平成28年度決算特別委員会「総務費」質問&答弁(議事録)

◯委員(黒崎ゆういち君)  よろしくお願いします。最初に、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会開催に向けた港区の取り組みについて伺います。
まず、全庁を挙げた連携体制の推進についてです。
東京2020大会の気運醸成や大会を契機としたまちづくりの効果的な推進に向けて、さらなる全庁横断的な調整を図ることを目的として、企画経営部内にオリンピック・パラリンピック推進担当が設置されました。現在の推進状況及び設置後に見えてきた課題についてお聞きいたします。また、全庁挙げた連携体制の推進状況についてもあわせてお聞きいたします。

◯企画課長・区役所改革担当課長・オリンピック・パラリンピック推進担当課長兼務(野上 宏君)  オリンピック・パラリンピック推進担当では、現在、助成事業の実施や企業連携によるカウンドダウンサイネージの設置、東京2020大会の1,000日前を記念したイベントの企画・検討、(仮称)区民マラソン大会の実現に向けた検討など、多岐にわたる気運醸成施策を強力に推進してございます。
課題といたしましては、各種事業を推進する上で、大会組織委員会や東京都、警視庁などの関係機関との協議や調整に相当の時間を要することが挙げられます。全庁を挙げた連携体制の推進状況といたしましては、文化プログラムや暑さ対策、オリンピック・パラリンピック教育など、さまざまな分野におきまして順調に施策を展開しております。今後とも、オリンピック・パラリンピック推進担当が調整機能を十分に果たし、全庁を挙げて各種事業に推進してまいります。

◯委員(黒崎ゆういち君)  次に、私が区議会議員に当選してからほぼ毎回同様の質問をさせていただいて大変恐縮ですが、気運醸成とレガシー創出の最終イメージについて、質問をさせていただきます。
現在、区が行っている気運醸成及びレガシー創出の施策はたくさん実施されておりますが、その先に何があるのかのイメージを示されていないことが大変もったいないのかなと思っています。やはり東京2020大会の開催時及び大会終了時にどのようなことが起こって、そこで私たち港区に住む人、働く人、訪れる人が、それぞれどのように東京2020大会にかかわることができて、何をしていくかを考えていくには最終イメージが必要だと思います。みんなが一つになって東京2020大会を成功させる輪を広げていくためのきっかけづくりにもなると考えます。気運醸成、レガシー創出の最終イメージを早急に示すべきだと考えますが、区の見解をお聞きいたします。

◯企画課長・区役所改革担当課長・オリンピック・パラリンピック推進担当課長兼務(野上 宏君)  気運醸成についてですが、オリンピック・パラリンピック推進担当といたしましては、区民一人ひとりにとって東京2020大会の開催や大会終了後の将来に向け、夢と希望を持って、より一層、豊かで心地よい地域社会の実現を思い描けるような気運醸成に取り組んでいきたいと考えてございます。
また、レガシーの創出ですが、東京2020大会に向けた、そうした気運醸成の取り組みを、あらゆる世代の区民の心に残る確かなレガシーとして根づかせ、大会を契機とした区民の取り組みがまちに息づくことを目指し、取り組んでおります。

◯委員(黒崎ゆういち君)  港区ならではという施策がかなりいろいろな分野において展開されていると思います。ですから、そこら辺と絡めて、ぜひ気運醸成、気運醸成という言葉は非常に大きな概念なんですけれども、事業に落ちるような調整も含めてお願いしたいと思います。
次に、各種施策の優先順位や実施時期についてです。
本日現在、2020年7月24日の東京オリンピック開幕式まで1,036日、2019年9月4日のラグビーワールドカップ開幕戦まで728日前に当たります。先ほど質問させていただいた最終ゴールを目指し、さまざまな分野や人々がそこに向かって、いろいろな企画やイベントを推進・展開していくことになるわけですが、区も港区基本計画後期3年の見直しにあたっての重点課題にソフト・ハードの取り組みの推進ということを掲げておられます。まさに、その推進施策については今考えられている最中かと思いますが、最終イメージに向かって、各種施策や事業の優先順位や実施時期についてどのように推進していくつもりなのか、区の見解をお聞きいたします。

◯企画課長・区役所改革担当課長・オリンピック・パラリンピック推進担当課長兼務(野上 宏君)  東京2020大会を見据えましたソフト・ハードの取り組みの推進にあたりましては、ボランティアの養成や暑さ対策、多言語化を含めたバリアフリー対策など、大会開幕前までに成果が求められる施策につきましては、それぞれ適切な時期を定め、優先的に取り組む必要があると考えてございます。東京2020大会後を見据えた将来のまちづくりに向けた施策を含めまして、他の施策への影響等を考慮しながら積極的に推進してまいります。

