平成26年度決算特別委員会「土木費」質問&答弁(議事録)

【質問内容】
◯委員(黒崎ゆういち君)  よろしくお願いします。土木費に関しては、3つの項目でお聞きいたします。
 まず、自転車シェアリング拡大に向けた環境整備についてお聞きいたします。自転車シェアリングは、現在、千代田区が36ポートで300台、江東区が22ポートで330台、ことし10月から中央区が20ポートで200台、この3区で合計78ポート、830台に対して、本定例会に計上された補正予算では港区において50ポート、500台の増設により、合計69ポート、710台となる予定です。また、来年度には100ポート、1,000台を増加して、170ポート、1,710台を目指す計画だと伺っております。他区に先駆けたこの増強は、まさに港区のポテンシャルに対する自信と、区民や港区を訪れる方々へのサービスの充実を考える港区らしさがあふれた施策だと思っております。自転車シェアリング事業が急速な拡大によって大成功をおさめる事例となるよう願ってやみません。
 そこで、私としては、自転車シェアリング拡大に向けた環境整備として、利用者とポート用地提供者のそれぞれの視点から提案させていただくとともに、ご質問をさせていただきたいと思っております。まず、自転車シェアリングにおいて、特に港南地区では通勤・通学の際の利用が顕著だと聞いております。こうした区内での利用形態では、通勤にかかる移動距離は1キロから2キロ程度だそうです。今後、区内全域にポートを拡大し、港区、千代田区、中央区、江東区の4区で相互乗り入れができるようになり、また、さらに他区がこの自転車シェアリング事業に参入してきた場合、長距離の自転車通勤者がますます増加していくということが考えられます。
 こうした人々のことを自鉄と呼んでいるようですが、最近は都内でもこうした自転車通勤者のライフスタイルに合わせ、シャワー、ロッカーつきの小規模駐車場が開設されているやに聞いております。やはり夏などは自転車をこいだ後、シャワーで汗を流し、スーツに着がえて出勤するという新しいスタイルを利用する方々が増加しているのではないでしょうか。こうしたシャワーやロッカーがつくポートや複合機能を組み合わせたベースというべきでしょうか、そういった利用者のニーズをくみ上げていくことにより、利便性をさらに向上させて、環境整備、機能強化を戦略的に行っていくことで自転車シェアリングの人気もさらに高まっていくのではないでしょうか。これらの施策により、マラソン愛好者など、今まで自転車シェアリングの存在を知らなかった方々にも運動という切り口でアプローチができると思います。民間のフィットネスクラブと提携するといったことも含めて、利用者視点での計画推進をお願いしたいと思っております。
 次に、ポート用地を提供する方の立場からの提案です。青山地区ではこれまで自転車にやさしいまちということで、民間主体のBDA、これは、Bicycle Street Design Competition AOYAMAというイベントが過去3年にわたって行われています。これは毎年自転車のラック等で見せる駐輪がまちを変えるというコンセプトで、デザインコンテストを行っているものです。同地区は就業人口も多く、ビジネスでの自転車シェアリングのニーズも高いと言われているエリアですが、同時に、観光などでまちを自転車で散策するという大変格好いいまちでもあります。
 このエリアには本設の自転車駐車場の計画が現段階ではないことからもわかるように、用地の確保が課題となっております。こうした民間等の取り組みと自転車シェアリングを連携させていくことで、商店街等への小規模ポートの設置を協力してもらえる機会が増えていくのではないかと考えています。ちょっと長くなりましたが、以上2点を提案させていただきます。これらの考えに対して、区の検討の可能性についてお尋ねいたします。
【答弁内容】
◯交通対策担当課長(西川克介君)  シャワーやロッカーを整備するということにつきましては、一定の利用者層に対して利便性の向上につながると考えております。また、区立の自転車等駐車場でのアンケートでも同様の要望があることから、シャワーやロッカーつきの小規模駐車場を運営している事業者へのヒアリングを実施してみたいと考えております。一方で、場所の確保や設備設置費用などの課題が考えられますので、当面は調査研究により情報収集に努めます。
 次に、デザインコンテストについてです。このBDA運営事業者と、平成27年9月11日と9月18日に情報交換の場を持ちました。こうした民間の取り組みと自転車シェアリングを連携させていくことにつきましては前向きに検討してまいります。
【質問内容】
◯委員(黒崎ゆういち君)  ありがとうございます。私も実は自転車シェアリングの月額会員として登録しておりまして、大体月に4,000円ぐらいの利用をさせていただいています。あの赤い自転車に乗って、きのうも横尾委員に会ったり、この前も榎本あゆみ委員に見られて、「おっさすがだな」というふうに言っていただいています。
