平成29年度決算特別委員会「環境清掃費」質問&答弁(議事録)

○委員(黒崎ゆういち君) よろしくお願いします。環境清掃費についてですが、初めに、羽田空港の機能強化に関する対応について伺います。今までも羽田空港の機能強化に関する対応については、丁寧な対応を国に求めていくよう自民党議員団としてお願いしてきました。もちろんこれからもそうするつもりです。現在は港区においてフェーズⅣの説明会が終了し、国際線増便の必要性や実現方策等に加え、環境影響等に配慮した方策の進捗や新飛行経路の詳細な情報、落下物対策の検討状況などを説明し、航空機の音や見え方を確認できる体験コーナーで騒音や落下物への配慮や具体的な対策を説明するなどのオープンハウス型の説明会を実施しています。そのほかにも、各地域において教室型の説明会、我々議員に対する学習会も開催され、羽田空港の機能強化に関する理解を深めてきました。議員に対する5回目の学習会も10月31日に開催が決まっておりますが、いまだ港区の上空を飛行機が通る新飛行ルート計画を知らない区民も多数存在していることも事実であります。既に2年を切る東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催まで2年を切る中、機能強化を完了させたいと国土交通省は準備を進めていますが、さらなる情報発信によりコミュニケーションを図る施策が必要だと考えます。より幅広く周知を進めていくための施策について、国の対応、区の対応及びそれに向けたそれぞれの役割についてお伺いをいたします。

○環境課長(茂木英雄君) 羽田空港の機能強化、それに伴う新飛行ルート案の周知については、国の責任において区民等に丁寧な説明を行い、十分な理解を得て、検討を進めるべきものと考えております。国は、オープンハウス型説明会等の開催や情報発信拠点の設置のほか、羽田空港の機能強化に関するリーフレットやニュースレター、新聞広告などにより、周知を行ってきました。区は、これまでも新飛行経路案など羽田空港の機能強化に関する取り組みや計画内容について、随時広報みなとや区ホームページなどを通じ周知してまいりました。今後も引き続き、区は国に対し、さまざまな方法や適切な機会を捉え、区民の皆さんに積極的に周知を行うよう要請するとともに、国との情報共有を密に行い、羽田空港の機能強化にかかわる情報等を随時丁寧に周知してまいります。

○委員(黒崎ゆういち君) 10月にはみなと区民まつり等もありますし、区のイベントがあります。環境課が関与しないイベントにおいても、住民向け告知においてはご配慮いただきたい。新聞の折り込みみたいな施策も含めてご検討いただきたいと思います。
 次にビル風対策について伺います。2年前の決算特別委員会でも同様の質問をしましたが、ビル風について改めてお伺いします。区は、平成25年に港区ビル風対策要綱を施行し、建物竣工後の譲渡時に建物の所有者への防風対策引き継ぎ手続を設けることで、譲渡後の防風対策の実施者と内容を明確にしています。2年前に質問した際、同要綱の施行以降に対象となった物件は13物件とのことでしたが、その後対象となる物件は何件発生しているのでしょうか。また、物件竣工後に同要綱に基づく指導を行ったケースが発生しているのか、発生しているのであれば現在どのような状況になっているのかについてお伺いいたします。

○環境課長(茂木英雄君) 平成25年7月の港区ビル風対策要綱施行後、現在まで、要綱が定める手続の対象となった案件は25件です。このうち建物竣工後1年が経過した建物については、要綱に基づき防風植栽の生育状況の届け出を提出することになっています。その生育状況やビル風の状況がかんばしくない場合は、防風植栽の追加などさらなる対策を講じた上で、引き続き防風植栽の生育やビル風状況の調査・検証を行うよう指導することになりますが、これまでこうした指導を行った案件はありません。今後も特定事業者や防風植栽管理者に対しては、永続的に防風植栽の機能を保つための適切な維持管理に努めるよう指導してまいります。

