく、当然のことながら一般の歩行者はもとより高齢の方や障害を持つ方が通行する公共の場所です。ランナーが我が物顔で集団走行し、公共の歩道という意識がない行為が1年前からたびたび発生をしていると聞いています。これは、スポーツ精神に反する完全なマナー違反だと思います。
このような事案に対して、平成28年度決算特別委員会で危機管理・生活安全担当課長から歩道という限られた空間で歩行者の通行を妨害するような方法で走行することは歩行者や自転車との接触事故やトラブル等に発展するおそれもあることから、マラソンやジョギング等を楽しむ方には他の通行人への配慮が求められる。区としては、歩行者やランナーを含め、歩道を利用する誰もが快適に安心して通行できるよう、生活安全の観点からランナーが多い場所での青色防犯パトロール車両による広報啓発や巡回に加え、みんなと安心安全メールでの注意喚起など、マナー順守のために啓発活動に取り組んでいきますと答弁をいただきましたが、その効果は増えていくマラソンランナーの需要に対して十分ではないというのが現状だと思います。
改めてお聞きしますが、誰もが快適で安心して通行できる安全な歩道の確保に向けた施策や展開について、前回同様今回も神宮外苑エリアで発生していますので、赤坂地区総合支所協働推進課の見解をお聞きしたいと思います。
○赤坂地区総合支所協働推進課長(山田吉和君) 神宮外苑周辺は都道も多いことから、赤坂地区では東京都第一建設事務所など道路管理者へ安全対策を申し入れるとともに、ランナーの多く通る場所では青色防犯パトロールにより歩道に広がって走ることのないよう注意喚起のアナウンスや、青色防犯パトロールの指導員によるランナーへの直接の注意を実施しております。その結果、以前と比べまして、区民からの苦情の件数は減少しているものの、歩行者のすぐ脇を急に追い越したり並走により歩行者が危険を感じたりなど、スポーツ精神に反するマナーを守らないランナーがまだいるということは事実でございます。歩道を走行するランナーにマナーを順守してもらうためには、ランナー一人ひとりに行きわたるように広く周知することと、その啓発の効果を上げることが必要だと考えております。引き続き道路管理者と連携するとともに、青色防犯パトロールでの注意喚起を行うほか、区のホームページへ掲載することやランニング準備中のランナーに直接啓発のチラシを配布するなど、歩道を利用する誰もが快適で安心して通行できるよう、啓発活動の強化に努めてまいります。
○委員(黒崎ゆういち君) 丁寧な答弁ありがとうございます。
神宮外苑がスポーツの聖地として非常に認識をされているということのあらわれだと思うのですが、一方でそこに従来から生活している方がいらっしゃり、その方々を守れるのは基礎自治体、区しかないと思いますので、よろしくお願いいたします。
発災時の物資輸送及び供給体制について伺います。
平成28年に修正された港区地域防災計画において食品、日用品、応急資機材の備蓄整備として、区では食料、飲料水、生活必需品等の災害時に生活を維持するために欠かせない物資について、区民の自助として3日分を備蓄することを決めています。区が備蓄する食料、飲料水とは具体的には乾パン、ビスケット、アルファ化米、調製粉乳、飲料水で、これらは食品ですので当然消費期限があります。今年度これらの備蓄物資の棚卸しを民間事業者に委託する形で全57カ所のうち備蓄倉庫のある55カ所で実施していると思いますが、そこによって見えてきた課題や方向性があればお聞きします。また、これらの備蓄物資は消費期限前に避難訓練等で配布・使用していますが、区の備蓄物資の有効活用策があればお聞かせください。
○防災課長(白井隆司君) 防災備蓄倉庫の棚卸しについては、8月から実施をしておりますが、これまでに備蓄倉庫ごとの物資の品目や数量に偏りがあるなどの課題が見受けられました。今後解消に努めてまいります。
備蓄食料や飲料水については、消費期限に応じて複数年に分けて購入し、消費期限が近づいたものから順次入れかえ、有効活用に努めることでできる限り食品ロスを削減しています。具体的には、各地区の総合防災訓練のほか、スポーツイベントや児童館まつりなどの各種行事で活用しています。また、飲料水については、区が開催する多くの会議においても活用しております。今後も消費期限が迫った備蓄食料のさらなる有効活用を図り、むだのない効率的な備蓄に努めてまいります。
○委員(黒崎ゆういち君) ありがとうございます。
一方、港区において災害が発生した場合、全国からさまざまな支援物資が届くことになろうかと思います。これらのありがたい支援物資は港区の地域内輸送拠点であるみなとパーク芝浦に一括して集積され仕分けを行い、各避難所へ輸送することになっています。荷さばき等の作業は、民間事業者と協定を締結して対応するとのことですが、発災時における物資輸送体制は全57の区民避難所に対してどの程度確立しているのでしょうか。また、この物資輸送訓練は実施をしているのでしょうか。それぞれお伺いいたします。
○防災課長(白井隆司君) 災害時の各区民避難所への物資輸送については、庁有車や社団法人東京都トラック協会港支部との「災害時における応急対策用貨物自動車の供給に基づく協定」により、車両を調達するとともにルートの指示等を担当する部署、実際に物資の搬送等を担当する部署を明確にし、区の災害対応マニュアルにおいて業務手順を定め円滑な輸送体制を確保しております。輸送訓練については、区職員による物資の輸送訓練や図上訓練など、災害対応マニュアルに基づいた訓練を毎年実施しております。また、平成28年鳥取県中部地震が発生した際に、被災地支援として行った売り物とならなくなった梨の購入に際しては、発災時を意識し、実際に物資輸送を担う部署が梨の仕分け作業、積み込み作業を行っております。今後も実践的な訓練の実施等により、円滑な物資輸送体制を確立してまいります。
○委員(黒崎ゆういち君) 区の中では十分できているとは思いますが、協定締結先とも1年に1回が多いか少ないかわかりませんけれども、ぜひ大がかりにやっていただいて、その備えを高めていっていただければと思います。
最後に、区民避難所では最寄りの町会や自治会で不足している物資の情報を収集し、災害対策本部に依頼して物資を供給するフローになっていると聞いています。現場が必要としている、もしくは要求している物資とみなとパーク芝浦に届く支援物資がしっかりマッチングすることが理想的ですが、現状はそうでもないということが各被災地でかいま見られます。現在の計画において、どのように支援物資を供給する体制を構築していくお考えなのか、お伺いいたします。
○防災課長(白井隆司君) 被災地への支援物資の供給については、都道府県単位で物資の要請をし、供給をしていく体制が基本となります。区では、各区民避難所で必要な物資の品目の数量を5地区の災害対策地区本部が取りまとめ、災害対策本部が一元的に集約し、東京都に要請します。これまでの災害では避難所で必要とする物資の集約から供給までに時間がかかり、時間の経過とともに必要とされる物資が変化し、その結果として避難所に供給される物資とニーズにミスマッチが生じた事例も起きています。各避難所の現場で何が必要とされているのか、現場性を持ち、迅速かつ正確に把握することが重要であり、避難所運営訓練等で集約の方法や手順を確認するなど、円滑に支援物資を供給する体制を構築してまいります。
○委員(黒崎ゆういち君) AIやIoT等の新しいIT技術を活用して、そのようなマッチングが正確に早く現場に必要なものがすぐ届くような体制をぜひ構築していただきたいと思います。
以上です。