◯委員(黒崎ゆういち君)  ちょっとよくわからない感じですけども、次に聞くときはもうちょっとめり張りが出るような回答を期待しております。
次に、トライアスロン以外の競技に対して、区はどのようにかかわっていくかの方針についてです。
現在、お台場海浜公園は、トライアスロンと水泳10キロマラソンの競技会場になることになっております。トライアスロン以外の競技に対して、区はどのようにかかわっていくのか、方針を示すタイミングも来るのかなと思っております。オリンピック・パラリンピック教育という観点もありますので、教育費においても同様の質問をする予定ですが、本日は総務費ということで、気運醸成やレガシー創出という観点で区の見解をお聞きいたします。

◯企画課長・区役所改革担当課長・オリンピック・パラリンピック推進担当課長兼務(野上 宏君)  東京2020大会に向けました気運醸成やレガシーの創出に関する区の取り組み方針につきましては、港区基本計画後期3年の見直しに合わせまして、その中でお示ししてまいります。今後も、特定の競技への関与にとどまらず、ボランティアの育成、区民の関心の高い競技の普及啓発、パブリックビューイングなど、教育委員会と連携いたしまして、幅広くより効果的な気運醸成及びレガシーの創出に全力で取り組んでまいります。

◯委員(黒崎ゆういち君)  オリンピック全24種目ですかね、あったと思いますけど、プラス新しい競技なども入れると、本当に全部できるのかというところもありますので、先ほどの質問同様、区として、港区らしい競技を選んで、積極的に深堀りをして展開していくというような方針を打ち出していただくことを期待しております。
次に、ラグビーワールドカップ2019日本大会開催に向けた港区の取り組みについて伺います。
まず、ラグビーワールドカップの推進体制についてです。先ほどからの質問のとおり、企画経営部にオリンピック・パラリンピック推進担当が設置され、東京2020大会に向けてさまざまな方針や施策を展開していただいておりますが、ラグビーワールドカップにおいても、東京2020大会と同様、全庁挙げて連携体制で推進すべきだと考えますが、区の見解をお聞きいたします。

◯企画課長・区役所改革担当課長・オリンピック・パラリンピック推進担当課長兼務(野上 宏君)  本年6月に開催されました秩父宮みなとラグビーまつり2017では、赤坂地区総合支所、教育委員会事務局、地元の関係団体が協力・連携いたしまして、大きな盛り上がりを見せました。こうした取り組みを一過性のものとせず、ラグビーワールドカップ2019日本大会が東京2020大会と同様に世界最高峰のスポーツイベントであることなどを広く区民に浸透させるため、全庁挙げた一層の気運醸成に取り組んでまいります。

◯委員(黒崎ゆういち君)  オリンピックとラグビーワールドカップ、世界三大スポーツ大会のうちの2つの大会が日本で開催されるわけです。東京が深く絡んでおります。特にラグビーの聖地、秩父宮ラグビー場が港区にありますし、日本ラグビー協会との連携協定も結んでいる中で、引き続き積極的な展開を期待しております。
次に、東京2020大会と連動した取り組みについてお伺いします。
10月10日に新橋駅前SL広場で東京2020大会カウントダウン装置設置を記念したカウントダウンフェスタが開催される予定と聞きました。港区らしい立地条件を生かして、大会公式スポンサーによる企業連携が実現しました。一方、限られたスポーツ企業以外の企業とも協働という切り口で活用する場面を考えていかないと、気運醸成、レガシー創出は実現しないと思います。このような枠組みはラグビーワールドカップ2019日本大会においても同様で、ワールドカップ2019日本大会のカウントダウン装置等もぜひ設置していただきたいと思いますが、こちらもご検討いただけるかどうかお伺いします。
続いて、質問します。
また、国土交通省では両大会の開催を記念し、ラグビーワールドカップ特別仕様ナンバープレートを本年2月13日から行っております。東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の特別仕様ナンバープレートも、この9月4日から申し込み受付をスタートしています。特別仕様ナンバープレートは新車、中古車の購入時、所有車両の車検時などで、同じ番号ならいつでも交換が可能となっています。私も先日交換しました。ナンバープレートの交付料金は、東京地区で7,210円、1,000円以上の寄附で図柄入りナンバーの選択が可能になっています。そして、寄附金は大会開催に必要となる交通サービスの改善、バス、タクシーのバリアフリー化等に充てられることになっています。このような国の取り組みは、ぜひとも区が率先して実施して、区民に広く知らしめていただきたいと考えますが、区の見解をお聞きいたします。

