平成30年度予算特別委員会「総務費」質問&答弁(議事録)

◯委員(黒崎ゆういち君)  よろしくお願いいたします。
 先ほどの玉木委員の質問とかぶりますけれども、継続して港区版ふるさと納税制度について伺います。
 まず、対象事業の選定理由についてです。平成30年度の寄付充当事業は、1、泳げる海お台場の実現、2、運河にかかる橋のライトアップ、3、港区マラソンの3事業に、ふるさと納税を寄付充当する予定です。
 さまざまな事業がある中で、この3事業がなぜ選定されたのか、理由をお聞きいたします。

◯企画課長・区役所改革担当課長・オリンピック・パラリンピック推進担当課長兼務(野上 宏君)  港区版ふるさと納税制度の開始にあたりましては、平成29年11月に定めました寄付充当事業の抽出に係る考え方に基づきまして、区の持つ貴重な資源を活用し、寄付による成果が実感できる事業、多様な活動主体と連携、協力し、誰もが参画と協働に寄与することができる事業、寄付により区を誇りに思える事業を中心に、福祉、子育て、文化、産業振興、防災など、幅広い分野において関係課と調整を進め、充当事業の抽出を進めてまいりました。
 黒崎委員ご紹介の3事業につきましては、現時点でこの考え方に最も適し、優位性があるということから、港区版ふるさと納税制度の初年度である平成30年度において、寄付充当事業とすることといたしました。

◯委員(黒崎ゆういち君)  よくわかりました。
 次に、企業・団体が区に寄付する場合の税制上のメリットについてです。
 港区内には、大小さまざまな企業・団体が高度に集積しています。これら企業の力を区政においてもっと活用すべきだと考えます。港区版ふるさと納税制度は、港区に関心がある個人が区政を応援していただく制度であるのに対し、企業・団体はその対象になっていません。企業・団体においても、企画次第では、地域の発展のために寄付をしてもよいと思ってくれる企業・団体等が多くあると思います。このように、企業・団体が区に寄付した場合の税制上のメリットについて、あればお聞かせください。

◯企画課長・区役所改革担当課長・オリンピック・パラリンピック推進担当課長兼務(野上 宏君)  企業・団体等の法人が区に寄付を行った場合、法人税については全額その寄付金が損金に算入され、所得税は寄附金控除が適用されるため法人の税負担が軽減されると聞いてございます。

◯委員(黒崎ゆういち君)  わかりました。税負担の軽減ということです。
 次に、企業・団体からの寄付の促進について伺います。後ほど質問をさせていただきますが、来年度、区は、企業連携をさらに推進するとしています。地域社会の発展に向け、企業・団体の力を寄付という形で参画していただくべきだと考えますが、区のご見解をお聞かせください。

◯企画課長・区役所改革担当課長・オリンピック・パラリンピック推進担当課長兼務(野上 宏君)  現在、先ほどご紹介いただきました港区マラソンの大会運営費を確保するため、企業・団体からの協賛を募っているところです。企業・団体から寄付を受けることは、区単独では実施が困難な取り組みを可能とし、また、効果的、効率的な区政運営に大きく寄与することから、今後、企業連携を進める中で、企業・団体からの寄付のあり方について検討してまいります。

◯委員(黒崎ゆういち君)  次に、目標設定についてです。初年度の寄付金の目標金額は1億円とのことです。この目標設定の根拠とその実現性に向けた方策について、お伺いいたします。

◯企画課長・区役所改革担当課長・オリンピック・パラリンピック推進担当課長兼務(野上 宏君)  先ほどの阿部委員のご質問にもお答えしましたが、平成30年度の歳入予算の計上にあたりまして、他自治体のふるさと納税における寄附金状況を参考に、3事業の事業費約3億7,000万円の3割にあたる1億円を寄付金の目標金額として計上いたしました。
 目標額の達成に向けた取り組みといたしましては、各地区総合支所において寄付の受け付けを開始します。そのことで、窓口が明確になるといったことで、寄付の手続を身近に感じていただきたいと考えております。
 また、区ホームページや、全国自治体のふるさと納税の情報が集まったインターネットサイト、ふるさとチョイスを活用した寄附金のインターネット決済を導入することで、遠方から区を応援していただける方々の寄附の利便性の向上を図るとともに、パンフレットなどを作成し、地域の企業と連携した配布方法を模索するなど、さまざまな手段を活用して、寄付を呼びかけてまいります。

◯委員(黒崎ゆういち君)  今年度は23億円の減収で、来年度は30億円の減収という中での1億円なので、まだまだ取り返さなければいけないと思いますので、よろしくお願いします。
 次に、今後の展開についてです。待ちに待った我が港区のふるさと納税制度ですので、今回の3事業以外にも対象事業が増えていくことが期待されています。地域を応援するという趣旨に沿ったメニューをこれから増やす展開がとても気になるところです。今後の展開及び新規事業選定プロセスが決まっていれば、ぜひ教えていただきたいと思います。