 実はこの週末の土曜日に秩父宮ラグビー場でラグビーワールドカップのジャパン対サモア戦が21時から25時までパブリックビューイングとして開催することが決まりました。25時というと、やはり電車がない時間です。そんなことも含めて、イベントであったり、24時間都市の足となるような見本をぜひ港区でつくっていただきたいと思います。飲酒の問題等もあると思いますが、積極的にポートを増やしていくという力強いお考えを聞きましたので、よろしくお願いいたします。
 次に、公開空地の活用支援についてお伺いいたします。
 港区は赤坂や六本木、港南地区を中心に大規模再開発が行われ、東京都の都市開発諸制度を活用し、さまざまな大型ビルや超高層ビルが多数存在しております。都市開発諸制度は特定街区、高度利用地区、再開発等促進区を定める地区計画、総合設計と大きく4つの内容に分かれ、それぞれの地域の特性に合った計画を後押しするため、事業者に容積率の緩和等のインセンティブを与えるかわりに公開空地等の整備義務を負うものであります。
 本制度を利用する事業者にとっては、公開空地の活用を前提に設計されているケースもあれば、その義務を果たすためだけに便宜的に公開空地を設計する例も見られております。実際にスポーツフィールド、フットサル場とか、カフェ、イベントスペースとして使用している例が多数、東京の中では存在しています。先ほどの自転車シェアリングのポートも公開空地を活用している事例と聞いております。公開空地の利用は、港区で働く方々や外国人旅行者等の外部の方々との交流拠点となり、また、地域に対し、事業者側から地域貢献の拠点にもなることから、その可能性は無限と考えております。そこで、公開空地の活用に関する手続のほとんどは東京都が管轄しているものの、土地やスペースが限られる都市・港区において大変有効な資源と考える中で、区としての公開空地の活用に関するお考えをお聞かせください。
【答弁内容】
◯都市計画課長(坂本 徹君)  地区計画や総合設計などによる公開空地は、主に市街地環境の整備・改善を図るために設けられており、その活用については、地域の活性化に寄与するなど、一定要件を満たす場合に限り認められております。
 区内では、六本木ヒルズなどで公開空地を活用した地域のお祭りやオープンカフェ、コンサートなども開催することができる東京都のまちづくり団体登録制度を活用したまちづくり活動も進められております。区としては、地域の活性化やにぎわいの創出には、このような公開空地の活用も効果があるものと考えおります。今後もより一層のにぎわいが創出されるよう、まちづくり団体登録制度の活用を事業者に働きかけてまいります。
【質問内容】
◯委員(黒崎ゆういち君)  ありがとうございます。今、私も公開空地を使ってフットサル場をつくれないかというようなことをいろいろ試行錯誤しておりますが、本当にいろいろな手続やクリアしなければいけないハードルが高くて、それでようやく使える制度だと痛感しています。何とか区民の方が気軽にこのような公開空地を活用できるようなプランの後押しをいただければと、ご要望させていただきます。
 最後に、港南地区の歩道整備についてお伺いします。
 港南地区はご存じのとおり、山手線の新駅やリニア中央新幹線の開通に伴う整備、環状4号線の延伸など、さまざまな計画が目白押しであります。交通インフラ整備の際は、住民の方々が快適で暮らしやすいまちづくりを要望しているのは言うまでもありません。そんな港南地区は、港区の中でも新しい地区であるためワンスパンがとても広く、歩道は大変充実しているが、緑が非常に少ないような気がします。真夏の炎天下において遮るものが何もない、真っすぐの歩道を歩いて駅に向かうのは大変しんどいという高齢者の声はよく聞くところです。歩行環境の改善にために街路樹を増やすべきだと考えますが、区の見解をお聞かせください。
【答弁内容】
◯土木課長(杉谷章二君)  街路樹は良好な街路景観を形成し、都市に潤いを与えています。夏場においては直射日光を遮ることで緑陰をつくり出すとともに、道路舗装の蓄熱を防止するなどの働きがあり、歩行環境の改善やヒートアイランド現象の緩和などに寄与しております。このようなことから、区では街路樹を増やすことが重要であると考えており、今後とも、道路整備にあわせ街路樹の充実を図り、歩行者に対する快適な歩行空間を提供できるよう整備を進めてまいります。
【質問内容】
◯委員(黒崎ゆういち君)  ありがとうございます。今回の件は区道に関する言い回しだと思いますが、港南地区は本当に多くの区道、都道、国道、高速道路、運河があります。その都度、東京都、国土交通省、首都高速、港湾局、それぞれに対して地域の方が働きかけるのは非常に大変でありますし、わかりにくいものであります。どうか区がリーダーシップをとって、このようなまちの声をシームレスにつないでいただき、地域の声を実現していただくような体制を希望しまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
▼上記質問の動画は「港区議会インターネット録画配信システム」で下記URLでご覧いただけます↓
http://www.minato-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=speaker_result&speaker_id=133

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