○委員(黒崎ゆういち君) 先ほど二島委員が総務費で質問したように、制度の活用をPRしていくことも含めて、実際問題ビルが建ったから風が吹いてきたという事例はたくさん聞きますので、次の質問もそうなのですけれども、より多くの意見を聞いて、情報が収集されるような体制構築をお願いします。
 ことしは7月に台風12号、8月は13号、9月に21号と、大型台風の接近により港区内でも数多くの倒木被害が発生しました。倒木により道路をふさいでいる等の連絡を受け、各地区総合支所まちづくり課が9件の緊急対応を行ったとのことです。例としては、街路樹が倒れた、公園内の倒木、民有地の倒木、都道上の倒木というものが主にあったようです。
 9月の台風21号では、私の港南事務所の前にある品川フロントビル敷地内で倒木が発生しました。きょう初めてパネルをつくったので見えにくいかもしれないのですけれども、かなり大きい木があるのですけれども、倒れて道路を完全にふさいでいます。今現状こうなっています、倒木を切る、当然そうなのですけれども、安全確保をしていく中での措置だと思います。ここは日常的にビル風が強かった場所ですので、台風ということも相まって、強風でこんなに大きな木が倒れてしまった。ちなみに品川フロントビルは、要綱制定以前の建物のため、先ほどの港区ビル風対策要綱の対象ではありません。今回倒木した樹木は、安全のために既に切断されていますが、ビル風が強い場所ですので、防風植栽として改めて植えてもらいたいと思います。このように要綱対象外、もしくは要綱制定以前の建物に対し、台風等による何らかの理由において、建築当初のビル風対策は機能しなくなった場合、区はどのように現状復帰を指導・対応していくのかお伺いします。また、要綱制定以前の建物や延べ床面積5万平米未満の建物などで、ビル風が発生している場合、どのように指導・対応していくのかについてもあわせてお伺いいたします。

○環境課長(茂木英雄君) 環境影響調査の対象となる大規模な建物におきましては、港区ビル風対策要綱の対象外または要綱制定前に完成した建物であっても、ビル風を含めた周辺の生活環境の保全や配慮が必要であると考えております。そのため区は、こうした建物に対して台風等により防風植栽が倒れ機能を失ってしまった場合や、強いビル風が発生している場合には、環境影響調査や要綱の考え方を踏まえ、適切な対策を講じるよう求めてまいります。また、環境影響調査や要綱の適用を受けない延べ床面積5万平方メートル未満の建物についても、事業者からの相談等に対し防風対策の手法などのアドバイスを積極的に行ってまいります。

○委員(黒崎ゆういち君) 今のご答弁ですと、民間の土地で建物を建てるときには植栽があっても、今回みたいに倒れてしまったときに、復旧するお金をかけられない場合は、結局そのまま放置されていくと思うのです。どこまで強制力があるようなものになるか、この要綱では、それ以外のことも含めて民間に対して指導はできないとは思うのですが、何とかもとの状態に戻せるよう助成も含めた指導を行っていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 次に、指定喫煙場所の設置状況についてお伺いします。みなとタバコルールでは、港区内で暮らす人や働く人、訪れる人など、全ての人が守るべきルールとして、指定喫煙場所を除く公共の場所においては喫煙してはならないと定めています。現在、指定喫煙場所は屋外49カ所、屋内26カ所の合計75カ所ですが、現在の設置状況に関する区の見解と、今後の指定喫煙場所設置方針についてお伺いします。また、指定喫煙場所を設置する際の課題についてもあわせて伺います。

○環境課長(茂木英雄君) 港区環境美化の推進及び喫煙による迷惑の防止に関する条例でみなとタバコルールを定めた平成26年度末時点での指定喫煙場所の数は23カ所でしたが、平成27年度から現在まで、当初港区基本計画に計上した整備計画を大きく上回る52カ所を増設してまいりました。設置箇所数は増えましたが、地区ごとの設置状況にばらつきがあるなど、まだ十分とは言えないと認識しております。今後は特に分煙効果の高い屋内の喫煙場所を中心に、引き続き喫煙場所の整備に取り組んでまいります。設置の課題といたしましては、屋根と壁等で覆われた密閉型の喫煙場所は、建築基準法の適用を受けるため屋外では整備が困難であることや、道路管理者や敷地管理者の同意が得られず適地がなかなか見つからないことなどがございます。

○委員(黒崎ゆういち君) キャビン型の屋内の喫煙場所を広げていくことが今後に求められるところだと思うのですけれども、さらなる屋内指定喫煙場所の設置に向けて民間に協力してもらいやすい設置メリットや助成制度がないと進んでいかないと思います。本件に関して区の見解をお伺いします。

○環境課長(茂木英雄君) 区はこれまで、設置費用を全額助成する設置メリットの高い港区独自の助成制度のほか、大規模な開発を行う事業者に対する港区開発事業に係る定住促進指導要綱に基づく設置要請を通じて、屋内の喫煙場所の整備に努めてきました。今後は健康増進法や東京都受動喫煙防止条例による屋内の規制が強化され、企業や店舗内に喫煙室を新たに設けるなどの動きが活発化することが想定されることから、区の助成制度や設置メリットを広くPRするとともに、事業者等のニーズや課題の把握に努め、民間施設内に指定喫煙場所の整備がさらに進むような効果的な支援策を検討してまいります。

○委員(黒崎ゆういち君) よろしくお願いします。以上です。

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