◯企画課長・区役所改革担当課長・オリンピック・パラリンピック推進担当課長兼務(野上 宏君)  港区版ふるさと納税制度の寄付充当事業は、当初、3事業でスタートいたしますが、より多くの方々が制度にご賛同いただき、興味を持っていただけるよう、寄付充当事業について引き続き拡充の検討を進めてまいります。その際は、先ほどご紹介いたしました寄付充当事業の抽出の考え方に基づくとともに、当事業について区民から提案を募るなど、さまざまな手法で拡充を検討してまいります。

◯委員(黒崎ゆういち君)  よろしくお願いします。
 1つの事例ですけれども、大阪府吹田市に市立吹田サッカースタジアムというところがあります。これは総額で140億円の建設費がかかっているのですけれども、寄附によって100億円が法人から、6億円が個人から、あと助成金があり建設がされました。そして、5万円以上の寄附をすると、市立吹田サッカースタジアムにネームプレートを掲出するという特典もあり、特に大阪府吹田市で法人の寄附により100億円集まるということは、多分、目的がしっかりあって、それが地域にとってプラスになるような事業なのだと思います。特に港区においては企業・団体が多くありますので、比較的高額で区でできないような事業の展開についても進められる可能性が十分にあると思います。他の事例では、墨田区のすみだ北斎美術館も同じような手法だと聞いています。どうか港区らしい新たな独自性のある事業の展開を進めていただきたいと思います。
 次に、港区マラソンについて伺います。
 まず、開催目的及び意義についてです。開催決定後から今までの間に、直接的、間接的に何度も聞いておりますが、平成30年12月に初めて行われる港区マラソンの開催目的と開催意義について、改めてお伺いいたします。

◯企画課長・区役所改革担当課長・オリンピック・パラリンピック推進担当課長兼務(野上 宏君)  港区マラソンは、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた区民の気運醸成を図るとともに、子どもから高齢者まで、国籍、障害の有無の区別なく、多くの区民が気軽に参加できるスポーツを通じた地域共生社会の実現を目的として開催いたします。
 港区マラソンを地域ぐるみで世界に誇れる大会へとつくり上げ、また、それを育てていくことによりまして、コミュニティの活性化、さらには港区への愛着と誇りの機会の創出につながるものと考えてございます。

◯委員(黒崎ゆういち君)  ご存じのとおり、東京マラソン2018が開催されて、日本新記録で第2位の設楽悠太選手、青山にあるホンダの所属の選手だそうですけれども、1億円の報奨金を得るぐらい大きな成果を出されました。港区マラソンをやっていく中で、このような発展的な記録というか、思い出に残るような、参加してよかったと思えるような企画にぜひこれから仕上げてもらいたいと思っています。
 次に、現在の課題についてです。当初予定していた港区マラソンの開催時期が、東京2020大会に関連する警備の都合上、かなり前倒しされて実施されることになりました。その前倒しにより、企画や準備も同時進行で現在進んでいると思います。平成30年12月2日の開催、そして、大成功に向けた中、現在、山積する課題について、あればお聞かせください。

◯企画課長・区役所改革担当課長・オリンピック・パラリンピック推進担当課長兼務(野上 宏君)  平成30年12月2日の第1回港区マラソンの実施に向けまして、現在、大会コースを設定するため、交通への影響や迂回路対策、万全な警備体制の構築など、交通管理者である警視庁との協議が山場を迎えております。
 今後、コース沿道の住民や企業の皆様のご理解を得ること、そして、きのう私も地元で東京マラソン2018のボランティア、それから、救護体制を目の当たりにしましたが、多くの参加ボランティアの募集、育成、そして、大会当日の医療・救護体制の構築など、港区マラソンを成功に導くためには、まだまだ詰めていかなければならないことが山積してございます。このようなものを加速度的に進めていく必要があると考えてございます。

◯委員(黒崎ゆういち君)  よろしくお願いします。
 次に、実行体制についてです。港区マラソンが開催されることにより、子どもから高齢者まで、国籍、障害の有無にかかわらず、一緒になって楽しめる場をつくり上げ大成功させるためには、さまざまな方々のお力添えと参画が必要です。まず、参画したいと思う方々に対し、どのような参画プログラムがあるのでしょうか。
 また、港区マラソン実行委員会の名簿を見ると、港区内にある団体の代表の皆様、いわゆる地域の重鎮の方々が名を連ねています。一般的にこの種のイベントは、開催目的や意義に沿って上がってきたメニューをいかに現場、地域につなげて、形にしていくかが主催者の腕の見せどころだと思います。そのためには、現場にリーダーシップや覚悟を持った責任者を任命しなければなりません。今回の港区マラソン実行委員会の命を受けた実行体制はどのようなものになっているのでしょうか。お聞かせください。