◯企画課長・区役所改革担当課長・オリンピック・パラリンピック推進担当課長兼務(野上 宏君)  新橋駅前SL広場に設置予定の東京2020大会カウントダウン装置は、民間企業の協力によりまして設置が可能となりました。ラグビーワールドカップのカウントダウン装置の設置につきましても民間企業の協力が必要と考えます。今後、民間企業との協力の可能性を調査するとともに、協力が得られた際には、設置に向け、区としても積極的に検討を進めてまいります。
また、黒崎委員ご提案の東京2020大会及びラグビーワールドカップ特別仕様ナンバープレートにつきましては、区民や区を訪れる来街者等に対し、両大会を広く周知するための有効な手段の1つであると考えております。実現に向けまして、関係部署と調整をしてまいります。

◯委員(黒崎ゆういち君)  ありがとうございます。皆さん、理事者の方も含めて、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会とラグビーワールドカップ2019日本大会のピンバッジ等、中にはネックストラップも、これ多分公式のものだと思いますが、購入されてつけられている方もいらっしゃいます。ここら辺が、自治体の方、公共の職員の方が率先してつけていただくことが、民間の人たちにいいねというように思っていただける、最も近い気運醸成のPR要素になってくると思いますので、よろしくお願いします。
また、ラグビーワールドカップ2019日本大会のチケット販売サイトが9月20日よりオープンしました。来年1月以降、順次、優先順位がつけられて販売されていくようです。そこに向かっても、ぜひ大会成功に向けて区のお力添えをいただきたいと思います。
次に、マラソンランナーのマナーについて伺います。
港区では、さまざまな場所でランニングやウォーキングが楽しめます。東京都オリンピック・パラリンピック準備局スポーツ推進部が運営するホームページのスポーツTOKYOインフォメーションでは、港区のランニングコースとウォーキングコースが9コース紹介されています。先ほどより質問している気運醸成が高まっていくと、さらにランニングやウォーキングを始める方が増えてくるのだと思います。また、さらに本格的にランニングを行いたいという方も増えてくることだと思います。これは実にすばらしいことだと思います。
一方で、歩道はマラソンランナー専用のものではなく、当然のことながら、一般の歩行者はもとより、高齢の方や障害を持つ方が通行する公共の場所です。皇居周辺でも問題になっているようですが、ともすればランナーが集団で我が物顔で走行し、もはや公共の歩道だという意識がない行為が見受けられますが、これはスポーツ精神に反する完全なマナー違反だと思います。このような事案に対して、誰もが快適で安心して通行できる安全な歩道の確保に向けた施策や展開について、区の見解をお聞きいたします。

◯危機管理・生活安全担当課長(川崎光徳君)  歩道という限られた空間で歩行者の通行を妨害するような方法で走行することは、歩行者や自転車との接触事故やトラブル等に発展するおそれもあることから、マラソンやジョギング等を楽しむ方には、他の通行人への配慮が求められます。区としましては、歩行者やランナーを含め、歩道を利用する誰もが快適に安心して通行できるよう、生活安全の観点から、ランナーが多い場所での青色防犯パトロール車両による広報啓発や巡回に加え、みんなと安全安心メールでの注意喚起など、マナー遵守のための啓発活動に取り組んでまいります。

◯委員(黒崎ゆういち君)  これはスポーツを「みる」「する」「支える」というところで、する人たちがどれだけ高い意識を持って、自分勝手にならないように取り組むかという話ですので、なかなか注意をしてどうのこうのということではないと思います。港区はそういう配慮ができる人たちが多いまちであったり、そういうことに対して声がかけられるような、そういう環境づくりも今後必要だと思います。今、お話しした事例は、実際、神宮外苑のマラソンコースといいますか、歩道で起きている事案です。あそこは新宿区とか東京都とか港区の道路であり、行政管轄が分かれるところで、新宿区側にはマラソンランナーだけではありませんというような看板が立っています。港区でも多分、対応していただけると思いますけれども、当然、芝公園一帯だったり、もしくは運河沿い、ベイエリアにおいてもマラソンランナーが非常に多いところですので、何か格好よくみんなが走っているんだというモデルになるようなまちをぜひ目指していただきますよう、これは継続して展開していただきますよう要望させていただきます。
次に、客引き防止プロジェクトについて伺います。
区内繁華街において、路上や広場などで客引き行為等を行う者が増加していることから、昨年12月8日に港区客引き行為等の防止に関する条例が公布されました。より明確な規制を求める要望が寄せられる中、区民や来街者の安心・安全を確保するとともに、事業活動の健全な発展に寄与するため、公共の場所において、客引き行為等を明確に規制する条例を制定したわけですが、条例制定の効果と現時点における課題についてお聞きします。
また、新橋、六本木、赤坂、浜松町、田町、品川周辺で活動する港区生活安全パトロール隊の土日配備と、同じように区が指導員として派遣しています、みなとタバコルール指導員との連携等について、さらに実効性を担保するための方法がとれるものと考えますが、今後の展開についてもあわせてお聞きいたします。