◯企画課長・区役所改革担当課長・オリンピック・パラリンピック推進担当課長兼務(野上 宏君)  港区マラソンに、より多くの区民の皆さんのご参画をいただくために、大会名称や企画アイデアを広く募集しており、既に多くのご提案をいただいてございます。区民の皆さんの港区マラソンに寄せる期待の大きさを痛感しているところでございます。
 また、ランナーとしての出場はもとより、20種類を超えるボランティアとして港区マラソン大会を支えていただくこと、そして、コース沿道での声援や沿道イベントの実施による大会の盛り上げといった形でご参画いただくことと考えてございます。
 港区マラソン実行委員会の実施体制につきましては、港区マラソン実行委員会総会のもとに田中副区長を委員長とします運営委員会を設置し、実務、運営面におけるさまざまな検討課題を機動的に解決できる体制を構築してございます。港区マラソン実行委員会の各委員の考えや思いに応え、区民の皆さんの期待をしっかりと受けとめ、魅力あふれる港区マラソンを実現してまいります。

◯委員(黒崎ゆういち君)  時間もない、お金もないという制約がある中ですけれども、ぜひ区民から寄せられた意見は全部受けとめていただいて、何としても形にしようと思う気概のもと、実施に向けて努力していただきたいと思っております。
 次に、今後の展開についてです。先ほど述べたとおり、東京2020大会開催による関係で、平成30年12月開催となりました。港区の名物や東京の名物となるこの港区マラソンは、継続的に開催され、開催のたびに発展していくことこそ、東京2020大会のレガシーになると考えます。
 第1回もまだ終わっていない中でお聞きするのは大変恐縮ですが、今後の展開や将来に対する思いがあれば、ぜひお聞かせください。

◯企画課長・区役所改革担当課長・オリンピック・パラリンピック推進担当課長兼務(野上 宏君)  港区マラソンは、都心である港区を舞台に繰り広げる都市型のシティハーフマラソンであり、日本陸上競技連盟が定める規格に合った公認コースとしていく予定でございます。現在予定している港区マラソンのコースは、東京2020大会におけるマラソン競技のコースに想定され、また、箱根駅伝や東京マラソンでも使用されるコースを一部取り入れるとともに、区内に所在する80カ国を超える大使館の参画を促すなど、日本にとどまらず、世界から注目される一大イベントとしてまいりたいと考えてございます。
 毎年、大会を重ねるごとに、多くのランナーや区民の皆様に興味を持っていただける世界一の大会に成長、発展させていくことで、区民の皆様に港区への愛着と誇りを持っていただけるよう、大会の実現、継続に全力で取り組んでまいりたいと考えてございます。

◯委員(黒崎ゆういち君)  よろしくお願いします。
 次に、企業連携推進施策について伺います。
 まず、企業連携推進担当の新設についてです。港区政70周年記念事業で培った官民連携の新たな力を区民サービスのさらなる向上に生かすことのできる円滑な体制を確保することを目的として、平成30年4月1日付で企画経営部に企業連携推進担当が新設されます。企業連携推進担当が担う役割と、有する機能及び権限についてお聞きします。あわせて、目指す方向についても伺います。
 企業の力を着実につなげるには、企業も港区も連携してよかったと感じてもらうことが何よりも重要です。企業と港区をつなぐ連絡窓口と事業の進捗確認のほか、企業と港区にWINWIN以上の関係をもたらすための内容を継続して考えることができる企画力と調整力こそ、企業連携推進担当の本領発揮の場です。連絡窓口として適切な担当課につなげて、それで終わりということではならないと思います。どのような方向性に向かって物事を進めていくかもあわせてお伺いいたします。

◯企画課長・区役所改革担当課長・オリンピック・パラリンピック推進担当課長兼務(野上 宏君)  来年度新たに設置いたします企業連携推進担当は、企業の持つ知見、高い技術、ネットワークなどを活用し、区民サービスのさらなる向上に生かすことができる事業提案を受ける最初の窓口としての役割を担っています。企業連携推進担当の機能、権限といたしましては、企業の提案やアイデアがどのように区政に生かすことができるのかを見極め、福祉、子育て、教育、まちづくりなど、さまざまな分野に着実につなげるための調整を行ってまいります。
 次に、目指す方向性についてのお尋ねですが、企業連携によって、区は、企業の力を活用して事業の質の向上を図ってまいります。一方、企業に対しては、地域貢献を最大限に引き出すことで、新たな企業価値の向上につなげていただくことが重要と考えてございます。
 今後も、企業の力を一つの分野でとどまることなく、さまざまな分野で継続的な取り組みとして浸透させることができるよう企業連携を推進してまいります。

◯委員(黒崎ゆういち君)  ありがとうございます。比較的一方的になりがちな話だと思います。そこをいかに庁内としてWINWINの関係にしていただくかということは、本当に港区が期待される役割だと思いますので、よろしくお願いします。
 次に、テロ対策についてお伺いいたします。
 まず、区の役割についてです。来年のラグビーワールドカップ2019日本大会や、再来年の東京2020大会では、世界中から膨大な人数の選手や関係者、観客が東京都に押し寄せてきます。1日で最大92万人と言われていますが、全ての人々が安全・安心を確保した上で、円滑な大会運営と快適な滞在を保証し、日々の生活にも支障が出ないようにしなければなりません。港区は、東京都の玄関と言っても過言ではないメガターミナル駅や主要大型ホテルなどが集積しています。招かざる者もいるかもしれません。
 現在、テロ対策は、国等を中心に警察署・消防署と行政機関ごとにさまざまな脅威に対する危機管理体制の構築を行っている真っ最中だと思います。それぞれの行政機関が個別の役割を果たしていくテロ対策は、かなりの重複領域が出てくる一方で、抜けや漏れがあってはいけません。このような複雑な行政領域をまたぐテロ対策において求められる区の役割はどのようなものか、お伺いいたします。

◯危機管理・生活安全担当課長(川崎光徳君)  万が一テロ等が発生した場合は、区は、港区国民保護計画に基づき、区民等の安全を確保してまいります。安全の確保にあたりましては、警視庁や東京消防庁と連携し、また、テロ等の犯罪を抑止するために、日ごろから街頭防犯カメラの設置促進や、青色防犯パトロールによる巡回強化等により、区の施策の特徴を最大限に生かし、犯行をちゅうちょさせる取り組みを区内6警察署、4消防署と緊密に連携し、区内あまねくきめ細やかに実施をしてまいります。

◯委員(黒崎ゆういち君)  次に、テロを許さないまちづくりについてです。現在、区内では、さまざまな再開発事業が同時に進行しています。特に、新たなまちが1つできるほどのビッグプロジェクトでは、防災や防犯という観点において、敷地内や建物内の安心・安全が確保される質の高い設備やサービスが附帯されていると思います。当然、敷地内や建物内は所有者の責任として行われるのですが、既にそこにあるまち全体の安心・安全を高めていく機能を再開発に持たせていくことで、危機を事前に察知し、抑止力を高めることが、テロを許さないまちづくりにつながっていくと思います。
 東京2020大会のレガシーとなる最新テクノロジー技術を活用し、高度なセキュリティを確保する施策を区がリーダーシップをとって積極的に推奨し、再開発事業に盛り込んでいく後押しをしていくべきだと考えますが、区のご見解をお聞きいたします。

◯危機管理・生活安全担当課長(川崎光徳君)  現在、警視庁が主体となって、警察署ごとにテロ対策の協力関係を構築するパートナーシップを発足させ、東京消防庁、港区内の行政機関・民間事業者、地域団体等が参加し、地域特性に合わせたテロを許さないまちづくりを推進しています。
 また、最新の技術を活用したセキュリティ対策につきましては、防犯カメラを活用した画像解析や顔認証技術など、有効な取り組みがあることを承知しています。今後も、再開発等における最新のセキュリティシステムについて情報収集をするとともに、効果的な取り組みについて調査・研究してまいります。

◯委員(黒崎ゆういち君)  最後に、テロ対策訓練の実施についてです。
 今週金曜日に品川駅において鉄道事業者が中心となった防災訓練が行われます。さまざまな災害やテロ等が発生した場合に備えた訓練だと思いますが、先ほど質問したとおり、行政機関や企業、民間団体等で主催者が違うと、実際の発災時とは違う、パーツごとの訓練になりかねません。
 また、想定危機の種類ごとに、例えば、テロや地震、火災、水防等によっても訓練方法や求められる成果は違うわけであります。東京2020大会に向かって、テロ対策の訓練は区がさまざまな行政機関をリードして実施していくべきだと考えますが、いかがでしょうか。

◯危機管理・生活安全担当課長(川崎光徳君)  テロを未然に防止するためには、標的となり得る場所への警戒が必要だと考えております。区は、平成30年1月に、警視庁、東京消防庁と協力し、国立新美術館におきまして、ソフトターゲットになり得る大規模集客施設を対象にしたテロ発生時の合同対策訓練に参加し、関係機関との連絡体制を確認いたしました。
 また、区は、区有施設での不審者対応訓練や、大規模テロを想定した初動対応に関する図上訓練など、より実践的に実施しております。今後も、区は、警察署、消防署、住民組織、民間事業者と緊密に連携し、主体的に対策を実施してまいります。

◯委員(黒崎ゆういち君)  ありがとうございました。

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