◯危機管理・生活安全担当課長(川崎光徳君)  まず、条例制定の効果と課題についてでございます。
本年4月の条例施行以降、区内6地区において、区職員及び港区生活安全パトロール隊が条例の周知や違反者に対する指導等を実施しており、現在は6地区全てにおきまして、強引な客引き行為が減少するなど、一定の効果が出ているものと認識しています。
一方、新橋の一部の客引き行為者の中には、指導に従わず、生活安全パトロール隊員の目を盗んで違反行為を行うものや、指導に対して反抗的な態度をとる者、また、業務を妨害する者も散見されています。こうした状況を踏まえ、書面指導を行っても違反を繰り返す者には書面による勧告を実施しているほか、警察との合同指導を実施しているところでございます。今後も警察と協力し、生活安全パトロール隊の効果的な配置や集中運用に加え、客引きを使っている店舗への指導等により抑止効果を進めてまいります。
続いて、港区生活安全パトロール隊の活動がない土曜日、日曜日等の客引き行為の実態につきましては、既に把握しているところでございまして、対策が必要と感じております。今後、客引き行為の実態が認められる地区については、土曜日、日曜日に不定期に生活安全パトロール隊を配置するなど柔軟に対応してまいります。
また、みなとタバコルール指導員との連携につきましては、生活安全パトロール隊は客引き行為防止のための業務を遂行する一方、路上喫煙を行う者などを現認した場合には、みなとタバコルールに基づく注意を行っております。今後も継続して実施するとともに、可能な限り他の業務との情報を共有し、区民の安全・安心を確保してまいります。

◯委員(黒崎ゆういち君)  初年度というか、まだ始まったばかりですので、今のような課題認識の中で改善していただきますようお願い申し上げます。
最後に、大学生に対する消防団入団を促す施策について伺います。
私が所属する高輪消防団第4分団は、おかげさまで本年6月に開催された平成29年第65回港区内消防団ポンプ操法大会で優勝をさせていただきました。行動・動作の規律減点が最も少ない勝利は、日々の訓練とチームワークのたまものであります。仕事や家事の合間に訓練をされる消防団員は地域ボランティア活動の象徴であります。
一方、地域の防災リーダーである消防団員の人材確保は、訓練場所の確保と並ぶ大変大きな課題であると思います。区では、消防団に対してさまざまな支援を行っていただいていますが、人材を確保し、人員を拡大していくという支援策が必要だと考えます。
2点、続けてお聞きいたします。
1つ目は、防災という観点において、区が地域と大学及び大学生をつなぎ、若い力を地域の担い手として育てる施策があるかどうかお聞きいたします。
2点目、発災時の機動力を確保するために、大学生が消防団に入団しやすい施策や、入団するメリットをつくっていくべきだと考えますが、区の見解をお聞きいたします。

◯防災課長(佐藤博史君)  芝消防団及び芝消防署では、戸板女子短期大学と連携し、学生団員の入団推進を図っておりまして、学生の新規入団者数は、平成28年度が11名、平成29年度が19名となっております。さらに、この9月には新たに23名の入団者がございました。学校での入団説明会の開催や、社会貢献活動による単位として認定するなど、大学の協力が不可欠でありますので、区内の大学に対しまして、消防団活動への理解が得られるよう積極的に働きかけてまいります。
続きまして、大学生の入団促進のための具体策についてです。
大学生の機動力は、その体力面など、区としても大いに期待するものであります。消防団入団による学生のメリットとしては、学生消防団員としての社会貢献活動の実績を就職活動に生かすことができる、東京消防庁による特別区学生消防団員活動認証制度というものがございます。入学直後から消防団活動の活動実績を積み上げ、地域の力となるよう、入学式などでの周知・啓発活動や学校での入団説明会の開催について、大学に協力を求めるとともに、消防署と連携し、入団促進を図ってまいります。

◯委員(黒崎ゆういち君)  ありがとうございます。23人ですか、9月に入団されたということは非常に喜ばしいと思います。学生さんが困っていることという意味では、就職活動もそうなんですけど、やはり財政的な援助。千代田区では、地域の行事で活動した場合、ボランティアのポイント制度をつけることによって、寮をつくって、その安い寮費のところに4年間住むことができる、そんな制度もあるように聞いています。同じように、当然就職活動もそうなんですけど、奨学金の問題だったり、先ほどから出ている寮費の問題、特に港区は一人で住む場合は家賃が高い、生活費も高いという状況の中で、何かできるところとできないところがあると思いますが、いろいろな観点で地域の若い担い手をつかんできて、それを展開していけるような施策について、防災という観点で質問させていただきましたが、ほかの部分についても同様だと思いますので、調査、検討していただきたいと思います。
以上です。

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